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アサガオ

6 - 絶望

♥

120

2023年06月17日

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「_____ろ__ッ!!!」

なにか、誰か叫んでいる。朦朧とする意識の中、頑張ってまだ疲れが残る身体を起こす。

オタ

起きろって言ってるだろ?!?!?!ヨースケがいないんだよ!!!!!

さんど。

…は?

ゆん

い、いないってどういうこと…?!

オタ

起きたら隣にいたはずのヨースケがいないんだって!!!!!

いない…?!それってどういう事だ…?

ぜある

…昨日はいたよね…?

JACK

ああ…いたが……

しんきゃら

なにが…一体なにが……

ほむら

こんなんじゃ……!!こんなんじゃ………

ほむら

あ、アベさんを探しに行こう?!?!このままじゃ…

フォーチュン

ナノダ~!!アサゴハンナノダ~!!

さんど。

は…?俺らはポイント払っていないが…

フォーチュン

アベサンガキノウハラッテクレタノダ

フォーチュン

キミタチハホントウニメグマレテイルノダネ。アシタノヨルマデポイントハラワナクテスムノダヨ?

ゆん

それって…?

るる

…アベさんが代わりに明日の夜までのご飯代を払った…ってことか?

フォーチュン

ソウナノダ!!

オタ

ふざけッ…!!冗談じゃないよ!!

フォーチュン

コレハホントウナノダ。アト、コレハサンニンヘノプレゼントナノダ

しんきゃら

プレゼント…?

フォーチュン

テカセヲダスノダ

JACK

は…?

 フォーチュンがオタさん、JACKさん、しんきゃらさんの手枷に触れ、ピッという音を鳴らす。

しんきゃら

…これは?

フォーチュン

アベサンガサンニンニポイントヲプレゼントシタノダ!

ゆん

…どういうこと?!?!ますますわかんない…

ぜある

…ねえ、フォーチュン、アベさんってもう…?

オタ

ッえあ、ぜあるくんそんなこと言わないでよ!!!!!

ぜある

だって…!!何度計算しても!!

ぜある

昨日の夕食代で1ポイント、明日までのご飯代で6ポイント、3人へのプレゼントで3ポイントだから…

ぜある

これ全部足したら10…だよね?

オタさんの表情が分かりやすく絶望に変わっていく。

…オタさんはずっとアベさんのへの執着が凄かった。 1番辛いのは彼だろう。

フォーチュン

アベサンカラユイゴンナノダ

オタ

遺…言…?

フォーチュン

「楽しかった」ラシイノダ

オタさんは膝から崩れ落ちて、泣き叫びだした。

この世の終わりくらいに。

しんきゃらさんがオタさんの元に駆け寄って慰める。 しんきゃらさんの表情、感情まで、悲しさに染まっている。

JACK

…あいつ…オレに期待なんか残しやがって…ふざけんじゃねぇよ…

JACKさんはそう呟いたあと、みんなに聞こえるように声を上げた。

JACK

オレがあいつの代わりに生きるッ!!そしてアイツの代わりにお前らを愛すッ!!それがオレの役目だ!!

さんど。

…!?

あのふたりは…嫌いあっていた仲だと思っていた。 だが、違ったようだ。 ふたりは…誰よりも相手を想いあっていた。 あのふたりこそが…

ほむら

………

ゆん

…ほむらくん、

ゆん

もしかしたら、これ、脱出したらアベさん戻ってくるかも知れないよ!!こんなところで希望を抱かなくてどうするの?!こんなときこそだよ!!

ほむら

…ああ、そうだな…!!お前ら!

ほむら

俺らが精一杯生きてやるんだ!!!!

悲しみに溺れながらも朝食を食べ終え、 早々と脱出してやろうと外に出てきた。

オタ

…これ…

オタさんが見つけたのは…見覚えのある緑色のヘッドフォンだ。

さんど。

…これって…

オタさんは今にでも泣き出しそうな感情を抑え、拾ったヘッドフォンを首にかける。

オタ

…じゃあ、行こうか

泣きそうな声で話すオタさんの声は、色んな感情が混ざっていた。

これ以上みんなを苦しませるわけにはいかない。

このままじゃ、みんな壊れてしまう。

だったら俺が変えてやる

「やあ諸君」

「どう?今の気持ちは」

JACK

悪意しかねぇだろお前ッ!!!!!!!!お前はァァッ!!!!!!!!

恨み、悲しみの交じった怒号。何となく、JACKさんも涙目をしているように見えた。

ぜある

お、落ち着いて…!!気持ちはわかるけど…!

「まあまあ、JACKくん。 どうしたんだい?最初は絶好だったのに。 涙目なんかしちゃって。」

るる

なぁ?どういうことだ?お前は俺らに何がしたいんだ?

「最初は友好的な感じで話してくれてたのになぁ。人が死んだ途端それかぁ」

ほむら

そりゃあそうだぞッ!!!

「君たちもよく主催者に口答えができるようになったね。」

「もう一度自己紹介しておこうか。 私は"シャーディー・フロイディー"、主催者であり、君たちの"監視者"でもあるんだよ」

「君たちがしていること、したいこと、言いたいこと、は全てお見通しさ。」

「あんまり楯突くと…ドカーン!だぜ?」

「まあ、精々頑張りな。参加者たち」

ゆん

…気分悪いね

さんど。

そうだな、聞かなかったことにして次の行こうぜ

しんきゃら

大丈夫だよ。オタくん。大丈夫だからね。

オタ

ありがと………

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