私の家はいつも暴力怒鳴り声の日々だった
生きる意味も好きな物も嫌いなものも
全てどうでもいいと
人生なんかくだらないと
そう思っていた
周りはどんどん変わっていった
恋をして
化粧をして
オシャレをして。
私には一生そんな生活は来ないと思っていた
夏
学校帰りにアイスを買って
ベンチで食べていたら
隣に誰かの気配がして
横目で長い前髪越しに見てみた
透き通るような肌
黒く綺麗な髪
リップを薄く塗られた唇
白く透き通るような肌に汗が流れたのを見て
私はごくっと息を飲んだ
パチッと目が合って
「こんにちは、今日も暑いですね」
話しかけられたことに驚きながらも
「ええ、はい、とても暑くて嫌になります」
何組
何部
どこに住んでるの
好きな物
質問されて質問をする
初対面の人とは言えないくらい居心地のいい人だった
「もう帰りますね」
私は家に帰り
ベットにすぐさま倒れ込む
あの子の顔が
あの子の声が
あの子の笑顔が
頭から離れない
顔はやけに火照っていて
まだ彼女と話した余韻に浸っていたい
数時間経ったあと
私はスマホで調べものをした
恋とはどんなものなのか
色々調べた結果当てはまるものは多かった
その中でも私は
一目惚れ
一目惚れかそっか私も好きがあったんだ
私は少し皆に近づけた気がして嬉しかった
後日
私はまたあの子と話したベンチに座っていた
その子がやってきて
私はその子に気持ちを伝えた
好きです。私と付き合って欲しいです
「え、」
少し困っているようだった、
次に聞いた言葉は
『気持ち悪い』
私は驚き目を見開いた
「私たちは女の子同士でしょ、好きなんてありえない、」
そう言って彼女は足早にこの場を離れてしまった。
私は下を向いたまま
目から零れる涙を止めることは出来なかった。
私は結局
普 通 の 子 に は な れ な か っ た み た い だ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!