ある日、私は 精神科医で、
お医者様
…城山さん、もう入院
しましょう。
しましょう。
城山 栞里(しおり)
…え?どうして
ですか?
ですか?
お医者様
どうしてここまで
酷いんですか?
酷いんですか?
城山 栞里(しおり)
…え…どういう意味ですか?
お医者様
あなた、今持っている精神病が
さらに酷くなってますよ。
さらに酷くなってますよ。
お医者様
これは1日点滴じゃ
無理なほど…
無理なほど…
城山 栞里(しおり)
え?精神病って
なんですか?
なんですか?
お医者様
あなた…そろそろ現実と
向き合ってください。
向き合ってください。
お医者様
あなたは今完全に
現実逃避してる。
現実逃避してる。
お医者様
それに、精神病の話は
5年も前に言いましたよ。
5年も前に言いましたよ。
城山 栞里(しおり)
え…そんなの知らない…
そんなの知らない… そんなの知らない… そんなの知らない…
私は精神病なんかじゃない…! 私は精神病なんかじゃない…! 私は精神病なんかじゃない…!
私は正常だもん! 精神なんか崩壊してない! 現実と向き合ってる!
お医者様
城山さん!!!
城山 栞里(しおり)
…がうもん…
お医者様
…え?
城山 栞里(しおり)
そんなの
知らないもん!!!!!
知らないもん!!!!!
ガシャーン!
ビリビリ! バキバキバキバキッ!
看護師さん
きゃぁーーー!!!!
お医者様
誰か!城山さんを止めて!
お医者様
このままじゃ、
他の患者さんが…!!
他の患者さんが…!!
城山 栞里(しおり)
違う!!!!!
城山 栞里(しおり)
私は現実と向き合ってるもん!
城山 栞里(しおり)
この病院は嘘つきだ!
城山 栞里(しおり)
こんな病院…
ぶっ壊してやる!!!!!
ぶっ壊してやる!!!!!
患者さん
きゃああ!!!!!
患者さん
誰か!誰か助けてください!!!!!
お医者様
城山さん!!!
やっと抑えた!
やっと抑えた!
城山 栞里(しおり)
はなせぇ!
ぶっ殺してる!
ぶっ殺してる!
お医者様
落ち着いてください!
看護師さん
鎮静剤を打ちます!!
看護師さん
城山さん!!!
じっとしてください!
じっとしてください!
城山 栞里(しおり)
ハナセェ…
はなせ!
はなせ!
プスッ!
城山 栞里(しおり)
はな…せ…
気がついたら、 病室だった…
城山 栞里(しおり)
…あれ?
なんで病室に…
なんで病室に…
看護師さん
あ、城山さん起きましたか?
城山 栞里(しおり)
…?はい…
看護師さん
さっきまでの話をします。
看護師さん
城山さんは先程
病院を大暴れしだしたんです。
病院を大暴れしだしたんです。
城山 栞里(しおり)
……え?
城山 栞里(しおり)
え?全然記憶がない…
看護師さん
鎮静剤で落ち着かせたら、
気を失って…そこから、
病室に移しました。
気を失って…そこから、
病室に移しました。
城山 栞里(しおり)
…あれ?動かない…?
城山 栞里(しおり)
!?拘束されている!?
看護師さん
しばらくの間、申し訳ないですが、
拘束します。
拘束します。
看護師さん
それでは失礼します。
城山 栞里(しおり)
え!?ちょ…
城山 栞里(しおり)
……
動けないから テレビも見れないじゃん…
…右手になんか 握ってるし… 何これ?ナースコールかな?
城山 栞里(しおり)
……動けない
城山 栞里(しおり)
寝返りうてないから
悲し…
悲し…
城山 栞里(しおり)
………
城山 栞里(しおり)
……私…現実逃避…
してんのかな…?
してんのかな…?
続く