TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

rara🎼

13話目です!

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ

rara🎼

ご本人様には一切関係ございません!
苦手な方はback推奨!

rara🎼

では!

rara🎼

どうぞ!

13 雨の日の、それぞれの胸のうち

昼過ぎから、ぽつぽつと雨が降りはじめた。

六奏学園の教室の窓には水のしずくが細く流れ、空も街も、すっかり灰色に染まっている。

廊下に反響する生徒たちの声も、どこか湿り気を帯びて聞こえた。

こさめ

……こういう時の雨は、苦手だな

こさめは、窓の外を見ながら呟いた。

放課後の教室には人が少なく、しんと静まり返っている。雨音が、静かな伴奏のように響いていた。

鞄を抱えて立ち尽くすこさめの肩に、ふと制服の上からジャケットがかけられる。

こさめ

……なつくん?

驚いて振り向くと、なつが傘を二本持って、無言で立っていた。

なつ

濡れるぞ

こさめ

うん……ありがと

その声は低く、変わらない調子だったけれど、そこには確かにこさめを気遣う温度があった。

こさめ

……さっき、教室からLINE送ったんだ

なつ

知ってる

なつ

読んでた

こさめ

返信、くれなかったじゃん

なつ

読んでからすぐ、こっちに来た

その言葉に、こさめの胸がきゅっと締めつけられる。

言葉よりも先に、行動で駆けつけてくれる。

そういうところが、ずるいほど嬉しい。

こさめ

ねぇ、なつくん

こさめ

こさめって、わがままかな

なつ

わがままじゃない

こさめ

ちょっと面倒くさい?

なつ

……ちょっとはな

こさめ

ひど!

ふふっと笑い合いながら、ふたりは昇降口へと歩き出す。

傘を差して外へ出ると、雨は思っていたよりも強くなっていた。

でも、なつが差し出した傘の下に入ると、不思議とあたたかかった。

生徒会室。

らんは窓際のソファに座り、資料の整理をしながらため息をついていた。

外の雨が、窓を叩いている。

らん

……また、噂されてたんだって

ぼそりと漏らすと、斜め後ろに立っていたいるまが小さく頷いた。

いるま

はい

いるま

ですが、既に火元は押さえてあります

らん

……どうやって?

いるま

『推薦に値する実績がないなら口にするな』と、伝えておきました

らん

は……お前……

思わず吹き出しそうになって、らんは眉を寄せる。

らん

もっと言い方あっただろ

いるま

努力を軽んじる者には、それ相応の言葉でなければ響きません

らん

……怖いな、お前

いるま

ありがとうございます

その言い回しに、らんはつい笑ってしまった。

窓の外の雨は止まないけれど、室内にいるふたりの間には、ぬくもりがあった。

らん

なあ、いるま

いるま

はい

らん

俺が誰からも認められなくなったら……お前はどうする?

いるま

認めます

らん

即答だな

いるま

らん様を見てきた時間と実績は、誰よりも俺が知っている

静かに、しかし力強くそう言われて、らんは視線を伏せた。

らん

……そういうとこ、ほんとずるい

いるま

恐縮です

その返事があまりに淡々としていて、でもどこかやさしくて、らんは思わず肩の力を抜いた。

らん

お前がいるなら、まあ、いっか

その一言に、いるまは何も言わず、ただ小さく頭を下げた。

一方その頃、屋敷の一室では、みことがソファにうずくまっていた。

毛布をかぶっていたが、天気と同じようにどこか沈んだ様子だった。

その部屋の扉が、静かに開く。

すち

……みこと様

みこと

……すっちー

すちがティーカップを乗せたトレイを持って入ってきた。

すち

お身体の具合、また悪くなりましたか?

みこと

ううん、違う

みこと

ただ……ちょっと、気分が沈んでるだけ

すちはみことのそばに腰を下ろし、湯気の立つ紅茶をそっと差し出す。

すち

……無理に元気になる必要はありませんよ

みこと

……

すち

どんなときも、そばにいますから

その声が、みことの胸にじんわりと染み込んでいく。

ふと、みことはソファの端に置かれたスマホに目をやった。

画面には、さっき送ったすちからの「既読」だけがついている。

みこと

……“すぐ行きます”って返事、欲しかったな

すち

すみません、急いでいたので

みこと

ほんまに?

すち

はい

すち

……口より、行動で

みことは少しだけ拗ねたようにそっぽを向いたが、その表情はほんの少し緩んでいた。

みこと

……ずるいな、すっちーって

すち

よく言われます

窓の外はまだ雨が降っている。

けれど、それぞれの場所で、それぞれの心にあたたかいものが灯っていた。

その夜、屋敷の廊下。

すれ違ったこさめとらんが、小さな声で言葉を交わす。

こさめ

ねえ、らんにぃ

こさめ

いるまくんって、結構甘いよね

らん

……うん

らん

たまに砂糖まぶしたような顔してる

こさめ

ふふ、それ言うなら、なつくんもだよ

こさめ

さっきずっと黙って傘差してくれてて……

らん

俺も言われた

らん

“認められなくても、認める”ってさ

こさめ

それ、絶対に好きじゃん

らん

かもな

ふたりの笑い声が、雨音に溶けていく。

気づかないふりをしていたもの。

少しずつ言葉になっていく想い。

──それぞれの心の奥に芽生えた感情は、確かに「恋」と呼べるものだった。

第13話・了

rara🎼

おかえりなさい!

rara🎼

次回!

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡140

rara🎼

では!

rara🎼

ばいばい!

恋より先に、忠誠を。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

346

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚