一花
ね、ねぇ、それって……!
悠太
え?
いつも通りの昼休み。
突然クラスの女子に話しかけられた。
一花
橋本くんが食べようとしているそれって……。
悠太
クリームシチューだけど?
一花
……一口。
一花
一口でいいから頂戴!
悠太
え、あ、まぁ別にいいけど……?
一花
ありがとう!
彼女はスプーンを手に取り、美味しそうに一口頬張る。
一花
美味しい〜!
悠太
大谷さん、クリームシチュー好きなの?
一花
うん、大好き!
悠太
じゃあ、これ全部あげるよ。
一花
い、いいの……?
悠太
うん。
悠太
俺、パンもあるし。
一花
じゃ、じゃあ遠慮なく……。
再び笑顔でクリームシチューを頬張り始める。
一花
これって誰が作ったの?
悠太
これは俺が。
一花
橋本くんが作ったの!?
一花
すご〜い。
一花
料理得意なんだね。
一花
今度私にも作って。
悠太
う、うん……!
どうやら俺は恋をしてしまったようだ。
野原に凛と咲く花のような少女に。