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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
rara🎼
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13 雨の日の、それぞれの胸のうち
昼過ぎから、ぽつぽつと雨が降りはじめた。
六奏学園の教室の窓には水のしずくが細く流れ、空も街も、すっかり灰色に染まっている。
廊下に反響する生徒たちの声も、どこか湿り気を帯びて聞こえた。
こさめ
こさめは、窓の外を見ながら呟いた。
放課後の教室には人が少なく、しんと静まり返っている。雨音が、静かな伴奏のように響いていた。
鞄を抱えて立ち尽くすこさめの肩に、ふと制服の上からジャケットがかけられる。
こさめ
驚いて振り向くと、なつが傘を二本持って、無言で立っていた。
なつ
こさめ
その声は低く、変わらない調子だったけれど、そこには確かにこさめを気遣う温度があった。
こさめ
なつ
なつ
こさめ
なつ
その言葉に、こさめの胸がきゅっと締めつけられる。
言葉よりも先に、行動で駆けつけてくれる。
そういうところが、ずるいほど嬉しい。
こさめ
こさめ
なつ
こさめ
なつ
こさめ
ふふっと笑い合いながら、ふたりは昇降口へと歩き出す。
傘を差して外へ出ると、雨は思っていたよりも強くなっていた。
でも、なつが差し出した傘の下に入ると、不思議とあたたかかった。
生徒会室。
らんは窓際のソファに座り、資料の整理をしながらため息をついていた。
外の雨が、窓を叩いている。
らん
ぼそりと漏らすと、斜め後ろに立っていたいるまが小さく頷いた。
いるま
いるま
らん
いるま
らん
思わず吹き出しそうになって、らんは眉を寄せる。
らん
いるま
らん
いるま
その言い回しに、らんはつい笑ってしまった。
窓の外の雨は止まないけれど、室内にいるふたりの間には、ぬくもりがあった。
らん
いるま
らん
いるま
らん
いるま
静かに、しかし力強くそう言われて、らんは視線を伏せた。
らん
いるま
その返事があまりに淡々としていて、でもどこかやさしくて、らんは思わず肩の力を抜いた。
らん
その一言に、いるまは何も言わず、ただ小さく頭を下げた。
一方その頃、屋敷の一室では、みことがソファにうずくまっていた。
毛布をかぶっていたが、天気と同じようにどこか沈んだ様子だった。
その部屋の扉が、静かに開く。
すち
みこと
すちがティーカップを乗せたトレイを持って入ってきた。
すち
みこと
みこと
すちはみことのそばに腰を下ろし、湯気の立つ紅茶をそっと差し出す。
すち
みこと
すち
その声が、みことの胸にじんわりと染み込んでいく。
ふと、みことはソファの端に置かれたスマホに目をやった。
画面には、さっき送ったすちからの「既読」だけがついている。
みこと
すち
みこと
すち
すち
みことは少しだけ拗ねたようにそっぽを向いたが、その表情はほんの少し緩んでいた。
みこと
すち
窓の外はまだ雨が降っている。
けれど、それぞれの場所で、それぞれの心にあたたかいものが灯っていた。
その夜、屋敷の廊下。
すれ違ったこさめとらんが、小さな声で言葉を交わす。
こさめ
こさめ
らん
らん
こさめ
こさめ
らん
らん
こさめ
らん
ふたりの笑い声が、雨音に溶けていく。
気づかないふりをしていたもの。
少しずつ言葉になっていく想い。
──それぞれの心の奥に芽生えた感情は、確かに「恋」と呼べるものだった。
第13話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡140
rara🎼
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