TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

これがすべての出来事の始まりだった

中野 紗英

通話終了

通話
10:00

中野 紗英

珍しいね。お父さんからLINEなんて

中野 紗英

どうかした?

中野 紗英

てか、LINE使えるんだ

中野 伸一郎

紗英か。落ち着いて聞いてほしいんだが…

中野 紗英

うん?

中野 伸一郎

結婚相手が決まった

中野 紗英

結婚相手?誰の?いとこの遥香ちゃん?

中野 伸一郎

お前に決まってるだろ

中野 伸一郎

それに、遥香ちゃんは昨年結婚した

中野 伸一郎

もう、子どももいる

中野 伸一郎

前に伝えたはずだが

中野 紗英

そう言えば…聞いたような…

中野 紗英

えっ!?待って、待って、待って

中野 紗英

じゃあ…結婚て…

中野 紗英

嘘でしょ!

中野 伸一郎

冗談で誰がこんな事を言うんだ

中野 紗英

だって、私まだ大学生だよ

中野 紗英

教員免許も…あっ!出来れば司書免許も取ろうとしてるのに…

中野 紗英

お父さんも、賛成してくれたよね

中野 伸一郎

あの時とは状況が変わったんだ

中野 紗英

そんな事、私には関係なくない?

中野 伸一郎

関係あるだろ。家族なんだから

中野 伸一郎

実は、会社の経営が上手くいっていない

中野 伸一郎

このままだと近いうちに閉めなきゃならん

中野 紗英

えっ…

中野 紗英

閉める…

中野 紗英

それって倒産てこと!?

中野 伸一郎

まぁ…そういう事になるな

中野 紗英

それってかなりヤバいんじゃ…

中野 伸一郎

だから、こうやって連絡してるんだろ

中野 紗英

お父さん、悪いんだけど続きは今度にしてもらってもいいかな?

中野 紗英

頭が…混乱してる

中野 伸一郎

とりあえず、一度家に帰ってきなさい

中野 伸一郎

お前にとっても良い話だ

中野 伸一郎

分かったな

中野 紗英

落ち着け、落ち着くのよ私

中野 紗英

こういう時はお気に入りの入浴剤入れて

中野 紗英

お風呂に入ったら…

中野 紗英

リラックスして

中野 紗英

いいアイデアの一つくらい…

中野 紗英

ぜーったい思いつくから

中野 紗英

中野 紗英

そもそも、なんで会社の経営と私の結婚が関係あるわけ!?

中野 紗英

こっちに来る時は

中野 紗英

紗英の人生だ。好きにやりなさい。とか言ってたくせに

中野 紗英

勝手なのよ!いつも

中野 紗英

中野 紗英

まさか、政略結婚!!!

中野 紗英

私を結婚させて、相手方に経営資金を援助させる

中野 紗英

きっとそう

中野 紗英

間違いない!

中野 紗英

そうなると、相手は親会社の息子

中野 紗英

もしくは、金融関係?

中野 紗英

今って、令和よね?

中野 紗英

そんな、昔みたいな話ある?

中野 紗英

あるか。ここに

中野 紗英

それに、なんでこのシャンプー泡立たないの!?

中野 紗英

トリートメントで髪、洗っちゃった!

中野 紗英

どうしてこうなるのよ

中野 紗英

中野 紗英

…こんな状況で冷静でいる方が無理。よね

中野 紗英

たぶん

中野 紗英

もうお父さんは、あてにできない

中野 紗英

だったら、卒業するまで、大学の学費と家賃を自分でどうにかしたら…

中野 紗英

バイトの掛け持ちは?

中野 紗英

朝と夜で

中野 紗英

大学に行く時間が確保できない。か

中野 紗英

それに、行けたとしても起きている自信がない

中野 紗英

じゃ、じゃあ短時間で、時給がいいバイトなら…

中野 紗英

♪̊̈♪̆̈♪̊̈ ♪̆̈♪̊̈♪̆̈ 高収入!

中野 紗英

中野 紗英

世の中そんなに甘くないか…

中野 紗英

はぁ〜

中野 紗英

私…これからどうしたらいいの?

中野 紗英

とりあえず、帰って話だけでも聞いてみよう。かな

中野 紗英

まずは、状況把握

中野 紗英

そこから考えても遅くないよね

中野 伸一郎

やっと帰ってきたか

中野 伸一郎

親の一大事には、飛んで帰って来るものだと思っていたが

中野 伸一郎

にしても…ずいぶん身軽だな

中野 伸一郎

荷物は?

中野 紗英

ちょっと待って。私はただ話を聞きに来ただけで

中野 紗英

結婚するなんて一言も

中野 伸一郎

もう、話しは通してある

中野 紗英

はっ!?

中野 伸一郎

たいそう喜んでくれてな

中野 伸一郎

ぜひ、早く進めたいと

中野 伸一郎

これで、会社は安泰

中野 伸一郎

お前も嫁に行き遅れなくてすむ

中野 伸一郎

いい事だらけだ

中野 紗英

お父さん!

中野 紗英

勝手に決めないでくれる?

中野 伸一郎

お前に任せていたら、いつになるか分からん

中野 伸一郎

いいか紗英

中野 伸一郎

この結婚には、うちの会社と働いてくれている方々の運命がかかっているんだ

中野 紗英

そんな大袈裟な

中野 伸一郎

大袈裟?

中野 伸一郎

突然、路頭にまようかもしれないんだぞ

中野 伸一郎

お前は、暮らしていけるのか?

中野 紗英

一つ聞いてもいい?

中野 紗英

ごめん。いくつか聞いてもいい?

中野 伸一郎

なんだ

中野 紗英

お父さんまさか、愛人とかいたりしないよね

中野 伸一郎

突然何を言い出すんだ

中野 紗英

お母さんが亡くなってから、だいぶ経つし

中野 紗英

もしかして…好きな人が出来たのかもと思って

中野 伸一郎

中野 紗英

いるの!?好きな人!!!

中野 紗英

それで、会社のお金使って貢いじゃった。とか?

中野 伸一郎

そんな事はしてない

中野 伸一郎

ただ、この不景気で商品が売れないんだ

中野 伸一郎

これ以上赤字を増やすわけにはいかん

中野 紗英

でも、愛人はいる。と…

中野 伸一郎

愛人じゃない

中野 伸一郎

結婚を前提にお付き合いさせてもらっている

中野 紗英

えー!!!!!

中野 紗英

ダメだ。目眩してきた

頑張れ、頑張ってわたし

中野 紗英

それで、私は誰を紹介されるの?

中野 紗英

ただ、まだ結婚するとは言ってないから

中野 伸一郎

そうだ。写真を預かっていてな

中野 紗英

いっ、今の時代にお見合い写真!!!

中野 伸一郎

北川陸くん。27歳

中野 伸一郎

東京の大学を卒業して、今は実家の事業を手伝っている

中野 伸一郎

どうだ?ハンサムだろ

中野 伸一郎

しかも、未来の社長だ

中野 伸一郎

お前も好きな事をして暮らしていけるだろうし

中野 伸一郎

習い事なんかどうだ?

中野 伸一郎

料理とか

中野 紗英

古っ!

中野 伸一郎

何か言ったか?

中野 紗英

いいえ

中野 紗英

それよりこの方、私より6つも歳上ですが…

中野 伸一郎

頼りがいがあっていいじゃないか

中野 紗英

つまり

中野 紗英

私が結婚すれば、北川さんの会社から援助を受けられ

中野 紗英

邪魔者がいなくなったお父さんは再婚と…

中野 紗英

こういうシナリオなの?

中野 伸一郎

邪魔者だなんて言ってないじゃないか

中野 紗英

言ってるのよ。遠回しに!

中野 紗英

最低

中野 紗英

今日は帰る

中野 伸一郎

顔合わせの日取りは、また連絡する

中野 伸一郎

それまでに、退学届の用意と引越し業者の手配、忘れずにな

中野 伸一郎

それから、もし付き合っている男がいたら、きちんと別れておくこと

中野 伸一郎

紗英!聞いているのか?

中野 伸一郎

紗英!

中野 紗英

政略結婚なのに溺愛されすぎている件について

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

103

コメント

3

ユーザー

遅くなりました、また楽しませてもらいます!

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚