それで迎えた全中決勝
相手はテツヤの友達 だったらしい
俺達はこの日もノルマ を出していた。それは ゾロ目にすること
勿論ゲーム感覚だった
その頃ちょうどテツヤ はいなくて、戻った頃 には試合終了
111対11だったかな
俺達はノルマ達成~と 言いながらハイタッチ を交わした
戻ってきたテツヤは相手 よりも酷く傷ついた顔を していた
この時の俺はわかって いなかった
その後はいつも通りの ミーティングをして、 俺達は引退した
確かテツヤはいなかった
俺はもうバスケはいいか なぁ、と思ってたから適 当に近くの高校に通おう と思ってた
だけど青峰がどうしても お前だけは続けてくれと 懇願するもんだから
東北あたりで静かに バスケやっとくか~ なんて考えていた
さつきがみんなを苗字呼び にしてたから俺も何となく この時から苗字呼びに変え たんだっけな
この時から2ヶ月後 ぐらいだったはず
及川さん達に出会ったのは
俺は青葉城西高校のパン フレットを持って、色々 回ってた
ルカ
ルカ
ルカ
何故か「及川」という 男に惹かれてしまった
体育館の方に足を 進めると、
そこには見たことの ない景色が広がって いた
バスケとは違う匂い、バ スケとは少し違うシュー ズの擦れる音、ボールが 床に叩きつけられる音
何より声をかけあって いて、笑顔が溢れるそ のコート
それら全てに感動を覚えた
青城のするバレーは、 チームスポーツその ものだった
俺達が捨てたチーム プレイ。
一人一人が強すぎたんだ
チームスポーツは本来 助け合って勝利を勝ち 取るもの
けど俺達は一人で勝つ力 を持ってしまった
だから人を嘲笑うバスケ を当たり前にしてしまっ たんだ
及川さんのプレーを 見て、自分の過ちに 気づいてしまった
それと同時に及川さん に憧れた
及川さんのトスを受け 相手コートにボールを 叩きつける岩泉さんに 憧れた
かつての俺達もそうだった
赤司と黒子が的確な位置、 打ちやすい位置でパスをく れて、それを紫原や青峰、 俺と緑間、黄瀬、みんなで 繋いで誰かがシュートすれ ばみんなが喜ぶ
そんな当たり前のスポーツ していた俺達が酷く懐かし く思えた
気づいたら俺は泣いてた
それでも目を離すことが 出来なくて、瞬きなんか ほぼ出来なかった
試合が終わっても、まだ 体育館から出たくなくて
まだあの感動を噛み 締めていたくて
30分くらい居て、俺は いてもたってもいられな くなって黒子に電話をか けた
俺はまず謝った
今まで黒子や周りの人を踏 みつけて傷つけたこと、黒 子からバスケの楽しみを奪 ってしまったこと
黒子は泣いてた、でも 笑ってた
黒子
黒子は強い、黒子なら 絶対できると思った
黒子
その黒子の言葉に、 俺はまっすぐ返せる 勇気がなかった
黒子
そう言われ、俺はバレー がしたい。そう思った。 それを黒子に伝えると、 優しい声で言ってくれた
黒子
そう言った。その言葉で バスケの推薦を全部蹴る ことにした
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