21年前
Δ
み~つけた
研究員
うわぁ!バケモンだ!!
研究員2
くそ!くるな!
Δ
そうだそうだ俺は化け物だ
暴れ回った、壊し回った
俺を苦しめたやつを全員
Δ
(いやこのままここにいたら全員は無理だな...戦争のきっかけの奴らを探し出す)
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(俺の大切なものを全て奪った)
Δ
(あいつらからも奪ってやる)
廃墟になった研究所は、何よりも綺麗で、何よりも美しかった
いくつか残った資料やデータから俺の体の仕組みがわかった
俺の体は並行世界の生物を擬似的に干渉させられているらしい
本来はその場で暴れて終わる兵器だが、稀に順応する個体がいる...それが俺だ
Δ
俺の能力は...恐竜モチーフか
Δ
他にも生物をいれこんだ兵器がいくつもあるらしいな
Δ
こうやって力を上げるのが目的か
Δ
見つけ出してやる、全部壊してやる
その頃
忍
(ふむ、この時の温度の変化は...)
公成
なあ、あんた緑川 忍だよな?
忍
...そうだが...どこの隊の研究員だ
公成
あんたの合理性には驚いた
公成
この世界は無駄が多い
公成
俺もそれは嫌いだ
忍
......
公成
どうだ?手を組んでみないか?
公成
並行世界の力を使えば可能かもしれないんだ
忍
......
忍
俺は小さい頃からずば抜けた頭脳の代わりに感情というものが分からなかった
忍
だから再現したんだ
忍
普通ならこう笑う、普通の人ならこの場面でこうする
忍
そうやって行動してきた
忍
だが嫌気がさした、俺は何もかも合理性でしか物が見れない性格らしい
忍
無駄の多いこの世界を...再構築...できたらなんて思うようになってきた
公成
才能のあるものだけを生かす。他は生きているだけ無駄だ
公成
思想も合う、やはり俺たちは協力するべきだ
数年後
しばらくして情報が手に入った
あの研究所には生き残りが数名いるらしい
まずはこいつだ、江原 友晴(えばら ともはる) 復讐が完了してないなら、今すぐにしなくては
友晴
またこうして会えるとは...
蒼一郎
そんな悠長なこと言ってる場合じゃない
蒼一郎
作戦をたてるぞ
薫
あの子...結局復讐の道に走っちゃったんだな...
蒼一郎
俺達も対象者だろうな。なんとかして止めたいものだ
蒼一郎
こんな非人道的な実験とは知らなかった
蒼一郎
(もっと健全な研究をしたかったものだ)
薫
うん。私たちに責任がある
公成
うちの娘は才能を開花できるだろうか
忍
どうだろうな、過ごしてみないと分からない
公成
ふふ、憶測はしない男だったな――
ピーッ、ピーッ!!
公成
??
忍
侵入者か!
ガシャン!!ドゴォォン!!
Δ
はは!生き残ったのは2人だけか
忍
はぁ...はぁ...何が...目的で
公成
はぁ...はぁ...
公成
(歳は...9歳、10歳くらいか?)
公成
(子供の腕力じゃない...それにこの見た目...生物兵器の力か)
Δ
並行世界の研究をしてたらしいからな、破壊したまでだ
Δ
だが俺はこの研究すらも利用する
Δ
俺のように他の世界を干渉させる研究が進めば
Δ
改変の積み重ねで、最適な世界へ変えれるかもしれない
忍
......
公成
......
忍
公成
公成
ああ
忍
(彼は完成品だ)
忍
(この男についていけば、俺たちの目的は達成されるかもしれない)
忍
(小さい頃からそうだった。誰も俺のことを分かってくれなかった)
公成
なあ
忍
俺たちもその計画に乗った
Δ
......
Δ
嘘はついてなさそうだ
公成
名前は?
Δ
27番...そう呼ばれてたよ
Δ
研究所では人間らしい名前なんて呼ばれやしない、だから俺は名前なんてどうだっていい
Δ
強いて言うなら...Δ
Δ
この世界を変化させ、正しく導く存在だ
Δ
お前たちも今日から名前を捨てろ、情を捨てろ
Δ
コードネームでいい
忍
情なんてものは元々ない
忍
特にこだわりがないから、コードネームも雑に決める
公成
右に同じ
忍
この出会いは運命だ
忍
少年...いや、Δ様
この出会いが後のアナグノシスの発端だ







