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作品ページ
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藤澤side
ﾊﾟﾁﾝｯ
涼架
頬に鋭い衝撃が走り、目が覚めると 同時に体がビクつく。
彼氏
目の前には、しゃがみ込んで 僕の胸ぐらを掴んでいる彼がいた。
あ、怒ってるんだ。 僕が目を覚ましたことに対して。
頬を叩かれても、何をされても 体は反撃しようとも、痛いとも 何もならなかった。
涼架
彼氏
彼は僕の髪を掴み、上下左右に 頭を揺らす。
涼架
醜くだらしない声が喉から漏れる。
彼氏
この人らしいな、なんて思ってしまう 僕がおかしいのか…
呑気に頭を巡らせていると、 彼は強引に僕を連れて 家の中に入らされた。
玄関に放られ、とどめと言わんばかりに 痛めつけられる。 …もう感覚なんてほぼ無いけど、
彼氏
嫌がるのも抵抗するのも無い僕を見て 彼は未だに不服そうだった。
ｻﾞｼｭｯという音がして、僕の足から 血が垂れる。
涼架
なんだろうね、この気持ち。 まるで車酔いしたみたいに体内が グルグルしていて気持ち悪くなる。
そんな時だった
ピーンポーン
インターホンが鳴り、玄関の外に 2つの影が見えた。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ、ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ
彼氏
インターホンとほぼ同時に、 僕のスマホのコール音が鳴り響く。
画面には｢若井さん｣との文字。
刃物を持ったままの彼は 慌てふためき、スマホの着信音を消し、勢いよく床にスマホを叩きつけた。
ﾊﾟﾘｰﾝｯ
涼架
何でスマホを壊したんだろう。
そう思ってると、彼は再び僕の 胸ぐらを掴んで来た。
彼氏
彼氏
ｺﾞﾂﾝｺﾞﾂﾝと、靴箱の角に 頭をぶつけられる。
涼架
そんな中でも、僕の頭は安定せずに ただ彼の思うままに動いている。
インターホンは繰り返される。
若井さんだったらな、
ｶﾞﾂﾝｯ!
涼架
脳に直接届いたんじゃないかって程の 久しぶりの痛みがはしる。
｢できれば｣こういうのは辞めて欲しいな
若井さんだったら、助けてくれるのかな
あれ、若井さん…？
若井さんって
なんだっけ
彼氏
誰なんだろう。
何で僕は、殴られてるんだろう
あれ、なんだっけ
ただ頭がふわふわする。
涼架
だから、若井さんって誰なの…？
無意識に口から出た人名は 僕の記憶には残っていなかった。
夜になって、僕は｢再び｣目を覚ました。
全身が鋼のように硬くて動かせない。
謎に足からは血が出ている。 …もう固まってるけど。
それと、…なんだっけ？
なんか大切な事を忘れた気がする。
涼架
分かんない、それも気のせいかもね。
それでもお腹は空くし、玄関は寒い。
ここが僕の家かも分からないし、 辺りを見回しても真っ暗でなんもない。
人の家だったら悪いので、 上がろうとは考えない。 …上着は欲しいな
靴箱？に置いてある財布を持って、 靴を履きたいけど、サイズが合わない。 まぁ、夜だし平気だよね、？ 僕は裸足で家を出た。
若井side
定時よりも早く帰ったものの、 やる事もなく、脳内には藤澤がチラつく
時計を見ればもう21:30か。
休みって早いなぁ、なんて伸びをする。
その時だった。
ｿﾞｸｿﾞｸｯ
滉斗
いきなり全身に鳥肌が立つ。 一瞬にして全身に冷や汗が伝う。
幽霊でもいたんか…
滉斗
朝からの罪悪感を強めの深呼吸で なんとか抑える。
滉斗
ふと、頭に藤澤の首の痣が浮かぶ。
暫く考えている内に、先程の 鳥肌と汗が、さっきの倍くらいの量で 俺の体を支配する。
な、んだ…これ
ただ猛烈に藤澤が気になってきた
もし、殺されてしまっていたら。 なんて縁起もない事が頭に浮かぶ。
やめろ、そんなことは考えるな。
そう自分に言い聞かせ、 上着とスマホだけ手に取り家を出た。
藤澤side
ぐにゃりと視界が歪んで、しゃがみ込む
それは家を出て10秒も経たなかった。
涼架
寒い、空腹、体調不良… 全然外出が出来る体調ではない。
おまけに、腕が曲がらない。 骨に直接届いた痛みが広がる。 腕を見れば青紫色になっていた。
涼架
喉から滲み出るような吐血。
涼架
頭にこべりつく｢若井さん｣。
思い出そうとすれば、後頭部が痛む。
ぼたぼたと口から血は流れていく。
涼架
これが｢死｣。 ｢はじめて｣こんな気持ちになった。
溶けかけの雪に寝転ぶ。
死ぬなら、もっと綺麗な格好が、 …良かっ、たな…
涼架
｢若井滉斗｣。この人を求めてるの？
だんだん視界が真っ白になってきて 末期を悟る。
??
あれ、誰かいるのかな…
大丈夫、放っておいて平気だよ。
そう言いたいのに、声が出ない。 出てくるのは、汚い血のみ。
もし叶うなら、願いが届くなら ｢若井滉斗｣さんにお礼を言わなきゃ…
誰だか分からなくてごめんなさい。 でも、なんだか貴方が好きでした。 ってね。
どうも主です。 沢山の❤ありがとうございます！
600超えた時は声が出ました笑
沢山の人に見てもらえて嬉しいです。
後ほど、主的に一番見てくれてるなぁ っていうフォロワーさんのお名前を 雑談部屋に書かせて頂きます🙇♀
フォロワーさんを認知するの、 凄い好きです。
主
