匿 名 ヒ ー ロ ー

…

重くなった瞼を上げたら

、

目の前に見えたのは

松葉杖を持った学生だった

学生は

胸を撫で下ろした

俺がそう聞いた直後

、

こいつは目を見開いた

ここの駅は

俺が降りる駅と真反対の地域で

、

ビルが沢山建っている大都会だった

こいつは首を傾げて

、

電車の窓を見た

俺はこいつの顔を見ながら立ち上がって

目を見開いた

俺の地元とここ 、電車で何時間かかることやら …

こいつは俺が聞いてることじゃなくて

、

「 田舎 」

… というキーワードについて話を進めた

少し考えてから 、

思い付いたようにこいつは

目を見開いた

俺はかんがえる暇もなく

、

ズバリ正論をいって

開いてるドアから出ていった

手を振り下ろして

、

あいつの目も見ずに改札を通っていった

…

改札を出て

、

少し歩いたら俺の家に着く

ドアは 鍵が掛かっているから

、

鍵がはいってる鞄に手を伸ばした

… 今日は疲れた

、

はやくねたい …

疲れた気分で鞄のチャックを開けようと思ったとき

、

鞄についてるキーホルダーのようなものが

じゃらっ、と 手にふれた

… 水色と 、オレンジ色のふくろうのキーホルダー … ？

勿論 、俺はこんなもの持っていない

俺は 眠気が無くなって

目を見開いた

… これ 、あいつのじゃ …？

あぁぁ "、…っっ、

最悪だ …

家にも入れんし …

しかもあいつ 、…

俺はドアの前で

、

しゃがんで頭を抱えた

… どうすれば …