ポートマフィアの皆さんが
私に殺しの仕事を寄越さない
その配慮は分かっている
その分、別の仕事をしなければいけないことも
だとしても之は……
【数時間前】
〇〇
……はい?
森鴎外
だからね、私達の傘下の企業の1つが今回結婚する事になったんだ
森鴎外
だからその披露宴の警護に向かってくれないかい?
〇〇
……首領、私達は軍警や市警ではありません
〇〇
私達に人を守るというのは……
森鴎外
その会社は上流企業だと云えば分かるかな?
〇〇
……口を挟み申し訳ありませんでした
森鴎外
いや、いいよ
森鴎外
しかもお披露目パーティーということでパートナーと行くことになってるんだ
森鴎外
でも私には仕事があるしパートナーにエリスちゃんを連れて行く事も出来ないだろう?
〇〇
ああ、連れて行ったら即逮捕ですね
森鴎外
怖いこと云わないでくれよ
〇〇
それで、私に?
森鴎外
まあ、君と………
中原中也
失礼します
森鴎外
ああ、来たね
〇〇
……え
中原中也
あ?何で手前が居るんだよ
森鴎外
そこで君達に行ってもらおうと思ってね
中原中也
……はい?
〇〇
………
森鴎外
幹部クラスが行ってくれれば彼方も文句は無いだろう
中原中也
ちょ、一寸待ってください
中原中也
恐悦ながら、仰っていることが理解出来ないのですが......
森鴎外
実はね……
というわけである。
こんな会場、慣れないし
敵の内に潜入した時以来ですかね。
こんなドレスを着たのは
一応動きやすいようにはしてありますし
銃やナイフも所持済みです
〇〇
はぁ……
中原中也
なんだ手前、俺とパートナーってのは不満かよ
〇〇
……ううん、そういう訳じゃ無いんだけどね
〇〇
私はこういう場には相応しくないと思って
〇〇
中也だって姐さんや樋口さんがパートナーの方が良かったんじゃない?
中原中也
姐さんの相手は俺じゃ務まらねぇ
中原中也
樋口は……引き受けねぇだろうよ
中原中也
彼奴は芥川に夢中だからな
〇〇
だね、好きなのが伝わってくるよ
中原中也
必然的に俺の相手は手前しか居ねぇんだよ
〇〇
……そっか
〇〇
其れなら仕方ないね
中原中也
そうだ、諦めやがれ
〇〇
もうとっくに諦めてるよ、笑
新婦
……笑
〇〇
綺麗だね、新婦さん
中原中也
だな
中原中也
女のゴール、か?
〇〇
……そうだね、結婚した方がきっと女性にとっては幸せなんだと思うよ
中原中也
……手前は
中原中也
結婚する気とか、あンのかよ
〇〇
……ない、かな
〇〇
私にはそう云う相手も居ないし
〇〇
第一、私に幸せになる資格はないよ
〇〇
最も私はこの世に存在してないけど
中原中也
……は、?
中原中也
手前、真逆自分のこと幽霊の類だとでも云うのか?
〇〇
否々、違うよ唯の独り言だから心配しないで
中原中也
…………
新郎
さあ皆さん!
新郎
どうぞパートナーと楽しい踊りを!
中原中也
……だとよ
中原中也
踊るか?
〇〇
……私、其処迄踊り知らな……!!
中原中也
良いんだよ、知らなくても
中原中也
手前は俺に合わせてれば
中原中也
身を任せておけばいいんだ
〇〇
……分かった
中原中也
其れで良い
中原中也
なんだよ、笑
中原中也
上手ぇじゃねェか笑
〇〇
そうかな、ありがとう笑
中原中也
……ああ笑
素直に申します
楽しかったです
中也がリードしてくれて
踊りが出来なくても
とても、楽しかったです。