やまの
あの戦争の後から、ことろちゃんの精神状態が見るからに不安定になっている。
いつも私たちの前では無理に笑っているのが丸わかり。
やまの
やまの
やまの
ふとデスクの横を見ると随分前に撮った集合写真。仲間が入る度に撮りなおして、仲間はずれは嫌だからって、総統の唯一のわがまま。
でも、27人にもなった仲間は一瞬にして6人に減った。
やまの
楽しそうに笑う私たちを見て目から雫が溢れて落ちる。もうあの賑やかな日は戻ってこない。
やまの
もし、私が死亡確認をしなかったら、私もまだ生きている可能性を信じられたのに。
仲間の死亡確認は自分がしたいと言う意地に負けてしまった。
やまの
やまの
やまの
やまの
ことね
ことね
また今日も突然死んだ恋人と姉を思い出し涙を流す。
おねぇちゃんは私をあの暗闇から、あの小さい世界から手を引いて連れ出してくれた人。私の憧れの人だった。
いつも笑顔で優しくて博識で自慢の姉だった。 自立する気もあった。ずっと姉の後ろばかりにいないでわがままを言わないでって、、、
でも、、、
ことね
とうくんは私に希望をくれた。獣人でも好きになってくれる人はいるんだって、抱きしめてくれる人はいるんだって。
最近だって結婚の話もしてた。私幸せになるんだ〜ってずっと喜んでた。なのに、こんな仕打ちはないよ、、、
ことね
神様、、、願い事がひとつ叶うなら、、、
ことね
額と唇にキスをされた気がした。
ことみ
パソコンの前、独り言を呟いて俯く。
私は昔から泣き虫で弱虫で、血を見るのも怖かった。
それに重ね、ストーカー被害にもあった事からさらに怖がりになってしまった。その時私はΘ国にいて、私の味方など誰もいなかった。
その時に出会ったのがことにさん達だった。
私を引き抜いて、ストーカーからも守ってくれた。あの賑やかで落ち着いた空間が好きでとても安心した毎日だった。
ことみ
ことみ
ことみ
ことみ
頭を撫でられた気がした
やま吉
今日もまたベッドの中でうずくまる。いつもナマケモノと言われていたけど今こそ1番ナマケモノだろう。
僕には信頼出来る親友であり、同期がいた。彼らは僕を人型になる前から知っていて、沢山構ってくれた。
いつも僕と戦ってくれたし、サポートもしてくれた。人型になった時だって真っ先に見せに行った。
あの二人は今の僕を見てどう思うかな。相変わらずナマケモノだなとか言ってるでしょ。
やま吉
やま吉
やま吉
抱きしめられた気がした。
ことわ
愛銃のスナイパーを机の上に置き、ベッドに寄りかかる。
あの時、あいつ、、ことをが死ぬ時。顔を見てしまった。
あいつの目が潰れて、頭から血を流しながら戦う姿が頭の中から離れない。
好きになった人の死に際を見るなんてこの国1番の不幸者だ。
元はあいつと共に地元を占めてたんだ。こんなに早くに消えるとは思わなかった。ガラじゃないが落ち着きがねぇ
ことわ
ことわ
それにあの双子もそうだ。
あいつらはあたいらが子供のように可愛がってた。もう子供同然だ。初めは鬱陶しいとか思ってたが、今はもうそんなことは無い。
ことわ
ことわ
ことわ
隣に来てくれた気がした
ことわ
ことわ
ことろ
葬式の後、あの子たちの最後につけてた遺品をもらった。全員分のドッグタグは会議室に飾っている。
手元にあることなのネックレス、ことかと兄貴のイヤーカフ、ことるのヘアピンをじっと見つめる。
あの戦争から1度も切ってない前髪は目の前まで垂れて右目が見えなくなっているほど。目にハイライトも無く、これが戦争前の活き活きした総統かと思うほどに違っている。
ことろ
ことろ
ことろ
ことろ
みんなを行かせた罪悪感に打ちのめされる。涙はとめどなく出てきてあの日から毎日泣いている。もう枯れてもおかしくなさそうなくらいに。
ことなの辛そうで痛そうな声、最後に聞いたあの声がずっと耳に残ったまま。夢にまで出てきて罪悪感を上乗せしてくる。
ことろ
ことろ
ことろ
ことろ
声が聞こえた気がした
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