テラーノベル
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橙と猫カフェに通う日々が、自然と日常になっていた。
スイーツの話で笑って、猫を撫でながらとりとめのない会話をする_
それだけなのに、心がふわふわと浮いていくような心地がした。
けれど、学校ではその関係を口にすることはなかった。
クラスでの橙は相変わらず無表情で、誰にも関わらず、噂の中心にいながら孤立していた。
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そんな会話が廊下で聞こえてくるたび、俺の中で何かがざらついた。
本当の彼女を知らないくせに。
そう思えば思うほど、俺の胸の奥に何かが積もっていく。
放課後、いつもの猫カフェ。
いつも通り席に着いて、カフェラテを飲む彼女の顔を見た瞬間、思わず言葉がこぼれた。
緑 。
橙の手が止まった。
橙 。
緑 。
橙 。
橙 。
緑 。
橙 。
まただ、そうやって突き放す言い方。
でも、今日は簡単に引き下がりたくなかった。
緑 。
緑 。
沈黙。
店内のBGMと猫の鳴き声だけが響いている。
やがて、橙がそっと視線を上げた。
橙 。
緑 。
橙 。
緑 。
ぷっと、橙が吹き出した。
橙 。
でも、その声は笑っていた。
その瞬間、なにかが少しだけ変わった気がした。
ふと、テーブルの下で何かが触れる。
見れば、彼女の足先が、ほんの少しだけ俺の方に寄っていた。
言葉にしなくても、距離は少しずつ近づいている。
それだけで、今日は十分だった。
コメント
1件
ほんとに最高です! 学校での絡みも見れたらいいな〜