rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ R18⚠️ モブ×黈⚠️ 黈様受け⚠️ 花魁パロ
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10,黈羽の初見世
夜の吉原。
月明かりの下、提灯の赤がぼんやりと揺れている。
大門の内側は変わらず華やかだったが、黈羽の胸の内は波立っていた。
――今夜が、自分の初見世。
吟羽屋の奥座敷。
淡い藍に金糸の入った打掛を纏い、白粉を引いた顔を鏡に映す。
紅を差した唇は小刻みに震え、指先も落ち着かない。
黈羽
ぽつりと零した声は、誰に聞かせるでもなかった。
紅鶴、蒼霞、茈月、桃李、翠嵐――仲間たちはみな、恐怖や緊張を抱えながらもやり遂げた。
残るは自分ひとり。
逃げ場はない。
襖がすっと開き、師匠の女が微笑んだ。
黈羽
素直に頷くと、女は
と囁いた。
格子が開かれた瞬間、ざわめきが走った。
注がれる視線に、喉が渇く。
それでも黈羽は、震えを押し隠し、そっと腰を下ろした。
視線を逸らしそうになるたびに、師匠の言葉を思い出す。
――そのままでいい、と。
客たちの声が耳に届き、胸が熱くなる。
やがて、一人の男が声を上げた。
呼んだのは、商家の番頭を務めるという三十前後の男。
気取ったところのない穏やかな笑みを浮かべている。
その言葉に、黈羽の胸はさらに早鐘を打った。
座敷。
屏風には秋草の絵。
香は控えめで、落ち着いた空気が漂う。
男は盃を差し出し、にこやかに言った。
黈羽は両手で盃を受け取り、慎重に口をつける。
喉を通る酒にむせかけ、思わず咳き込んだ。
黈羽
黈羽
その様子に、男は笑う。
その言葉に、胸がじんわり温まる。
――この人なら、大丈夫かもしれない。
少しずつ盃を重ねるうちに、硬さが解けていった。
黈羽
素直に打ち明けると、男は目を細めた。
やがて、男の手が黈羽の肩に触れた。
びくりと震え、息を呑む。
黈羽
黈羽
その答えに、男は微笑んだ。
打掛が静かに解かれ、白い肌が月明かりに晒される。
黈羽は瞼を伏せ、ぎゅっと畳を掴んだ。
黈羽
黈羽
声を堪える唇から、微かな吐息が漏れる。
黈羽
震える声で懇願すると、男は驚いたように目を見開き、やがてそっと抱き寄せた。
その囁きに、張り詰めていた心がほどける。
黈羽
涙のような吐息が零れ、細い肩が小さく震えた。
灯が落ち、夜が深まる。
幾度かの囁きと吐息のあと、静寂が訪れた。
黈羽
黈羽は乱れた衣を整えながら、深く息をついた。
胸はまだ高鳴っていたが、不思議と後悔はなかった。
男が優しく問う。
黈羽は小さく頷いた。
黈羽
黈羽
その言葉が胸に沁み、黈羽は初めて笑みを浮かべた。
裏通り。
六人が再び顔を合わせる。
桃李
らんが興味津々で覗き込む。
黈羽
黈羽
みことが小さく答えると、いるまが扇をぱたぱたと煽りながら笑った。
茈月
茈月
翠嵐
蒼霞
すちが口元を緩め、こさめは静かに頷いた。
なつが最後に言った。
紅鶴
紅鶴
その言葉に、みことはぎゅっと拳を握った。
怖さも不安も残っている。
けれど仲間と共に、この吉原で生き抜いていこう――そう強く思えた。
──黈羽の初見世は、儚さの中に確かな芯を見せ、静かに幕を閉じた。
10・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡110
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