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最終話です😌 この連載4話しかなかったんすね。え、短。 なんかもっと長い気がしてた…… 自分に恋愛経験がない分、より泉に感情移入しないと文章書けなかったので、かなり想い入れがあるというか……とにかく書いたあともしんどいです泣いてる(( てか雪入パイセンと泉サァン、あんなに仲良かったのに自然消滅してんじゃねぇよって感じですが…。(
最新話だ!!😭💕 もう泣きました。心が(?) 泉さんかっこよすぎます✨いつか絶対報われてくれ…(切実) 先輩も…もうね…愛する人とお幸せに…😭 みんな幸せになれ~!!
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!自分語りになるんですが私こう言う失恋系の切ないBLだいすきなんすよ!!!!!泉さんはとても強くてかっこいいですよ…😭
雪入 真尋
雪入 真尋
そう言って先輩は、 僕の手を両手で包み込む。
雪入 真尋
ふんわりと、笑う。
雪のように白い頬が、 ほんのり、染まる。
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
ギュッ………
雪入 真尋
泉 天翼
_____________
___チュンチュン……
泉 天翼
アラーム
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
まったく…… 朝からなんてもの見せるんだ、 僕の脳みそめ……
……………ありがとな!!!
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
先輩だって…いつもあたためてくれる。
そうやって、今も。
てかもはや……熱い。
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
先輩の冷えた両手が、僕の手を包み込む。
泉 天翼
耳まで真っ赤になった顔も、 『寒いから』といえば言い訳ができそうだった。
すると、唐突に腕を引っ張られ、 先輩の胸の中に包まれた。
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
しばらく放心していたが。
泉 天翼
ようやく状況が理解できた。
泉 天翼
泉 天翼
ガンッ!!!
反射的に、机に頭を打ち付けた。
泉 天翼
いやいや……余計意味わからんくなってきた。
……まぁ、あれくらいのスキンシップは別に珍しいことじゃないけど。 でも、今朝の夢のこともあったし。
それにさ……やばいよ。
『しばらく……このままでいていいかなぁ……?』
先輩の少し照れた表情、 先輩の少し照れた控えめな声、 微かな柔軟剤のいい匂い、 冷たい肌、暖かい胸の中……。 すべてがフラッシュバックする。
泉 天翼
急いで腕全体で口を抑え、 溢れ出てきそうな叫びをなんとか 心の中に留める。
泉 天翼
ほんと…ほんとに、心臓がもたない……
僕をこんな死にかけにして…… 先輩、どうしてくれるんですか……
……やっぱ先輩、あんな可愛い顔して、僕より身長高いから。
顔が、先輩の胸にすっぽり埋まってしまった時の衝撃が……また。
泉 天翼
顔……熱い。
今日はいつもに増して熱い。
正夢とか本当に見るんだな……
…………うぅ…先輩のことが頭から離れないよ……
泉 天翼
……………好きが、
泉 天翼
溢れる。
どうしようも、ないくらいに。
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
僕を壁まで追い詰めて、 頬を撫でてくる。
雪入 真尋
泉 天翼
顔が近づいてきて……
__やわらかく、触れた。
___チュンチュン……
泉 天翼
アラーム
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
ガシャンッ!
目覚まし時計をブン投げて、 壊した。
……一日が、始まる。
泉 天翼
あれも……正夢に……なるのか……?
…………い
い………いいいいや無理無理無理無理!!!なってほしい!なってほしい!なってほしいけども!!! 心の準備と言いますか!?!? マジ無理だって!!!
あれが正夢になったら、 僕は今度こそ死ぬ………!!
泉 天翼
朝の冷たい通学路で1人、 キャパオバすぎる予感に興奮しすぎて息を切らす。
泉 天翼
………僕………今日… 髪とか変じゃないかな? 大丈夫かな……??
あ…服のシワとk
雪入 真尋
ビクゥッ★
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
お昼
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
いや…… いやいや……
さすがに2日連続正夢ってことはありえないでしょ………
こ、今回の内容なんて特に…… いろいろおかしいし…… 正夢なったらなったで僕死ぬし……
実際朝はなんもなかったし、 今だってとてもそんな雰囲気とは思えない……
そこにいるのはただ、 いつものように昼食を食べる世界一かわいい先輩…… いつもと変わらない日常なんだよ……
雪入 真尋
うん、そうだよ。 変な期待はしないでおこう。 あとで自分が悲しくなるだけなんだから。うん!!
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
__ドクン
夢の中の……展開…
これって……まさか……?
……いやいや、そんなわけが……
ドクン……
でも……雰囲気が……
雪入 真尋
……どうしよう
ドク……ドク………
……まって………
雪入 真尋
ドクン…………
心臓が、うるさい……___
雪入 真尋
時が、止まった。
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
そうなんですか。
おめでとうございます。
こんなにも簡単な台詞が、
言えない。
…声が、出な、い。
……………出せ、自分。
出せ……
___ッ出せ!!
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
思ってもないような言葉が出て。 …吐き気がした。
今すぐその言葉を取り消したい。
今、喋っているのは___誰だ?
雪入 真尋
先輩は、笑った。 とても幸せそうに。
雪入 真尋
泉 天翼
それは……2人で、ですか? それとも……”3人”で、…ですか?
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
ずるい。
制服のズボンの布を、 シワが残るほど力強く握りしめた。
泉 天翼
……今までの僕で、 ここまで作り笑顔が上手だったことなんてあっただろうか。
雪入 真尋
ほんとは。
今感じてることを、本音を…… 全てぶつけてしまいたい。 こんなにも、僕に向かって優しく笑う先輩に。
何もかも忘れて。
キーンコーン………
雪入 真尋
泉 天翼
体が重い。
自分のじゃないみたいな、 重い、重い足で、 教室へ戻る。
泉 天翼
泉ちゃんと”も”………か。
唐突に他者を感じさせる、 その1文字に。 一気に現実に引き戻されるような、 …その1文字に。
面白ささえ、覚えた。
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
……醜い。
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
こちらに向かってくる先輩の後ろには、 3年の先輩らしき女の人が居た。
すぐ、誰なのかは察しがついた。
だから…思わず目を背けた。
泉 天翼
雪入 真尋
先輩が、少し照れながら言う。
先輩の彼女
泉 天翼
先輩の彼女
泉 天翼
なんだろう。 …すごくこっちを見てくる。
先輩の彼女
先輩の彼女
雪入 真尋
先輩の彼女
雪入 真尋
泉 天翼
先輩の彼女は、真面目そうで、 でもよく笑って華があって、 優しそうな人。 …というのが僕の感じた 素直な印象だった。
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
先輩の彼女
泉 天翼
泉 天翼
先輩の彼女
雪入 真尋
泉 天翼
え、なに。
なんだろう、この生き地獄。
…と、ずっと考えていた。 それだけが、頭の中を 永遠にループしていて。
ず〜っと、胸も痛くて。
先輩と彼女さんが 楽しそうに話している横で、 僕はおそらくひきつっていたであろう笑顔で相槌を入れていた。
まるでロボットみたいに。
作り笑いも、 いつまでも上手くできるわけじゃない。
泉 天翼
……僕だけ、歩いている地面が ないみたいだった。
僕は今…… どこを歩いているんだろう。
雪入 真尋
泉 天翼
満面の笑みで手を振る先輩の隣で、 彼女さんも小さく手を振っていた。
泉 天翼
僕は先輩達が 見えなくなったのを確認して、 自宅に向かって歩き出した。 下を向きながら。
__視界に映るのは、 笑っちゃうほどいつも通りの 帰り道だ。
ここは何も、変わっていない。 __変わっていないんだ。
それは、安心できることのようにも思えたけれど。
僕だけ違う場所に 行ってしまったみたいな、 そんな気もした。
……よくわかんなくて、 ぐちゃぐちゃになって。
……先輩たちの話を横で聞いていたけれど。
彼女さんは、 普通にいい人だろうと、思った。 安心できる人だ。 きっと。
先輩を大事にしてくれる。
……もう既に、 大事にしてくれている。
先輩のあの笑顔を見たら…… 確信が持てる。
泉 天翼
しばらく、頭の中空っぽで 道を歩いていた。
…すごく、楽だったと思う。
泉 天翼
雪が、降ってきた。
泉 天翼
………あぁ、まただ。
また思い出してしまう。 先輩と初めて出会ったあの日を。
今は、思い出したくないのに。
あの日は別に、 雪なんて降ってなかった。 あたたかな春の日だったのを 覚えている。
けど。
先輩は、雪みたいに真っ白で 綺麗だからって。 先輩を見る度にそればかり 思ってしまっていたから。
今も、昔も。
……先輩が幸せなら、それでいい。
そんなことをいくら心の底から 思えてしまっても、 何も現実は変わらないのに。
__いつもの帰り道が、 視界が、 歪んだ。
目が、熱い。
泉 天翼
……僕が
僕が、あの人より早く言ってれば
勇気をだして、伝えていれば。
僕にだって、 可能性はあったってことですか?
……いや、
ない。
泉 天翼
先輩はきっと、 ……絶対、”そう”、じゃない。
僕とは違うんだ。
泉 天翼
もう、遅い。
__時が流れた。
といっても、たったの 2、3ヶ月くらいだけど。
僕と先輩は、 いつも通りの日常を送った。
……先輩に彼女がいても、 怖いくらいいつも通りだった。 ずっと。
変わらず先輩と、 毎日を送って、 家に帰って、
泣いた。
……こんなの早く終わりに したかったけど、 どうすればいいのか分からなくて。
僕は…… 急に遥か遠い場所に行って しまったような先輩に対しても、 ……この好きを、終わらせられなかった。
ずっと……ずっとずっと。 大きな鉛が僕の全身に まとわりついて、 離れてくれない。
虚しくアラームが鳴る朝に、 いったい何度『今日は休もうかな』 なんて呟いたか。
それでも…そんな一言を。 『つらい』と必死で 自分自身に訴えかけながら、 今にでも壊れてしまいそうな 自分を。 いったい何度無視して、 制服の袖に腕を通したか。
そういえば……先輩に出会う前の 僕もこんな感じだったっけ。
なら、今の方がもっと……
……酷いな。
泉 天翼
泉 天翼
先輩に想いを伝えるなんて無理だ。 今の僕には。
結局…伝えずに全部、 終わるんだ。
この大事だった初恋を。 ……1人で、馬鹿みたいな自分を。
初めて人をすごく 好きになれたのに。
泉 天翼
初めてあった時から…… あんなに幸せで、 今まですごく苦しかったのに。
泉 天翼
最後は…これなのか。
……変われなかったな、僕は。
____変われなくても、いいや。
このまんまでいい…… 変われなくても、いいから。
__だから……おねがいだから、 今この状況から、 一刻も早く抜け出したいんだ。
逃げたいんだ。
僕は、本当に弱い。
こんな弱い人間……最初っから、 先輩と釣り合うわけが なかったんだ。
泉 天翼
____弱い。
___チュンチュン……
泉 天翼
アラーム
……また、先輩の夢を見た。
泉 天翼
僕は準備をしながら、 もうすっかり見慣れた 先輩とのLINEを睨んでいた。
…しばらく悩んだ末、 『受験頑張ってください! 応援してます!』 と、普通の応援メッセージを 送信した。
__今日は、先輩の受験当日。 ついにこの日が来てしまった。
……着実に、近づいている。 先輩の卒業……
泉 天翼
今となってはもはや、 先輩が卒業してもしなくても……
変わらない。
着信音
泉 天翼
先輩から___通話?
ピッ………
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
ピッ
泉 天翼
泉 天翼
僕はしばらく、 その場から動けなかった。
先輩は、無事に志望校に受かった。
…彼女さんも、 同じ大学に受かったらしい。
よかった………。
本心だよ。
……そしてついに__その日が来た。
桜が降っている。
辺り一面が、あたたかい空気と、 人々の和やかな雰囲気で 包まれていた。
雪入 真尋
泉 天翼
先輩が走ってくる。
大きな桜の木をバックに、 僕の前に立って微笑んだ。 最後の最後までこの人は、可愛い。
雪入 真尋
泉 天翼
先輩は雪だけじゃなく、 桜も似合うなぁ…… …なんて考えながら、 ついボーッと見とれて しまっていた。
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
雪入 真尋
…先輩は、笑った。
………やっぱ
……やっぱ、やだ。
先輩に卒業して欲しくない。
いやだよ。
泉 天翼
泉 天翼
泉 天翼
嘘だ。
泉 天翼
僕は気づいたら、 先輩を力いっぱい抱きしめていた。
泉 天翼
今までに無いくらい、 僕は泣いていた。
今までのこと全てが、 一気に溢れ出てくるようだった。
人目とか、 何も考えられないくらい。
全部全部ぐしゃぐしゃにして、 一気にぶちまけた。
先輩の匂いが、温度が、 ……『好き』、が。
僕の中を埋め尽くした。
雪入 真尋
先輩は嬉しそうに笑って、 僕を抱き締め返した。
___ずるい。
ずるい、ずるい。
先輩、ずるいです。
本当に……ずるい。
そんなとこも、 最後まで変わらないんですね。
……僕は。
僕は、そんなとこも含めて。
出会ったあの日から…ずっと、
ずっと________
泉 天翼
雪入 真尋
僕と先輩の足元に、 桜の花弁が降り積もる。
それらは落ちても構わず、 ずっとその美しさを保っていた。
雪入 真尋
泉 天翼
僕が首にぶら下げていたカメラを 手に取った先輩は、 カメラの電源を入れ、 レンズをこちら側に向けると、
雪入 真尋
泉 天翼
雪入 真尋
パシャッ
泉 天翼
僕は魂を抜き取られたような 気持ちで先輩を見た。
雪入 真尋
そう言って無邪気に笑った。
そんな先輩を見て、 また涙が溢れ出した僕を。
先輩は、また抱きしめてくれた。
______あれから。
何回か先輩と連絡をとったものの、 お互い忙しくなってくると 滅多に連絡を取らなくなっていき。
今では……全くとり合っていない。
自然消滅、したのだ。
僕は____あたしは。
あれからいろんなことがあって、 今のあたしになった。
新しい『泉天翼』は、 ここにいる。
数年後
紫人
泉
泉
泉
泉
_ふと、人混みの中に、 あの見覚えのある真っ白な頭を 見つけた。
私服姿で、……あの彼女と、 一緒に笑って歩いている。
泉
泉
___いいや。
紫人
__今の『泉』は、 第2の人生だから。
あの恋はもう___いらない。
泉
泉
___だって…今は。
紫人の方を向いて、微笑んだ。
紫人
泉
紫人
泉
紫人
__先輩。
前のあたしのこと…… ”ツバサ”のこと、 忘れてくれていますか。
彼女さんと一緒に、 幸せに前を向けていますか。
あたしは____ 大事な人が、できました。
最後まで弱くて、 情けない”ツバサ”だったけど。
紫人
泉
________大好きでした。
先輩。