TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

つづき

お母さんは、凄く教育熱心な人でした。

お父さんが亡くなってお金もないはずなのに、

僕に色んな習い事をさせてくれました。

僕も、お母さんの期待に応えようと必死でした。

僕はお母さんが作ったものを食べて、

お母さんが進めた学校に行って、

お母さんに認められた人とだけ関わりを持ちました。

お母さんは、僕に対しては厳しかったのですが、

対照的に、妹に対しては放任的で、

妹からすれば、それがとても気楽だったみたいで、

妹は、僕に全てを背負わせてしまったことを気にしてるようですが、

...当時の僕には、辛いなとか、嫌だなって言う感情はありませんでした。

それが当たり前だったから。

僕のすべては、お母さんで形成されてたんです。

でも、そのお母さんが亡くなってしまって、ようやく気がついたんです。

僕に、何も残っていないことに。

Ama.

......

......あっ、

...ごめんなさい

こんな暗い話...

落ち込む麦の姿を見て、

俺は、活動が辛くて逃げ出したくなった時に、

支えてくれる人達の顔を思い浮かべた。

Ama.

麦さんは、お母さんの事が大好きだったんだね。

えっ?

麦が驚いた表情で俺を見つめる。

Ama.

好きじゃなかったら、そんなに頑張れないよ。

Ama.

麦は好きな事を一生懸命やってきたんだよ。

Ama.

それは、しっかり残ってると思う。

そっか...

そうかもしんないです。

過ぎた時間は戻ってこない。

だから、今までの事が全部無駄だったなんて、麦に思って欲しくない。

俺がこむに出会って変わったように、

俺の言葉が、麦の考え方を変えるきっかけになればいいと思った。

Ama.

だからさ、

Ama.

新しく好きな事が見つかれば、

Ama.

きっとまた、頑張れるんだと思う。

俺の言葉を聞いた麦の表情が、

少しだけ、和らいだ気がした。

...不思議です。

あまさんにそう言われると、頑張れる気がする、

Ama.

そっか...

Ama.

あ、後は、

Ama.

素直に、嬉しかったかな、

嬉しい...ですか?

Ama.

うん。

Ama.

むぎさんのことが知れて。

Ama.

相手の事を知るとさ、その人の人生も自分の1部になったみたいでさ、

Ama.

一緒に生きてる感じするって言うか、

Ama.

...あの子は、

Ama.

子麦粉は、自分の事あんま話してくれなかったから、

......ふーん、

僕を部屋に入れて置いて、別の子の話をするなんて、

最低ですね

Ama.

うっ...

確かに...

言われてみれば結構失礼だな...

あはは...w

冗談ですよ!

...ありがとうございます。

お話、聞いてくれて。

麦と出会い、就活のアドバイスをするようになってから、2ヶ月が過ぎようとしていた。

俺は彼女に呼び出され、駅近くの通りを1人歩いていた。

麦は先日、小さな会社の事務職の内定を貰ったらしい。

でも、自分の本当にやりたいことなのか、

このまま就職していいのか、

まだ、決め兼ねてるようだった。

俺は、麦の力になれている事が素直に嬉しかった。

Ama.

(きっと、この気持ちなんだろうな、)

麦と一緒にいると、加入し始めた頃の自分に戻れたような気がして、

それが、俺にとっては少し心地よかった。

あまさん、こっちですよ!

麦が俺に手を振りながら近づいてくる。

その姿は、初めて会った時とはまるで別人で、

Ama.

(随分信用されてたんだな、)

俺らは、2人並んで歩き始める。

Ama.

就活は順調?

はい、あまさんのおかげで。

Ama.

俺何もしてないよ...w

そんなことないですよ!

前にもお話しましたけど、

僕、就職の事を相談出来る相手が周りに居なくて、

だから、本当に助かってるんですよ?

Ama.

そっか...

はい、

......

麦が突然呼び出した理由を、俺は中々聞き出せずにいた。

話を聞いたら、何かが大きく変わってしまう気がしたから。

それが、自分の聞きたかった事のはずなのに

不思議と、自ら話を切り出そうという気にはなれなかった。

人混みの少ない路地に入ったところで、

麦が小さく身震いをした。

少し、寒くなってきましたね、

Ama.

そう...だね、

麦は手に持っていたコートを羽織ると、俺の方を向く。

そしてそのまま...

loading

この作品はいかがでしたか?

200

コメント

2

ユーザー

200ハート押しときましたよ😁

ユーザー

良いですね〜

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚