-sha side-
俺には誰も知らない秘密がある。
シャークん
近くで寝ている人の夢の中に入ることが出来るのだ。
シャークん
夢の中は曖昧で不安定で
でもその人の思考や願望が反映されていて面白い。
行き先を自分で選ぶことは出来ないけれど
大抵ワイテルズのメンバーだから心配は無いだろう。
そう、思っていたのに…。
ぐちつぼ
らっだぁ
Nakamu
今日はeoheohさん主催のスキー、スノボ旅行へ来ていた。
初心者組に教えつつ良い画も撮れて、それから風呂に入り鍋を囲んで、食後はのんびりアナログゲーム。
ぐちつぼさんが溜めていたカードが全てらっだぁさんに移り見事に逆転勝利した所だ。
FB777
eoheoh
鬱
赤髪のとも
確かに明日も滑る予定だし、名残惜しいけど今日はもう寝た方が良いだろう。
ぴくと
しにがみ
シャークん
各々ベッドに入り夢の中へ落ちていく。
俺は当然の様にNakamuの夢に入り込むつもりでいた。
ゆっくりと目を開く。
暗くて見えづらいけれど、此処は今回の旅行で借りている宿だ。
直前の記憶が夢に反映されたのだろう。
ベッドに横たわる人影を見つけ、夢の中でも寝るなんて相当遊び疲れたんだなと近づく。
シャークん
こっそり布団を捲り寝顔を覗いて驚いた。
Nakamuだと思っていたその人はらっだぁさんだったのだ。
シャークん
らっだぁ
シャークん
声量は抑えたつもりだったが独り言が聞こえたのからっだぁさんがモゾモゾと動く。
もし起きた時に夢の内容を覚えていたとしたら面倒だ。
バレる前に退散するのが良いだろう。
しかし俺が出ていくより先に腕を掴まれてしまった。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
なんだろう。
いつもより声のトーンが優しい。
それに「会いに来たんでしょ」って。
俺が他人の夢に渡れることはワイテルズのメンバーも知らないことなのに。
そう戸惑っていると、グイと腕を引かれベッドに上がらされた。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
らっだぁさんは離すどころかまるで恋人にでもする様に俺を胸に抱き足を絡めてきた。
いや、もしかして。
この夢の世界では俺とらっだぁさんは…。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
夢にはその人の願いが含まれることがある。
つまりらっだぁさんは俺のことが好き?
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
お尻を揉まれたかと思えば唇が重なり、理解も追いつかずに体温だけが上昇していく。
服の中に手が侵入してきて、唾液を飲み込めないほどキスも深くなってきて。
ぼうっとしてくる頭でひたすらに願う。
早く、早く、早く。
目を覚まして。
顔を横に向ければ、少し離れた先のベッドでNakamuが寝ていた。
夢から出られた。
ということは、らっだぁさんが目を覚ましたのか。
シャークん
キスしてしまった。
らっだぁさんの気持ちを知ってしまった。
シャークん
どうしよう。
しにがみ
赤髪のとも
ぴくと
鬱
eoheoh
阿鼻叫喚な初心者の指導もそこそこに、前を滑るNakamuを追う。
FB777
Nakamu
金豚きょー
ビクリと肩が跳ねる。
Nakamu
金豚きょー
FB777
Nakamu
FB777
シャークん
正直調子はあまり良くない。
らっだぁさんの姿を見ると、声を聞くと、心臓が跳ね上がる。
だから成る可く別行動を取るようにしているが、こうして名前を出されただけで動揺してしまうだなんて重症だ。
スノーボードなんて集中できるはずが無い。
金豚きょー
Nakamu
FB777
シャークん
Nakamu
金豚きょー
シャークん
FB777
やってしまった。
滑り出しに失敗した俺は大きく転倒。
その拍子に足を捻ってしまったらしい。
ここは何処だろう。
見覚えがあるような、ないような公園。
らっだぁ
突然声をかけられて、振り返ると何だか悲しそうな表情のらっだぁさんが居た。
らっだぁ
嫌な予感がして応えようとしたけれど声が出ない。
らっだぁ
背を向けるらっだぁさんを追いかけようとしたけれど足が動かない。
らっだぁ
次から次へと涙が溢れて、それでもらっだぁさんは歩みを止めない。
嫌だ。
待って。
違う。
俺は。
俺は?
俺は…何?
らっだぁ
シャークん
気が付けばスキー場の隅のベンチに座っていた。
去ってしまったはずのらっだぁさんが俺を見下ろす。
らっだぁ
シャークん
混乱する頭で思い出す。
そうだ、足を捻ってNakamu達にベンチまで連れてきてもらったんだ。
その後に寝てしまったらしい。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
何となく居心地が悪くて手元を見つめていると珍しく遠慮がちな声がした。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
咄嗟に出た嘘の言葉はあっさり見破られてしまって、昨晩の夢を思い出す。
冷たい風に晒された頬はきっと赤く染まっていることだろう。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
謝るだけ謝って立ち去ろうとするらっだぁさんを思わず立ち上がり呼び止める。
ここは夢じゃない。
震えるけど声が出る。
痛いけど足も動く。
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
目の前に立つらっだぁさんは眉を下げて、でも嬉しそうな顔をして、俺の肩に手を乗せた。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
期待に満ちた瞳がたっぷり時間をかけて降りてくる。
俺は…。
らっだぁさんが、好きなんだ。
END
コメント
2件
シャケさんが嘘つくの下手なのがめちゃくちゃいい...!そして何より夢に入ってる時にキスしたのがとても好き‼︎