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ヒョヌ
僕の名前を呼ぶ声と ゆさゆさと肩を揺さぶられる感覚で 目が覚める。
ホソク
顔を上げると 僕の肩に手を置いたヒョヌと、 それからスジンが僕を見下ろしていた。
はっとして周りを見渡すと 教室内にいるのは僕達の3人だけ。 窓からは夕焼けの空が見える。
ホソク
ヒョヌ
時計を見ると 既に時刻は16時を過ぎていた。
あれ、僕… いつから寝てたっけ…。
机の上に放ってあったスマホのロック画面を解除する。 ジンヒョンから13時に来たカトクを既読スルーしたまま 開きっぱなしにしてあった。
嘘、僕…13時からこの時間までずっと寝てたんだ。
ヒョヌ
ホソク
ヒョヌ
ホソク
ヒョヌの言う通り あの家に帰るようになってからというもの… 学校では、ほぼずっと寝ている。
しかも、教室で。 保健室には、行きたいけど…行きたくない。 またアイツが 近づいてくるかもしれないから。
ヒョヌ
スジン
ホソク
そんな気分にはなれなくて 2人からのカラオケの誘いを断ると スマホぐらいしか入ってない鞄を持って 教室を出た。
最近は、家にいる時間を最大まで減らす為に 夜遅くまで、どっかで適当に遊んで時間潰したり ジンヒョンと会ったりして 帰るのは大体0時過ぎ。
朝はとにかく早く家を出て行くから そのぶん、昼間は学校で寝てしまうんだ。
完全に今、 自分の生活リズムは昼夜逆転してしまっている。
階段をのろのろと登ると、 その先にある扉を開ける。
やって来たのは屋上だ。 ふわりと風が吹いて 気持ちいい。
口に咥えた煙草にライターで火を付ける。 まだ眠気の残る頭を覚醒させるには 煙草が1番手っ取り早い。
ため息と共に口から吐いた煙は 僕の頭上をふわりとただよう。
スマホをいじりながら トントンと地面に灰を落とすと ギィっと扉の開く音が聞こえた。
ジミン
ホソク
扉からひょっこり顔を出したのは 髪を高校生らしからぬ銀髪に染めあげた 1年E組のジミンだった。
ジミンは僕の近くに来ると 口に咥えた煙草を、僕のそれに近づける。
ジミン
そう言ってニッコリと笑った。
正直、ジミンの事は 嫌いじゃないけど、苦手な方だ。
なぜか、僕と話す時の距離が やたらと近い。
ホソク
ジミン
ジミンがぐいぐいと近づいてくるから 嫌だとも言えなくて しょうがなく…俗に言うシガーキスってやつをして 煙草の火を分けた。
ジミンは僕の隣にならんで ふぅーと煙を吐いた。
いけないんだ、って… 自分だって喫煙してるじゃん。
ジミンは幼い顔のわりに タバコ吸ったり飲酒したり 何回か警察にお世話になった事もあるそうで。 タトゥーも入ってるらしくて 私生活はなかなかヤバいらしい。
あ、そうだ。 スジンの事、薦めとかなきゃ。
ホソク
ジミン
ホソク
ジミン
さっさと話題を変えたジミンは 本当にスジンに興味ないみたいだ。 言わなきゃよかった。 スジンに申し訳ない。
ジミン
ホソク
そして、ジミンが苦手なもう一つの理由。 ナムジュンの友達だから。
ナムジュンと僕の今の関係が悪くなった経緯を 知ってるのか知らないのか分からないけど 仲を取り持つために 僕に近づいてる事はバレバレだ。
ジミン自体は本当に嫌いではない。 でもこういうのには、心底うんざりする。
案の定今日も、やっぱり 話題はナムジュンだ。
ジミン
ホソク
思わず、鼻で笑った。
避けられてるみたい、って あえて避けてるんだよ…。 会いたくないから。
ムカつく。 なんでお前が、
ホソク
心の中で呟いたつもりが つい、口から出てしまった。
ジミンの視線が 横から刺さってくる。
そして、僕に向けて 煙を吐いてきた。
ホソク
何この煙、 すごい…独特な匂いする。 甘ったるい、お香みたいな。 ジミン…香水か何か付けてる?
鼻にまとわりついて なかなか取れない、変な匂い。
思い切り吸い込んでしまって ゲホゲホと咽せかえる僕に ジミンは言った。
ジミン
意味わかんない。
ホソク
他の人が灰皿として使っていたであろう 近くに落ちてた缶ジュースの空き缶の中に 吸い殻を捨てると、 ジミンを残して僕は屋上から出て行った。
ジミンがどう僕を助けてくれるっていうのか。 別にそこまで仲良くない他人で しかもナムジュンの肩を持ってる側の人だっていうのに。
ジンヒョンだけだよ。 僕を助けてくれる人は。
安いホテルの、安っぽい内装の部屋で 僕達の息遣いと、肌と肌が打ちつけ合う音が響く。
ホソク
ジンヒョンのあったかい背中に手を回すと しっとりと汗ばんでいて、 それが愛しくてぎゅうっとしがみついた。
絶え間なく襲ってくる振動と快感の波に 声を我慢せずにはいられなかった。
ホソク
自分でも恥ずかしいぐらいの甘い声が漏れると ジンヒョンが僕の唇に獣のようにむしゃぶりついた。
ジンヒョンの熱い舌は 一瞬のうちに僕の舌を捕まえて 吸い付いたり絡めたりを繰り返す。
どんどんと 気持ちが高揚してくる。
ホソク
ジン
ジンヒョンは本当に心の底から愛してる。
好きな人…愛してる人との行為は こんなに気持ちよくて、幸せなんだ。
この幸せな時間が 一生…続いて欲しい。
ホソク
ジン
ホソク
汗が滴っているジンヒョンは 余裕の無さそうな顔がすごく官能的で、格好良くて。
僕の方からジンヒョンにキスをすると 動く速度が速まって じんわりと下腹部に熱い感覚がした。
同時に、僕の頭の中も真っ白になって ジンヒョンを抱き締める腕に力が籠って きつく瞑った瞼の裏に火花が散る。
ジン
ジンヒョンは僕から体を離すと 脱力しきった様子で隣にごろんと寝転んだ。
僕はそんなヒョンの二の腕に頭を乗せると 胸に顔を寄せて体を密着させる。
ジン
ホソク
上目遣いでヒョンを見ると ちゅっと触れるだけのキスが返ってくる。
ジン
ホソク
今度は僕がジンヒョンの上に乗っかる。 どうしてだろう。
今日は凄く、凄く… シたい気分なんだ。
ホソク
そう言って胸を撫でると ジンヒョンは面白そうに笑った。