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もーすぐクリスマスかぁ...

窓の外を眺めても、そこからは見慣れた庭しか見る事が出来ない

この部屋には5年と3ヶ月と21日の思い出がある

何の記憶も無い日もあるけど

庭ではしゃぐ子供たちを、看護師さんが近くで見守っている

子供たちは皆お揃いの白い服を着ていて、4階にあるこの部屋からでは個々の見分けがイマイチつかない

けれど皆楽しそうで、見てるこっちも口元が緩む

...

良いなぁ

ポツリと呟いた言葉は、突然開いたドアの音で掻き消された

ーガラガラガラガラー

遊!

入ってきたのは、うざいくらいに満面の笑みを浮かべた幼馴染みだった

外で遊ぶ子供たちに負けない元気な声を、こんな狭い部屋で響かされたらたまったもんじゃない

うるさい声に若干身体を仰け反らせ、じとりと幼馴染みを見詰める

夜、うるさい

えぇー?

ごめんごめん

ガサゴソと手にしていたレジ袋を漁る夜には、全くと言っていい程反省の色が見えなかった

こうやって来てくれるのは嬉しいけれど、煩いのは頭に響くから辞めて頂きたい

と何度言っても夜は聞きやしない

差し出されたミカンを剥き、半分に割って夜へ渡す

すると夜はそれを受け取り、もう一個のミカンを同じように剥いて割ってこちらへ寄越した

これで半分こ!

半分あげた意味無いじゃん...

良いの!

夜は嬉しそうにミカンを頬張る

あっとゆう間にミカンを平らげた夜はぐるりと部屋を見回し、ある一点で視線を止めた

...

カレンダー

めくるのやめたんだね...

あー、うん

自分でめくんなくても、誰かがめくってくれるし

夜が気にしていたのは、どうやら一昨日の日付のままになっているカレンダーだったようだ

正直、カレンダー1枚をめくる為にわざわざベッドから起きるのは面倒臭い

夜はリハビリにって言ってたけど、そもそも完治してないのにリハビリなんて意味あるのだろうか

それに、ベッドから目の前の壁までってリハビリにしたって簡単すぎだ

カレンダーをベリベリと2枚まくり、夜はベッドに腰掛けた

ありがと、夜

...遊

何か欲しい物ある?

買ってくるよ!

何だか寂しそうな表情してるなぁと思ったら、今度はニッコリ笑顔を見せる夜

相変わらず忙しい幼馴染みに、冗談で「煙草!」なんて言ったら「絶対ダメ!」って怒られた

何も無いよ

無いのー?

なーい!

そっか!

夜は笑って「トイレ!」と部屋を出て行く

そんな後ろ姿を眺めながら、心の中でまた願う

神様どうか

私の命は奪っても

夜の笑顔だけは奪わないでね

〜fin〜

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