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続き楽しみにしてましたぁぁ!!!イヌピーが泣き出したところで私も泣きそうになりました(?)好きです…🤦♀️💕
あれから1週間経った
教室では、放課後友達が迎えに来るまでほとんど話さない
なんの変哲もない毎日
今日は委員会で遅くなると言っていた友達を教室で待っていた
ココ
ココ
前の扉からこちらを覗く彼
は?と苛立ちを含んだ声が出そうになる
だが、俺はそいつに目もくれずにガタンッと音を立てて席を立った
早足で教室を出る
ココ
ああ、もうイヌピーって呼んでくれないんだ
別にもう
どうでもいいけど
後ろから追いかけてくる足音が聞こえて 走り出そうとした
パシッ
そう音が出るほど強く
手首が掴まれる
ココ
イヌピー
そう声を絞り出した
ココ
イヌピー
食い気味に言う
思い出したくないから
依然離されない手を強く振り払う
けど、強く強く握られた手は離れない
イヌピー
ココ
イヌピー
もういやだって
考えないようにしてきたのに
イヌピー
思い出したくない
考えたくない
ココ
ああもう、泣くなよ俺、絶対
イヌピー
どうでもいいことなんてなかった
なんてことないことなんてなかった
1つもなかった
でも、泣かなかった
思い出さないように
考えないようにしてきた
なのに、ココはまた
俺のことを、友達のように
一緒にいた頃のように
呼ぶ
ぺたん、としゃがみこむ
未だ止まらない涙を両手で拭う
イヌピー
しゃがみこんだ俺と目線を合わせるようにココもしゃがむ
ココ
イヌピー
ココの胸板を力の入らない拳で殴る
ココ
イヌピー
その優しい声に
何故か心がかるくなって
イヌピー
俺も、ココがイヌピーと呼んでくれたように
前と同じ呼び方で
イヌピー
ココ
ココの膝の間についた手に水滴が落ちた
多分俺の涙じゃない
だとしたら…?
イヌピー
イヌピー
そう言って
笑った
主
主
主
主
主
主