自分
夢をみる
自分
みる夢はいつも
誰かが死ぬ
自分
何故か分からないけれど
自分
主人公は自分で
自分
傍には大切な誰かがいて
自分
必ず
自分
自分の目の前で
自分
その大切な人が
あっけなく殺される
自分
自分が
自分
物心ついた頃から
自分
ずっと
自分
夢をみるときは
自分
必ず
自分
必ず
誰かが死ぬ
自分
死ぬ人は
自分
夢によって違う
自分
仲の良い友達の首がとぶことがあった
自分
家族全員が一度に死んだこともあった
自分
自分の思い人が刺殺されたこともあった
自分
その犯人は
自分
いつも同じだった
自分
犯人は黒い「なにか」に覆われていて
自分
顔を見ることができない
自分
でも
自分
その犯人と黒い「なにか」は
自分
返り血を浴びて
自分
真紅に染まり果てていた
自分
自分には
自分
何人のひとを殺めてきたのか
自分
まるで分からなかった
自分
自分は
自分
ただ何もできず
自分
ひたすらに逃げた
自分
泣く勇気も
自分
誰かを助ける気力も無く
自分
ひたすら犯人から逃げた
自分
ただただ「死」から逃げた
自分
走って走って
自分
逃げて逃げて
自分
たどり着いた先は
何も無かった
逃げる途中で
目が覚めてしまうから
自分
これまでの地獄が
自分
全部夢だと思うと
自分
悲しさと安堵と
自分
圧倒的な恐怖が
自分
襲ってくる
自分
だからきっと
今日も明日も
夢をみる