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ハチミツと苦労

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ハチミツと苦労

1 - ハチミツと苦労

♥

9

2019年06月01日

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河合 俊

おい

河合 俊

もう夕飯の準備は出来てるんだろうな

河合 綾子

すっすみません

河合 綾子

すぐ支度を済ませますから

河合 俊

はぁ!?

河合 俊

まだ出来てねぇのかよ…

河合 俊

俺は毎日仕事へ行って汗水垂らして稼いでいるんだ

河合 俊

お前は何もしてねぇんだから飯くらいちゃんと用意しろよ…

河合 俊

ほんっと使えないクズだな!

河合 綾子

すみません…

河合 俊

全っ然反省の色が見えないぞ?

俊(父)は綾子(母)を力任せにぶった

河合 綾子

河合 俊

黙ってねぇでさっさと作れよ!!!

河合 綾子

はっはい

河合 綾子

今すぐ

河合 俊

(はぁ…。またやってしまった)

河合 俊

(綾子が悪くないのは分かってるんだ)

河合 俊

(でも…。やっぱり仕事のイライラで…)

今日も夜にはまだ5歳の息子と綾子が泣く声が聞こえてくる

河合 俊

うるっせぇな!!

河合 俊

黙れ!!!

河合 俊

(ああ…)

河合 俊

(俺は…。感情が抑えられないのか)

次の日

今日も綾子と息子に怒鳴り散らし手をあげた俊は

彼の唯一の癒しであるハチミツを舐めていた

河合 俊

(ハチミツを舐めている時だけは…。冷静になれる)

河合 俊

(これを辞めることは出来ないな)

河合 俊

(もはや中毒だ 笑)

そんな事を考えながら俊はこの高いハチミツをまたスプーンいっぱい分すくった

河合 タケル

河合 俊

おい

河合 俊

タケル

河合 俊

まだ起きてたのか!!

河合 俊

さっさと寝ろ。このクソ野郎が

河合 タケル

お父さん

河合 タケル

それ…なぁに?

河合 俊

は?

河合 俊

黙れ。寝ろ

河合 タケル

なぁに?

河合 俊

しつけぇな

河合 俊

これは猛毒だよ

河合 俊

大人には1杯なら薬になるけれど

河合 俊

子供が舐めたら死ぬ

河合 俊

大人でも2杯舐めれば死ぬんだ

河合 俊

わかったか

河合 俊

さっさと寝ろ!

河合 タケル

河合 タケル

おやすみなさい…

河合 俊

(勿論さっきのは嘘だ)

河合 俊

(ハチミツだなんて言ったら食うかもしれん)

河合 俊

(高級なハチミツをあんなやつに食べられてたまるものか…)

次の日

河合 俊

おい

河合 俊

今日は出来てるんだろうな

河合 俊

夕飯

河合 綾子

え、ええ!

河合 俊

っておい!!

河合 俊

俺が大嫌いなキノコ料理じゃねぇか!

河合 俊

旦那の嫌いなものも知らねぇのか?!

そういって綾子をぶとうとする

河合 タケル

やめて!!

と、突然

タケルが両手を広げて綾子の前に出た

河合 タケル

お母さんを

河合 タケル

いじめないで!!

河合 俊

河合 綾子

作り直しますね

河合 俊

早くしろよ…

河合 俊

(なんなんだ)

河合 俊

(俺は毎日仕事へ頑張っているのに)

河合 俊

河合 俊

(何で俺はタケルに反論できなかったんだ…)

河合 俊

(あんなクソガキに…)

河合 俊

(まぁ、いつも静かなタケルが大きな声を出したから)

河合 俊

(驚いただけだ)

河合 俊

(またあんな口を聞いたらぶん殴ってやる)

俊はビールを口に運んだ

河合 俊

…?

河合 俊

なんだ

河合 俊

このビール

河合 俊

甘くないか

河合 俊

河合 俊

ハチミツの…

河合 俊

匂い

河合 タケル

お父さん死なないで!!!

そういってドアをバンとして飛び出してきたのはタケルだった

河合 俊

お前が…?

河合 俊

(でも、何で)

そんなことは自問自答しなくても答えは出ていた

河合 俊

(俺を…殺すために…?)

そこで俊は、初めて

タケルにそこまでの覚悟をさせるようなことをしてきたことを自覚した

河合 俊

(悪かったな…)

河合 俊

(今日、俺は死んだんだ)

河合 俊

(明日からは…新しい俺として)

河合 俊

(2人にも…)

河合 俊

(しっかり…)

そして俊は甘ったるいビールを飲み干した

他の短編は

♡・フォロー次第で

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