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この中原中也とも別れるって事ですもんね…辛い…一緒に遊園地行くとかデートじゃん…
辛ァ...でも太宰さんが可愛い...
翌日私は出勤時間より早く病院に向かった。
財布には遊園地のチケット。
中也の外出許可も勿論取った。 今日は中也を連れて普通を楽しんでもらおうと思う。
太宰
太宰
扉から個室の病室を覗き込むと其処は蛻の殻。
パタパタと早い足音で私は事態に気がついた。
看護師
看護師
太宰
階段を一段とばしで上り少し錆びついた扉を勢い良く開けた。
中也
中也は左手の人差し指から血を流してフェンスの向う側に立っている。
太宰
中也
中也
中也は目に涙を浮かべて微笑んだ。
太宰
太宰
中也
私も嘗て同じようなことを考えていた。こうやって客観視することがあるとは…
実に莫迦莫迦しい。
中也は右足を屋上の縁にかけた。
中也
太宰
私は目を瞑りしばらく考えた。
太宰
中也
中也はキョトンとして口を開いている。
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
入場ゲートをくぐり抜けた先はアトラクションと人々の愉しそうな笑い声。中也は目を星のように輝かせたた。
私も遊園地は初めてなのだけどね。
中也
包帯の巻かれた左腕で指差したのは前後に船が揺れるアトラクション。
太宰
さて、私は近くのベンチで彼の愉しむ姿でも見ようかな。
茶色い木のベンチに腰を掛けたとき中也に袖を引かれた
中也
太宰
中也
太宰
中也
中也は腹を抱えてケラケラ笑った。
本当は、本当は真顔で乗れるさ。でも中也みたいな性格の子供は人が怖がったり、嫌がったりするのは好きなんだろう?
だから態と怖がったんだ。私があんなもので叫んだりしない。断じて無い!
中也
太宰
中也
太宰
矢っ張りパラレルでも中也は中也だ。
そんな彼に安心感を抱いた。然し、その安心感の裏側には不安もある。
中也を死なせては行けない。中也を殺したくない。
そんな思いが私を焦らす。
中也
太宰
太宰
太宰
私は苦笑いをした。そして案の定吐いた。
黄昏時
辺りが紺と蜜柑色で空が染まる。
私達は夜景を眺めるために大きな観覧車の列に並んだ
中也
太宰
中也は暫く俯いた。
そして顔をあげて満面の笑みで私のことを見る。
中也
太宰
太宰
私達は透明のゴンドラに乗り込み段々と上昇してゆく。
中也は硝子に張り付いて外をじっと見つめている
街は街灯と家の灯りで綺羅びやかに光り、宝石箱のよう
もうすぐてっぺんに近づいた時中也は少しばかり悲しそうな顔をした
太宰
中也
太宰
中也
中也の病気の進行の仕方は少し変わってる。最初はあまり変化が無いものの進行が始まると一気に症状が進む
だから今のうちなんだ。
太宰
中也
太宰
太宰
自分でも随分ど直球な質問だとは思った。
でも私にも幸せと云う事が善く判らないもの仕方無いじゃない。
中也
中也
中也は街の光を浴びて儚い表情を浮かべた
青い瞳に金色の光が反射し何とも云えない上品な色に混ざる。
中也が瞬きをする度その色が変わって、何かに恋をする少年の瞳だった。
その瞳は余りにも美しく、彼の余命を現すようだった。
看護師
看護師