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お久しぶりです😖💕 もう泣いちゃいました...😖 もしかして..なんて思ってたりしてましたが..もしかしてのもしかしてでした..(? 小さい頃から大切にしてたお人形が会いに...最高ですね..💕💕
コメントするの遅くなってすみません!蘇枋さんの汗をかかない理由はそういう体質だからという感じであまり深く考えてはいなかったんですが人形系だとそういう考え方が出来て本編とちょっと繋がりがあって凄いと思いました!桜が不器用ながらも丁寧に縫っていた事は本当に感動します、人形の事を思い出して蘇枋さんが崩れてしまった後どうなるかと思いましたが幸せそうで何よりです!今回も素敵な作品をあざます!お疲れ様でした!
今回も素敵なお話ありがとうございます🙇♀ ドールバース初めて見ましたが感動で恥ずかしながら泣いてしまいました笑 蘇枋さんの特徴を捉えて話を考えてくれているあたり凄く尊敬します✨ 体が崩れしまってもその後の二人の場面を見るにきっと桜が直して上げたんだろうなと思うと微笑ましいです😊 まだ書きたい事があったんですが文量が足らなくなってしまったためここまでにしておきます笑 これからも応援してます💕
そとは雨が降っていて、 今日はいえ全体が どこか暗かった。 ザァザァと振り続ける雨は、 まるで誰かが泣いている様だ。
桜
子供の自分よりも 何倍もでかい大人の体。 どれだけ返して欲しいと 願っても、 奪いとろうと飛んでみても その高さに届く事はなかった。
桜
相手は興奮状態で、 冷静な判断が 出来ない様だった。 どれだけ泣いて叫んでも、 何も変わらないと、 この時、幼いながらも 桜は悟ってしまった。
大人が持つのは、 耳の部分に、赤い宝石の様なピアスが着いている自分が大好きで、 ずっと大事にしていた人形。 首から上、 頭が、真っ二つになっていた。 自分の唯一の心の支えが、 今、この時壊れてしまったのだ。
人形を壊して満足したのか、 フンっと、1つ鼻息を 鳴らしながら、 桜の人形を床に投げ捨てた。 少し古い木製の床を キィキィ鳴らしながら 目の前の男は去っていった。
桜
目に涙を浮かべながら、 床に倒れた人形をそっと拾い上げた。 これ以上壊れてしまわぬ様に、 優しく、優しく抱き留めた。
声を出さず静かにすすり泣く声 だけが、冷たい木製の廊下に 響く。 ポツポツと涙が床を 濃く濡らし、 小さなシミを作っていった。
蘇枋
蘇枋
目を開ければ、 見慣れた小さな天井が 目に映った。 周りを軽く見渡すと、 眼帯を片目に着け、 タッセルピアスをシャラリと揺らす 蘇枋が居た。 優しい声音と、フワリとした 柔らかい笑顔に、安心感を感じる。
蘇枋
蘇枋
蘇枋に言われてやっと気づく。 自分の布団や、 白いTシャツ 額には、ビチャリと 冷や汗が出ている。
蘇枋
桜
こんな自分に気を使ってか、 蘇枋は何を聞かず 桜の世話を焼いてくれた。 柔らかくフワフワとした タオルを受け取り、 流れ出た冷や汗を 拭き取る。
先程まで忘れていたかの様に、 喉の乾きは飲み物を欲っしていて、 蘇枋から水の入ったペットボトルを 受け取ると、 直ぐに自分の口へと流し込んだ。 冷たい水が乾いていた喉を どんどん潤して行く。
蘇枋
桜
桜
顔に熱を寄せながら、 辿たどしく言葉を発する。 首の後ろを軽く引っ掻き、 蘇枋に申し訳なさそうな 目を向けた。
蘇枋
蘇枋の発した恋人というワードと、 心配してくれたという 嬉しさで、 先程まで赤かった顔が、 もっと熱が上り 赤くなるのがわかる。 頬から首、首から手へと、 どんどん熱が侵食していく。 この前、やっとの思いで両思いになり、 晴れて付き合うことになった2人。 きっとこれからも、この熱に慣れることはないのだろう。
蘇枋
蘇枋
するりと蘇枋の長く綺麗な指が、 桜の頬をそっと撫でる。 気持ち良さそうに目を細めながら、 その手に顔をやんわり擦り付けた。 甘い空間に 少し居心地悪くなるも、 どこか悪い気はしない。
そこでふと、 さっき見た夢の事を考えてみた。 どれだけ唸ってみても、 思い出せるのは 幼い自分と、 恐怖を感じるほどの 大きな体。
自分と、その大人は 何かを話している様だが、 何を話していたのかは、 全く覚えていない。
蘇枋
難しい顔をして、 何かを考え込んでいた桜に どうしたものかと 蘇枋が優しく言葉を掛けた。 そっと桜を抱きしめてくれるその腕は とても暖かく、 桜に取って居心地良い物となっている。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
桜
蘇枋
その時の蘇枋の目は、 どこか悲しそうに見えた。 心做しか、桜を抱きしめている腕に、 力が入っている様に感じる。
桜
桜
蘇枋の腕を思わずちらりとみて、 一つ疑問が浮かんできた。 只々気になって、 そのまま蘇枋に聞いてしまう。
蘇枋
蘇枋
ニッコリと胡散臭そうに 笑った蘇枋。 これ以上は教える気は無いのだと 悟り、桜は静かに口を閉じた。
蘇枋
話を逸らす様に 出た話題に、 桜は不機嫌ながらも ちいさな声でポソりと答えた
桜
蘇枋
桜
蘇枋
揶揄う様に笑う蘇枋の硬い胸板を肘で思いっきりつついてやった。 「痛いよ」なんて笑いながら 答える蘇枋には、 説得力なんてない。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
桜
ニコニコ楽しそうに笑う蘇枋と 反対に、桜は顔を真っ赤にしながら反論する。なんとも可愛らしい光景だろうと蘇枋は笑みをより一層深めた。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
靴を履いてドアを出ていった蘇枋。 俺が鍵を掛けないのを 知っているのか、 合鍵でガチャりとドアの鍵を 閉めて行った。 そういう所も抜け目がない。
蘇枋が出ていくのを見送った後、 桜は歩く度少し軋む 木製の床を歩いて、 玄関から、小さな部屋へと 戻って行った。
廊下を歩く途中、 どこか違和感を感じて、 部屋に戻ってからは ドスリと床に座り込んで、 腕を組んで首をかしげながら 考え込んだ。
けれど心の奥に残るモヤモヤして、 気持ちが悪い感覚は、 一向に消える気配がない。
桜
モヤモヤが消えない自分の胸を、 Tシャツの上からギュッと掴んだ。 そこでとある場面が頭に浮かんできた。 泣いている自分。 片手で持てるくらいの 何かを握りしめ、自分に取られぬ様 腕を高らかに持ち上げている男。
桜
これが夢の一場面だと その場で直ぐに気がついた。 自分が起きた時、 冷や汗を流していたのは、 きっと夢の内容の所為だろう。
桜
そして段々と冴えてきた頭は、 何かを思い出して行く。 あの夢は、 夢ではなく、自分が幼い頃に 合った本当の出来事なのだろうと。 あんなに泣いている自分は、 初めて見たかもしれない。
桜
大事にしていた人形を、 壊された後、 それを拾い上げ、 何とか直そうと 裁縫道具を家の中をこっそり 探し回り見つけてきた。
まだ自分は幼く、 裁縫などしたことは無かったが、 不器用ながらも、 首と離れてしまった頭を 丁寧に、 ゆっくりと縫い付けて行った。
出来上がった人形の首元は、 継ぎ接ぎで、意図は飛び出しているし、 縫い目も綺麗にはならなかった。 それでも、また人形が 嬉しそうに笑ってくれた気がして、 桜も思わず笑顔になって、 継ぎ接ぎだらけの人形を 抱きしめた。
悲しい気持ちでいっぱいだったのに、 人形を抱きしめていると、 体温を感じられない人形から温かさを感じられた。
その日は人形が笑ってくれた気がして、 嬉しくなって、 そのまま人形を抱えたまま 冷たい床で寝た様な気がする。
その後、継ぎ接ぎだが、 首が繋がっている人形を見て、 一緒に住んでいた男は、 人形をゴミに出していた。 男のは楽しそうに話す。 あんな継ぎ接ぎだらけで、 奇妙な眼帯、赤くおぞましいピアスを つけている人形を 呪いの人形を ゴミ捨て場に置いてきてやったと。
あの時の男の顔を見て、 その時は何も考えられなかった。 無我夢中で 雨の中外を出て走った。 傘もささず、 使い古されたパーカーに 冷たい雨粒がシミになって行くのも 気にしない様に。
結局、人形は見つからなくて、 ぽっかり心に穴が空いたまま 冷たい場所に戻った。 最初とは違い、ゆっくり歩いて 戻っていく。小さな足は すごくゆっくり歩みを進めた。 目からは何も出てこない自分の代わりに、天気だけが泣いてくれていた様泣きがした。 その日は、 帰るとは言えないその場所に ずぶ濡れになりながらも戻った。 暗すぎる夜は、 1人で床に寝るには 寒すぎる位だった。
なぜ、今の今まで 忘れていたのだろうか。 あれ程大好きな人形だったのに。
何度もあの人形の名前を 読んでいた筈なのに。 今はその名前も思い出せない。
桜
どうにか思い出そうも また首を捻って考えてみる。 深く記憶を探ろうとした所で、 ガチャりと玄関から 鍵が空いた音がした。 遠慮がちにゆっくりと空けられたドアからガサゴソと音がした。
蘇枋
桜
その言葉を言いかけて、 俺は目を見開いた。 今買ってきたであろう食材が 入っているビニール袋が ドサリと音を立てて 床に落ちた。
桜
蘇枋
蘇枋の体は、 所々欠けていた。 優しく桜を撫でてくれた手は、 ボロりと床に落っこちて、 頬や腕も小さく欠けていた。
蘇枋
桜
桜
綺麗な顔に 右目にしている眼帯。 少し長く、赤い玉が 着いているタッセルピアス。 そしていつも蘇枋が首を隠している であろう首元。
それらを見てハッとした。 だが、何故、 俺の頭の中は 混乱でいっぱいだった。
どうすればいいのか。 なぜ蘇枋は崩れているのか。 あの時の人形が どうして人間として生きているのか。 何もかも訳が分からなくって 弱々しい瞳で蘇枋を見つめた。
その時、蘇枋の足がボロりと一気に崩れた。倒れ込んでくる蘇枋を、 これ以上壊させまいと、 優しく受け止めた。
蘇枋
蘇枋
俺の頬に触れる蘇枋の指は、 ちょっとずつ崩れて行く。 また大事なものを失ってしまうんじゃないかという恐怖が桜を襲った。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
こんな状況なのに 蘇枋の優しく笑う顔と あの時からずっと好きでいてくれたという好意が、くすぐったくて 顔が少し赤くなってしまう。 あの時泣くことを諦めた筈の 涙は、そんなこと覚えてないかの様に流れていると言うのに。
蘇枋
蘇枋
蘇枋が話したその全ては、 あの時俺が求めていた物で、 今、蘇枋と付き合ってから 出来ていた事だった。 あの頃からずっと、 俺の寂しさに蘇枋は 気づいていたのだろう。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋は自分の崩れていく 体を全く気にする素振りも 見せず、ただ桜を安心させようと 目を細めて優しく微笑んだ。 蘇枋から分け与えられる体温は、 少し低いがまだ暖かい。
蘇枋
眉を八字に下げて 困った様に笑った蘇枋。 それでも桜の目から溢れる涙は 止まらない。
蘇枋
蘇枋
桜
桜は少しの時間を得て、 引き攣った声を出して 蘇枋に問うた。
蘇枋
蘇枋
いつも隠されている 蘇枋の首元が、 くいっと蘇枋の綺麗で少しかけてしまった手が露わにする。 確かにそこには、 自分があの時人形に 縫いつけた 継ぎ接ぎの跡が残っていた。
蘇枋
蘇枋は自分の首元にある 継ぎ接ぎの跡をスルリと 撫でてこう言った。 本当にその顔は 幸せです。と言わんばかりの顔で 桜の胸は締め付けられた。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋
そう言い、蘇枋の首がボタリと 音を立てて 崩れて行った。
蘇枋
蘇枋
朝、教室の扉を 開けるなり飛び込んできたのは 隼飛の姿が。
桜
蘇枋
桜
男ばかりのむさ苦しい 教室で繰り広げられる甘い会話。 周りの奴らは、 こちらを見ては 苦笑いをしているのが見える。
桐生
楡井
桐生
桜
蘇枋
桜
桐生
楡井
アハハっと先程まで喧嘩を心配していた楡井が笑う。 誰がどう見ても 幸せ絶頂のバカップルな2人は、 教室稀にブーイングが飛ぶほどである。 ほとんど恋人が居ない者からの ブーイングだが。
蘇枋
蘇枋
もう君か、悲しそうに俺の名を 呼ぶことがない様に。 泣きながら「はやと」と 小さく呼ぶような 悲しい夜が無い様に。
君だけの「ドール」である俺は 沢山君に、 悲しさを吹き飛ばす様な 楽しい事だけを思い出せる様な 名前を呼んでもらいたい。 だからね。桜君。 もっと俺の事「隼飛」と呼んで。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
「首輪の証をドールはナゾル。」
ℯ𝓃𝒹