薫る花はいつでも綺麗だった。

俺は涙を流した

涙を流すなんて何年ぶりだろう…

そして今本音を伝える

やっと、俺は誰かに思われた

誰かに愛された

やっと未完成だったものが完成へと繋がる

誰かが俺を愛してくれた…

それだけで……俺の心は救われた

「今の俺は1人じゃない」

過去の自分にそう言ってやりたい…

そのとき、俺は自分のポケットから小型刃物を出した

その声はちゃんと耳に届いていた

それも聞かず、俺は自分の胸に刃物を刺した

俺は力が限界でその場に倒れた

次々に俺は吐血した

刺死っていうのはこんなにもきついのか

これだけは言いたかった

最後死ぬ前の言葉

「母さん何で愛してくれなかったの？」

俺が一番口に出したかった言葉

これを言えたなら…俺は死んでいい

俺は耐えきれず目を閉じた

慎司君は息絶えた

一瞬のことだった

オッドアイの綺麗な目も今は開かない

僕は泣き崩れた

外にはいい薫りのパンジーが咲いていた

次回(最終話)に続く