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朝の回診のあと、先生が言った。
先生
一瞬、時間が止まった。 目があったえとさんも、ぽかんとしてた
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先生
先生
先生、最後だけ急におちゃめになるの、ずるいよ。
👘『なおきりさん、私…似合ってるかな?』
三宅
朝、回診が終わったあと、ナースの三宅さんに呼ばれて、 私はなんとなく不安と期待を抱えていた。
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三宅
病院の裏のスタッフルーム。 扉を開けたら、そこにあったのはーー
淡い水色に朝顔の柄が描かれた、かわいらしい浴衣
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三宅
🍫
三宅
浴衣なんて、最後にきたのはいつだったかな。 鏡の中の自分が、すこしだけ別人みたいに見える。
三宅さんが帯をぎゅっと締めてくれて、髪もまとめてくれた。
三宅
🍫
三宅
🍫
でも、心の中では少しだけ、期待してた。 なおきりさんが、 “えっ、なにその浴衣姿…やば”って顔、してくれたらいいなって
病院の正面玄関。 私が待ってると、少し遅れてなおきりさんが階段を降りてきた。
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言葉が途中で止まった。 なおきりさんの目が、じっと私を見てる。 そのまま、ふいっと目を逸らした。
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って言いながら、なおきりさんが耳まで赤くして笑ってるのを見てーー 私の胸が、どくんって跳ねた。
ほんの少し、目を細めて、優しく笑う
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照れてるのか、冗談なのか、相変わらずの余裕そうな顔。 でも、耳の後ろあたりが、ほんの少しだけ赤く見えたのを私は見逃さなかった。
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からかってるようで、でもその声はちゃんとあったかくて、 気づいたら私は、胸の奥がふわっとあたたかくなってた。
🎇『打ち抜かれたのは、たぶん私の心』🍫
私の横を歩く、背の高い影。 ちょっと気だるそうな歩き方も、笑うときの目元も、 いつもよりずっと“男の子”っぽく見えるのは、たぶん私の 気のせいじゃないと思う。
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そう言って、なおきりさんが私の手を引いた。 並んだ木の台、積まれた景品。なおきりさんは構え方を よく知ってるみたいで、
しゃがんで銃を構えたときーー
なおきりさんのTシャツの裾が、少しめくれた。
細くて白い腰のライン。 肩甲骨から背中にかけて、すこし汗ばんだ 肌が夕陽に照らされて光ってる。
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思わず、息をのんだ。 夏の夜にふく風みたいに、心の奥がふっと冷たくなって、 でもそのすぐあとに、胸のあたりがぽん、と熱くなった。
あ、なんか、今の……ずるい。 私だけ、なにも知らないみたいな顔して、 こんなにもなおきりさんを見てたんだ。
“ただの入院仲間”のふりなんて、もうできない。
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声をかけられて、ハッとする。 なおきりさんは、こっちに銃を渡しながら、いつもの顔で笑ってる。 優しい目で、私だけを見て。
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小さくうなずきながら、 私はまだちょっと赤い顔を隠せなくて、 浴衣の袖をぎゅっと握った。
🎐『誰より似合うから、ってー』🌷
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屋台の明かりに照らされた、涼しげな風鈴と金魚すくいの音の間で、 ふと目に留まったのは、小さな髪飾りの屋台だった。
えとさんは少し先を歩いてたけど、僕が立ち止まったのに気づいて振り返る
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そう言って、えとさんの手を軽く引いた。 いつもは軽口でからかったりするけど、 こういうときだけは、
ちゃんと真面目な顔がしたくなる。
屋台の棚に並んでた中で、目に入ったのは、 淡い青の、金魚の絵が描かれた小さな飾り。
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財布を取り出して、屋台のおばちゃんに声をかける。 飾りを受け取って振り返ると、えとさんはいつもとちょっと違う、 困ったような笑顔を浮かべた。
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照れてたのかもしれない。 でも、ちゃんと伝えたかった。
“「誰よりも、えとさんに似合うと思ったから」”って
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えとさんはその場で髪を耳にかけて、 僕が手を伸ばすと、そっと目を閉じた。
飾りをつけた瞬間ーー ほんの一秒、指が髪に触れた。
そのぬくもりに、僕の心臓がふいにドクッと跳ねたのは、 きっと僕だけじゃなかったと思う
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えとさんの顔が、屋台の灯りの中でふわっと笑った。 笑っただけなのに、僕の胸の奥がギュッとなった。
きれいだと思った
病院の白い天井の下じゃなくて、こうやって光の中で笑ってる姿は、 何度も何度も、思い出してしまいそうなくらいだった
🎇『灯りが消えても、心は揺れる』🌷
線香花火が、静かに最後の火花を落とした。 二人でしゃがみこんで見つめていた手元から、あの 小さな光がふっと消える。
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僕がそう言うと、えとさんは頷いて小さく笑った。
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少し笑って言ってみたけど、えとさんは首を振った。
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その言葉に、僕の胸の奥も、同じようにきゅっと痛くなった。 静かになった屋台通りを、並んで歩き出す
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僕が言うと、えとさんはふと立ち止まり、少しだけ寂しげな 笑顔を浮かべた。
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胸の奥で、小さな鐘が鳴る。 嫌な音じゃないけど、どこかで「これは忘れちゃいけない音」だと思った。
そんな彼女の表情に、僕はーー心がつき動かされた。 ふいに、僕はえとさんの手を取った。
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そのまま、顔を近づけた。彼女の瞳が少し揺れる。
その距離、ほんの数センチ。
でもーーそのとき、ふと手が震えてしまった。
(……だめだ、今の僕じゃ)
僕は目を閉じかけたまま、その距離を保った。 えとさんは僕の動きを見て、何もいわず、そっと笑った。
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そう言って、少し照れたように、でも嬉しそうに笑ってくれた。 僕は何もいわず、彼女の手を軽く握ったまま、歩き出した。
夏の夜風が、二人の手を優しく包んでいた
📷️『この一瞬を、残しておきたい』🌷
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えとさんが浴衣をりるがえして、まるで 子どもみたいに笑いながら走っていく。
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僕もあとを追いながら、ふと足を止めた。 彼女がプリクラ機の前で、振り向いて言った。
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少し恥ずかしそうに、でもどこか期待した 目で僕をみる。
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そう言って、僕の袖をちょんっと引っ張った。 ……断れるわけないじゃん。
中に入ると、機械の明かりが二人の顔を優しく照らしてくる。 僕は、なんとなく、自然とえとさんの隣に立った。
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シャッターが切られる寸前、えとさんが、僕の腕に小さく指を絡めてきた。
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画面に映写る僕の表情は、ちょっとだけ赤かった気がする。
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出来上がったシールを笑いながら確認しているえとさん。
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そう言って、えとさんは僕に小さく切ったプリクラの 一枚を渡してくれた。
それを受け取ったとき、胸の奥がじんわりと熱くなった。 この一瞬が、永遠だったらいいのにーー そんなふうに、ふと思ってしまった。
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🌙瑠海🎧@ひまがく
ルル