舜斗side
強気でしっかりしててたまに怖い
そんでもってすげぇ優しい俺の姉ちゃんは何処の馬の骨とも知らない奴に襲われたらしい
凌輝が○○をリビングに連れてきた時、力無くぶら下がった白い手を見て一瞬「死んじゃったのかもしれない」と肝が冷えた
最近は不機嫌な顔しか見てないけど、いつも“しっかり者”って顔した姉ちゃんの凄く弱った顔を初めて見た
乾いてない涙の跡が頬に残って、赤くなった鼻と頬の痛々しさが余計増す
礼王くん達年上3人が色々と話す中、隣に座る竜平は少し涙目になりながら○○の手を優しく握っている
そーちんはずっとピキったまま腕組んで動かないし
俺も再度姉ちゃんの顔を見て、その柔らかい髪に頬を預けた
真人
舜斗
真人
竜平
舜斗
真人
それでも俺からしてみれば一番愛されてたのは真人だと思うけどね
いつも○○が俺たちより厳しく注意して真人が泣いたら、どこか満更でも無い顔で「仕方ないなぁ」って言いながら抱き締めてた
その顔はお母さんみたいな、愛情と暖かさに溢れたすげぇ優しい表情
小さかった俺はその真人にしか見せない表情が羨ましくて嫉妬していた気がする
片割れのそーちんとの間にある踏み入れない雰囲気とはまた別の、真人と○○の間にある独特の空気感
今でも羨ましいし、あわよくば俺にもその表情を向けて欲しい
俺にしか見せない表情、俺たちにしか見せない表情 俺たちだけしか引き出せない表情
だから、今日のこの顔は本当に見たくない
どうせ見せるなら、俺たちに泣かされてよ
続く
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