テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
家に帰っても、落ち着かなかった。 制服を脱いで、ベットに倒れ込む。 (なんでこんなに、考えてるんだろう) ゆあんくんの顔。余裕そうな笑い方。 でも、その奥の感情。 スマホが震えた。
《無事帰った?》 短いメッセージ 《はい》 すぐ返した自分に驚く。 《よかった》 その後、少し間が空いて
《今日さ》 画面を見つめる。 《嫌だった?》 胸がきゅっとなる。 《……なにがですか》 《俺が見てたこと》 やっぱり、気づいてた。
しばらく考えてから、打つ。 《嫌、って言うより》 指が止まる。 《分かんなくなります》 既読が着くのが、早かった。
《なにが》 《ゆあんくんが》 《軽い人なのか》 《ちゃんとしてるのか》 送信。 心臓がうるさい。
《どっちも》 返事は、意外とあっさり。 《でもさ》 《えとさんにだけは、ちゃんとしていたい》 画面を握る。 《それ、ずるいです》 《よく言われる》
その軽さに、少し笑ってしまう。 《でも》 《えとさんがいやなら》 《一歩引くよ》 嘘じゃない、と分かる文面。
《……完全に離れるのは》 そこまで打って、止まる。 深呼吸して、続けた。 《まだ、やめてほしいです》 送った瞬間、胸が熱くなった。
《了解》 すぐに返ってくる。 《じゃあ俺》 《近づきすぎない程度に》 《そばにいるね》 画面を伏せる。 (なにそれ)
優しすぎて、ずるい。 完全に拒絶できない自分に、少しだけ戸惑いながら。 でもーー 夜の静けさの中で、私は気づいてしまった。 もう、 どうでもいい相手じゃないことに。
NEXT>>800♡
コメント
1件