14話-中学生-
優月
ただいま〜、
駿
おかえり、
僕は今日、卒業式をした
優月
…今日ぐらい…きてほしかった、
けど直前におにいさんに用が入って 来てくれなかった。
駿
じゃあ俺に急用入れたやつに言えよ…
駿
俺だって卒業式ぐらい行ってやりたかったわ、
優月
……写真とりたかった、
駿
ごめんなさいね…、
おにいさんは僕の頭を撫でてくれた
優月
ん、……。
駿
中学の入学式は行ってやるよ…
優月
ぁ、おにいさん。
駿
ん、?
優月
僕ね、小4の頃より10cm身長伸びたよ!
駿
おー、すげ
ソラ
みゃーぅ
優月
ソラちゃんもおっきくなったよね〜♡
僕はソラちゃんを抱きしめる
優月
あ、そういえば
優月
今週中に制服の採寸?行ってね
優月
って先生から言われた
駿
わかった、明日行こ…めんどくさいし
優月
行ってらっしゃい!
駿
お前が来ねぇと意味ねぇよ、…
あれから僕は中学生になった。
勉強も学校の事も、難しいけど
友達なら教えてくれる。
って、思ってた。
優月
ッぅ"…、
A
お前ん家、金持ちなんだろ?
A
金くれよw
B
今俺ら金無いんだよーw
B
な?ちょっとだけだって
小学校とは真逆の生活。
なんだか、3年前に戻ったみたい
優月
…ッ…や、だよ…。
優月
それに、っ…僕、お金…持ってない…
A
…は?嘘ついてんじゃねぇよ
B
じゃあ金持ちっていう噂は嘘なのかよ
優月
…僕が、…お金、持ち…な訳じゃ…ない
僕はまたイジメを受け始めた。
誰が流したのか、僕が金持ちっていう噂
金持ちなのは僕じゃない、お兄さんの方
…最初は脅し、悪口ぐらいで済んだ
でも、最近
優月
ッい"…、
C
マジでなんなのあんた、
C
テストの点がいいからって調子乗ってんじゃないわよ…
最近は殴られるばっかり。
コンコン、
優月
……せんせ、
保健室の先生
あら、優月くんどうしたの?
優月
…怪我しました、
保健室の先生
また?
優月
…。
僕は椅子に座った。
保健室の先生
次はどこ怪我したの?
優月
……、
僕は頬の擦り傷を指さす。
保健室の先生
どうやったらそこ怪我するのよ…
優月
……つまずいて、こけました。
保健室の先生
…優月くん意外とドジっ子なのね
先生は手当をしてくれた。
優月
…ありがとうございました。
僕は保健室を出ようとする。
保健室の先生
……優月くん、
優月
…?……はい、
保健室の先生
…最近、なんかあった?
優月
……別に、なにも…
僕は人に迷惑をかけるのが好きじゃない
だから、嘘をつく。
保健室の先生
何かあったらすぐ言いなさいよ、
優月
……大丈夫ですよ、
優月
……、
僕はいつも電車で中学校に通う。
都会にしては静かな電車
僕は外の景色を眺める。
優月
…いつか、おにいさんにも捨てられちゃうのかな……
優月
……ただいま、
ソラ
…にゃぅ、
優月
…ただいまソラちゃん、
優月
いつもお出迎えありがと、
僕はソラちゃんを撫でる。
ソラ
にゃぁ
家に帰るといつもいい匂いがする。
けほっ、げほ…
優月
…?…おにいさん?
優月
……。
僕は後ろからおにいさんに抱きつく
駿
…ん、?…おかえり、
優月
…ただいま……
優月
……ご飯なに、…
駿
…シチュー、
駿
……元気無いな、…どうした
優月
……べつに、なにもしてない…。
駿
……そーか、
僕はおにいさんの額を触った
優月
……熱、ある…?
駿
……ない
優月
嘘つき……、