テラーノベル
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サイモンの言葉を信じ、飛び立ったダープル。
翼を広げ、大きく羽ばたき、飛び始める。
道中、悪夢に見舞われる。
「お前のせい」
「お前が死ねばいい」
「お前が存在する意味などない」
「お前なんか害虫そのもの」
「世界中に危害を加えて楽しいの?」
「お前がいるせいで俺達は楽しい日々を送れなくなった」
「お前が存在してなければ」
「お前のせい。全てお前のせい。」
「ううっ」
ダープルは頭を抱えた。
気づくと、もう自分の性格は変わっていた。
一人称も。
口調も。
全てが変わっていた。
「僕のせい?」
「僕が、何かを犯したの?」
「あれ?」
「これ、いつもしてた喋り方だよね?」
「なぜかこれが変に感じる…」
「僕の本当の喋り方が分からなくなった。」
「僕は「僕」でいいの?」
「僕はこの喋り方でいいの?」
「変に感じる。」
「いつもの性格が思い出せない。」
「いつもの記憶も。」
「僕が誰かに聞いた最後の言葉は?」
『ただ、遠くに飛び立って!!』
「ここは、何だっけ?」
「確か、『全てが反転した世界』。」
「ということは、今の僕は、反転してる?」
「本当の僕は、誰?」
「どんな人?」
「全てが思い出せない。」
「何のために、飛んでいたんだっけ?」
「きっと、誰かのため。」
「その誰かが、思い出せない。」
「どうして、どうし───」
バン!!!!!!!!
ピッカーン!!!
ゴロゴロゴローーーー!!!
ダープルは、嵐に突っ込んだ。
「!?」
「ここはどこ!?」
その時、1つのオレンジの大きな影が、ダープルの前を飛行する。
その時、ダープルは何かを思い出す。
「俺の本当の性格を思い出した!」
「この竜はジレイガー。」
「確か、嵐天候天空角竜族だ。」
ダープルは、不思議と悲しくなった。
「なんで、大切な親友を忘れてしまったんだろう。」
その内、ダープルにジレイガーの嵐が迫る。
ダープルは死を覚悟した。
しかし、ギリギリで止まる。
ジレイガーは言う。
「俺は暴走し、大切な人達も殺してしまう。」
「俺が殺す前に、俺にトドメを刺してくれ。」
ジレイガーはそのまま気を失った。
ダープルは思う。
「暴走したくないのに暴走して、」
「仲間を殺しそうになる上、」
「体力を消費して、」
「気を失うまで行く。」
「残酷だ。」
ダープルはもちろん、ジレイガーを殺さなかった。
ジレイガーを背中に乗せ、飛び立った。
そのまま羽ばたき、大空に舞い上がる。
大きく羽ばたき、ポルウスの元へ飛んでいく。
「アイツならジレイガーを治せる。」
「早く行かないと。」
「俺が運ばないと。」
「そうしないと、」
「ジレイガーの命が危ない。」
「だから早く、早く───」
ブツッ
ダープルの視界が見えなくなる。
ダープルとジレイガーは、そのまま真っ逆さまに落ちていった。
「───ル」
「──プル」
「ダープル!」
そこには、サイモンがいた。
今までのは、夢だったようだ。
サイモンが死んだのも、
世界が反転したのも。
良かった、良かった。
とんだ悪夢だったな。
「次ここ行こーよ!」
サイモンの声を聞くのは久しぶりだ。
懐かしい時間が戻ってきた。
また、3人で楽しく暮らせる。
という夢を見た。
ガレイダス
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コメント
1件
「戻ってきた平和」、読み終わりました…。最初の悪夢のシーン、すごく重くて胸が締め付けられた。自分が誰か分からなくなる怖さ、「僕のせい?」って繰り返すダープルが切なくて。ジレイガーに「トドメを刺してくれ」と言われるのも残酷だなって思った。それでも運ぼうとするダープルの優しさが光ってた。最後の「という夢を見た」で全部ひっくり返される感じ、好きです。何が現実か分からなくなる、ゾクッとする展開でした。