俺達の間に出来た秘密の子供

子供表現注意 nunmm注意 地雷の方はお戻りください 大丈夫な方は ぜひ楽しんでください！ 本人様とは関係ありません

次はー○○駅ー

ガチャ🚪

えな、大きくなったな

いつの間にこんなに重くなったんやろ…

やっぱりそうなるよな…

黙って逃げてきたなんて言えるわけない

きっとまた会えるか……

えなに誤魔化すために出てきた言葉 なのに

何故か自分に言っているようだった

次いつ会えるかも分からないのに

約束か……

俺達はいつも通りの日を過ごした

まるで昨日のことが夢のよう だったかのように

2人だけのいつも通りの日

そしてその日は

公式放送の日

けど、やらない訳にもいかない

ﾋﾟｺﾝｯ

やっぱりな……

苦しまぎれに出た嘘の言い訳

信じてもらえるだろうか…

いや、信じてもらわへんと

万が一バレるような事になったら 大変や

何とか信じて貰えたようやな

あとはできるだけ話をそらさないと

放送終了後

どうしても…

あの時のことが頭から離れない

このまま

このまま生活するなら

この子は一生父親を知らないまま 生きていくんだろうか

でも、怖い

父親を教えるということは

紫くんやみんなにも言う必要が あるということだ

だけど……

このままでは この子のためになっているのか…

ダメや

弱気になってる暇は無い

この子は俺しかいないんやから

今は俺が守ってあげへんと

この子が大人になったら

自分で歩いて自分の人生を楽しんで もらえるように

そんな子に育ってくれること

それが今の俺に出来ることや

それからさらに時は流れて 半年がたった

えなは4歳になった

公式放送終了後

落ち着こう

いや、これは普通や

大体は毎年ライブはやっていた

俺のせいでライブがなかっただけや…

それに、

そろそろライブをしないと 待ってくれているリスナーもいる

リスナーを喜ばせるのが 俺たちの喜びにもなる

ライブという事は

長い間練習する事になる

最初は離れて練習できたとしても

最低本番１ヶ月前は皆といないと 練習ができない

けど、俺以外にえなを知っている人は メンバーくらいだ

つまり、どこにも預けることが出来ない

それに

そんなに長い間 みんなといることが出来るのだろうか

今まで離れていたのに

それに、万が一にも

えなの事がバレたりしたら

この間も何回か危ない場面があった

今回、何も無いとは考えられへん

長い間一緒にいるとなれば尚更や

そう言えば…

あの時も

ライブがあった日だったな…

本当に長い時間がたったんやな…

なんて悩んでいたら

数ヶ月が過ぎた

ここ数ヶ月はオンラインで 練習していた

来週から東京に行って 1ヶ月程度練習する事になる

こんな形で半年前の 約束を果たすことになるとは…

えなは連れていくことにした

言い訳も考えてはいる……

大丈夫

大丈夫

それにせっかくのライブや

楽しもう！

行ってきます！

外はすっかり夕方になっていた

どんな事があっても

大好きな人達には会いたくなるんやなぁ

少しだけ

少しだけ

自分の気持ちに素直になることを 許してください

ガチャ🚪

やっぱり聞かれるよな

落ち着いて言えてたのだろうか

早口になっていなかったか

みんなに怪しまれなかったか

緊張する…

どうか信じてくれますように…！

頭の中はパニックだった

かなり緊張したんだろう

安心した瞬間気が抜けて 足がよろけてしまった

チャンスや！

今はここから抜け出さないと

普段こんなにわがまま言わへんのに

やっぱりいつも……

寂しいんかな…

ホテル

この言い方は脅しに近いから あまり言いたくは無いけど

バレてしまうのだけは 絶対にさけたい

練習が始まって 4日たった

ある日

練習を始めた 1週間後

ピピピピピピッ

いや、今休んだら練習が…

でも、みんなにうつしてしまうのも 大変や

でも、えな1人で誰かに預けるのは 危険や……

〜〜〜〜〜〜♪

やばい

えな……離れて…

意識が………………

誰や………？

でも……なんでやろ……

…もの…すごく……落ち着く………

…懐かしい……な

でも倒れたあとうっすら覚えている あの懐かしくて落ち着く感じ…

ガチャ🚪

冷たい冬の北風が

チクチクと皮膚を攻撃してくる

何故だろう

胸騒ぎがする…

いや、きっと気のせいや

寒いからだろう

そうであって欲しい

なんて

呑気に考えていると

まるで北風が嵐に変わるように

なんの前触れもなく

突然の事だった

橙と紫くんの 子供だろ？