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コメント
11件
パパやばいな碧くん可哀想すぎる😭
うわぁこれからどうなる…? 気になる! 見つけてくれるのだろうか…? て言うか明日から(8月19日)から また塾が始まる……だるい 来世はもう来ないからね~
アイコンのもも透明感ありすぎません!?めっちゃかわいいです🫶🏻続き楽しみにしてます!
部屋の天井を見上げていた
暗闇に浮かぶ白い模様を、ただ追いかける
ベッドに横になっても、目は冴えたまま
心臓の音が、まだ落ち着かない
碧
隼人の声が、耳の奥に何度も蘇る
冗談みたいに、笑い飛ばされただけ
なのに、どうしてだろう
胸の奥がじんじん熱くて、呼吸が浅くなる
本当は、ちゃんと伝えたかった
ただ「一緒にいたい」って、言っただけなのに
――バカみたいだ
シーツの上で拳をぎゅっと握る
手のひらの熱に、自分の幼さを突きつけられる
碧
呟いて、顔を枕に埋める
滲んだ視界が、布に吸い込まれていった
それでも
思い出すのは、煙草の煙ごしに見た横顔
涼しげな目。少し低い声
大人の余裕
――全部、ずるい
碧
言葉にしてしまえば、ますます苦しくなる
止めようとしても止まらない
やっと目を閉じたとき、頬に残っていたのは涙の跡だった
クラスメイト
教室に入ると、すぐに声をかけられる
いつも通りの友達の笑顔
碧も笑い返す
それが当たり前だから
クラスメイト
碧
軽口を叩いて、笑いを混ぜる
周囲の空気に合わせるのは得意だ
誰にも“違和感”を悟られないように
――でも
教科書を開いた瞬間、文字が頭に入ってこない
昨夜の声が、何度も何度も響く
「ガキが何言ってんだよ」
笑い飛ばした低い声
けれどその笑みの奥に、ほんの一瞬だけ影が差した気がした
本当に、ただの冗談だったのか――
クラスメイト
碧
友達の言葉に慌てて笑ってみせる
大丈夫、何も考えてないフリ
平然としているフリ
心の中では、隼人の姿ばかり追っているのに
放課後、窓から差し込む光の中で思う
――今日もまた、あの店の近くを通ってしまうんだろうな
そうは思ったものの、流石にやばいと思い、家に真っ直ぐ帰ることにした
あの人にハマってしまったら終わり
そう言い聞かせて
玄関を開けると、昨日と同じ匂いが鼻をつく
埃と酒と、父さんの汗の匂い
父
低く呟く声
振り返ると、テーブルの上に瓶が転がっていた
父さんは椅子に座り、こちらをちらりとも見ない
父
反抗心を抑えて、俺は小さくうなずく
何も言わずに自分の部屋に行こうとした瞬間、父さんの手がテーブルを叩く
父
その手が伸びる
机の角で頭をぶつけた衝撃が痛い
思わず後ずさる
碧
父
振りかざされた拳が、肩をかすめる
息が詰まる
痛いとか怖いとか、そんな言葉じゃ足りない
心臓が押し潰されそうで、涙が勝手に溢れる
――やめて、逃げたい
ここにいても守ってくれる人はいない
荷物をまとめることもできず、ただ靴を履く
夜の街に出れば、少しでも安全を感じられるかもしれない
呼吸を整えながら、足は自然に昨日の店の方向に向かっていた
入る勇気はない
でも、どこかで待っていてくれるかもしれない
――隼人のところに
冷たい風が顔をかすめる
胸の奥にぽっかり穴が開いて、そこに隼人の顔が浮かぶ
足は止まらない
碧
小さく呟き、暗闇に溶けるように歩いた
だいふく
だいふく