ミナミ
ケイ
幼馴染みの私たちが 初めて交わしたチャットは ほかの友達と何ら変わりのない こんな言葉達だった。
ケイ
ミナミ
ケイ
ケイ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ケイ
ケイ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ケイ
ケイ
ケイ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ケイ
この和やかな日々が ずっと ずっと 何十年後も 何千年後も 何万年後も 続いてくれれば良いのに …
学校にて
ミナミ
カナ
ケイ
カナは 私の親友 お互い何でも話せる関係 とっても可愛くて 私なんか比べものにならない… でも 私はカナが大好きだ
カナ
ミナミ
ケイ
カナ
ミナミ
ミナミ
カナ
ケイ
カナ
ミナミ
カナ
くっ、っと胸に 何かが詰まる音がした。 「逃げたくない」 カナの言葉 なんでこんなにも苦しくなるんだろう 何故かとっても 息が止まりそうな 胸を縛り付けられたかのような 苦しさが…
ミナミ
ミナミ
ケイ
カナ
ミナミ
今、この瞬間 私は気づいてしまったのだ 親友だから分かる カナの考えてることが分かる カナは ケイが好きなのだ ケイに 恋しているのだ
ケイ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ケイ
ケイ
ミナミ
ケイ
ミナミ
ケイ
ケイ
ケイ
可愛い…もの カナはホントに可愛い 私なんかと比べなくても テレビに出ている女優さんよりも 可愛く見える瞬間がある 同性でも 惚れてしまいそうな瞬間がある もしかしたら… ケイは…
ミナミ
ケイ
ミナミ
ミナミ
ケイ
スマホを机に放る カタン、と 乾いた音がした 窓辺に行って カーテンを少しだけめくってみると まだもやのかかった3月の空 月もまだ眠そうなのだ カナは ケイのことが好き…なのか? ケイは 可愛いカナのことが好き…なのか? スマホを再度手に取る
ミナミ
ミナミ
カナ
カナ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
カナ
カナ
カナ
カナ
カナ
やっぱり、ケイなのかな
カナ
やっぱり ケイなんだ やっぱり やっぱり やっぱり…
カナ
カナ
カナ
カナ
ミナミ
カナ
カナ
カナ
カナ
カナ
カナ
カナ
ミナミ
カナ
カナ
ミナミ
ミナミ
なんだ、そうだったんだ… なんか安心… だけど ケイの好きな人が 私だとは限らない ただ、分かってるのは 私はケイが好きだ 私に出来ることは ケイにこの思いを伝えることだ。
新学期が訪れ、 日々は過ぎてゆき 夏休みが来た 毎日毎日暑いけど 綺麗な満月を見るたびに …
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
不在着信
ミナミ
ミナミ
ミナミ
ミナミ
夏休みのはじめに 私の家で高らかに鳴った電話 受話器を取ると ケイのお母さんからの泣き声 「ケイが…」 ケイは 夏休みからまだ一週間も経たぬうちに 交通事故で亡くなった もっと早く 私の気持ちを伝えられていたら どんな気持ちになっていたんだろう…
筆者
筆者
筆者
筆者
筆者
筆者
筆者