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語り手や主人公(のあさん)以外の心の声
のあさんの心の声
それではSTART
春の朝は、少しだけ空気が違う
校門の前に張り出されたクラス分けの紙の 前に、のあは背伸びをした
のあ
指で名前をなぞりながら、
自分の名前を見つけてほっと息をつく
のあ
その瞬間、背後から聞き慣れた声がする
うり
振り返ると、
うりがいつもと変わらない表情で
立っていた
制服も、声も、距離も。
全部、去年までと同じ
のあ
そう言って笑うと、
うりは少しだけ目を細めて
うり
それは本当に小さな一言だったのに、
なぜか胸の奥に、
ふわっと何かが広がった気がした
教室に入ると、席も近かった
偶然なのか、
それとも毎年こうだったのか。
もう分からないくらい、
それは当たり前になっていた。
のあ
うり
短いやりとり
でも、その"隣"が当たり前であることに、
のあは何も疑問を持たなかった。
休み時間、消しゴムを落とした時
ノートを忘れた時
うりはいつも、言われる前に気づく。
うり
差し出された手と、目が合う。
一瞬だけ、ドキッとしたのは気のせいだと 思うことにした
放課後。
昇降口で自然に並ぶ2人
のあ
うり
それば、いつもの答え。
それ以上でも、それ以下でもない
夕焼けの中、並んで歩く帰り道。
肩が触れそうな距離なのに、
なぜか今日は少しだけ、
意識してしまった
ーーいつからだろう
"幼なじみ"という言葉でまとめてきた
ことが、少しだけ、違って感じたのは。
のあはまだ知らない
この"当たり前"が、
恋に変わる日が近いことを。