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第12話 使用人殺人事件

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第12話 使用人殺人事件

1 - 第12話 使用人殺人事件

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2018年11月27日

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時刻は午後1時半

昼と云う時間もあり、3人とも腹が空いていたので、以前同様、山田の行き付けの食堂で飯を食べていた。

山田 隆夫

そう言えば、事情聴取されていた亜希子さんですが、無事釈放されましたよ。

山田はラーメンを啜った。

轟 健二

だろうな。

轟はおでんの大根を頬張った。

加藤 恭子

て事は犯人じゃ無かったんですね。

加藤は蕎麦を啜った。

轟 健二

いや、犯人じゃ無いと云うだけで、事件に関係が無いとは限らんぞ。

山田 隆夫

では、轟さんは亜希子が共犯者だと?

山田はラーメンの汁が染みたモヤシを頬張った。

轟 健二

あぁ。だが、亜希子は殺しには加担してない。

轟は玉子を二つに割り、練りからしを付け頬張った。

加藤 恭子

それじゃあ、誰かを庇ってる、って事ですか?

加藤は薬味を入れ蕎麦を啜った。

轟 健二

そう言う事だ。

轟はおでんの出汁を啜った。

山田 隆夫

しかし、そうなると誰を庇ってるんでしょうね?

山田はラーメンの汁を飲んだ。

加藤 恭子

元々、事情聴取されたのも、被害者と男女の関係にあるからでしたもんね。

加藤は蕎麦湯を飲んだ。

轟 健二

・・・案外、死者かもな。

轟は冷たい烏龍茶を飲んだ。

山田 隆夫

死者?

山田は温かい麦茶を飲んだ。

加藤 恭子

何だかロマンチックになってきましたね。

加藤は冷たい水を飲んだ。

轟 健二

そんな、サスペンスドラマにありそうな、いい事件じゃないぞ。これは。

山田 隆夫

そもそも、良い事件なんて、無いとは言いませんが、滅多にありませんからね。

加藤 恭子

あ、一応あるんですね。

山田 隆夫

偶にですけどね。

昼飯も食べ終わり、事件の事も交え、雑談をしていた。

山田 隆夫

しかし、本当に犯人は誰なんでしょうかね?

山田は腕を組み難しい顔をした。

加藤 恭子

確かに本当ですよね。

加藤 恭子

亜希子は犯人じゃ無いですし、佐藤さんが殺す訳がないですしね。

山田 隆夫

て事は、1ヶ月前から行方不明の近藤ですかね?

轟 健二

いや違う。

轟は山田の疑問をキッパリと否定した。

山田 隆夫

まぁ、確かに、後藤さんを殺害する理由がないですからね。

加藤 恭子

すみません。ちょっと、お手洗行ってきます。

すると、加藤はそう言い、席を立った。

轟 健二

あぁ、行ってこい。

加藤は店の奥にあるトイレに入った。

轟は加藤がトイレに入った事を確認した。

轟 健二

山田。

山田 隆夫

ん?なんですか?

轟 健二

話しておくことがある。

轟はいつになく真剣な顔だ。

山田 隆夫

・・・はい。何でしょう。

その表情を見た山田も只事じゃないと察し、顔を引き締めた。

轟 健二

実はここに来た時から、つけられている。

山田 隆夫

ここに来た時から!?

山田 隆夫

まさか犯人・・・!

轟 健二

十中八九そうだろうな。

山田 隆夫

と言う事は今も・・・

轟 健二

店内には居ない。

轟 健二

顔は見てないが、姿で大体判る。

山田 隆夫

恐らく犯人の狙いは・・・

轟 健二

あぁ、俺だろうな。

轟は冷たい水を口に含んだ。

山田 隆夫

それなら護衛を・・・!

轟 健二

やめた方がいい。

轟 健二

相手の出方が判らん以上、下手な事はしない方が良い。

轟 健二

余計な事は、警戒させる元だ。

山田 隆夫

それなら

轟 健二

本田(警視総監)に連絡するのも無しだぞ。

山田 隆夫

ですが!

轟 健二

今更、どの面下げて逢えばいいんだ?

轟 健二

それに彼奴までに心配を掛けるのはな・・・

轟は過去の出来事を思い出した。

その顔はどことなく、哀しそうだった。

山田 隆夫

・・・判りました。警視総監には連絡をしないでおきます。

山田 隆夫

護衛も付けません。

轟 健二

すまんな。

轟は山田に感謝した。

山田 隆夫

何を今更言ってるんですか。

轟 健二

それもそうだな。あぁ、それともう一つ。

加藤 恭子

寒っ!水が冷たい!

トイレから出た加藤は、轟達がいるお座敷に戻ろうとしたが、途中で轟と山田の話し声が聞こえた。

轟 健二

あぁ、それともう一つ。

ん?何を話してるんだろう?

内緒話かな?こっそり聞いちゃえ!

山田 隆夫

何ですか?

山田は先程同様、顔を引き締めた。

だがそれは加藤からは角度的に見えていない。

轟 健二

もしもの時は加藤を頼んだぞ。

!!!

そう言う轟の言葉は、まるで戦場にでも向かう兵士の様だった。

山田 隆夫

な、何を言ってるんですか!?

山田は轟が突然、そのような事を言い始めた為、思わず声を荒らげた。

それに驚いた周りの客が一斉にこちらを向いた。

山田は周りの客に謝った。

轟 健二

別に何処かに死にに行く訳じゃない。安心しろ。

山田 隆夫

ですが・・・!

轟 健二

まぁ、俺もこんな仕事をしてるだろ?

轟 健二

探偵業にはお前ら警察同様、危険が付き物だ。

山田 隆夫

・・・えぇ、確かにそうですね。

山田 隆夫

実際、6年前の事もありますからね。

轟 健二

そういう事だ。

轟 健二

幾ら私立探偵だからと言っても、少なからず危険がある。

轟さん・・・そんなことを・・・

山田 隆夫

ですが何故そんなことを・・・

轟 健二

さぁな。何となくだ。

轟 健二

まぁ、お前に加藤を任す時は来ないと思うけどな。

そう言うと、氷が溶けきった残った水を、少し枯れた喉に流し込んだ。

山田 隆夫

来なくて良いですよ。

山田 隆夫

そんな時が来たら、私は警視総監と加藤に殺されますよ。

轟 健二

おう。殺されとけ。

山田 隆夫

酷い!

轟 健二

・・・

まぁ、そんな事になる前に、手を打つがな。

加藤 恭子

・・・轟さん。

加藤 恭子

私は絶対、貴方に着いていきますよ。

加藤は己の心にそう誓い、轟達の座席に戻った。

轟 健二

随分と長かったな。

轟は先程の話を感じさせない様に、自然体でそう加藤に言った。

加藤 恭子

少し、混んでたんですよ。

山田 隆夫

それじゃあ、そろそろ出ましょうか。

轟 健二

あぁ、それもそうだな。

加藤 恭子

そうですね。

3人は会計を済まし店を出た。

勿論、支払いは経費でだ。

山田 隆夫

それじゃあ、宿に向かいますよ。

山田は轟と加藤が車に乗ったのを確認してすぐにそう言った。

轟 健二

あぁ、頼む。

山田はアクセルを踏み、車を発進させた。

???

???

・・・

第13話に続く

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