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悠佑
リビングにある紺色のソファに 座りながら、俺は彼氏の帰宅を 待っていた
悠佑
知っている、知っているんだ本当は
悠佑
香水の甘ったるい気持ち悪い匂い 紛れもない、女の匂い
悠佑
ピロンッ、と通知音が鳴ったため、 ほんの少しの期待と絶望を予感 しながらメールを開いた
悠佑
悠佑
冷め切った二人分のご飯を 眺めながらそう呟いた
悠佑
何時間も待って、期待して、 ご飯作って、少し部屋も綺麗にして、 馬鹿だなって、おもうんだ
悠佑
それでも彼が好きやから。
悠佑
きっと、良い日になるさ
悠佑
冷め切ったご飯は 美味しいとは思えなかった
俺たちが最初会ったのは会社で、 今は同棲している。 あっちは多分同居だと思ってるの だろうけれど
ないこ
悠佑
まるでどちらでも構わないみたいな、 そんな反応をされた。そんな態度で 悲しくなるほど弱っている。
ないこ
悠佑
ないこ
知ってる、俺は分かってる。
ないこ
コイツは人の気持ちを利用して 使うだけ使って捨てることも、 体の相性が良い相手のことは、 なるだけ手放したくないことも。
悠佑
悠佑
ただ呆れとるだけやから
ないこ
甘い、甘い女の匂いが漂って 部屋の中に溜まっていく。
ないこ
悠佑
そんなことしたって、 誤魔化せやしない
悠佑
俺への愛はナイものねだりなのだと 分かってしまったから
悠佑
君への愛は本物で 解けることのない呪縛なのだと 知ってしまったから
悠佑
君の目の前で迎えたいな
そんなことを思う俺は 頭が相当イカれてるのだと、 でもそれが間違いだと思わないだろう
悠佑
明日、明後日の日付と曜日を 確認しながら俺は考えた。
悠佑
死んじゃえば良いなんて言葉は 聞き飽きていたから、 俺一人死んだって構わない
悠佑
地球はちゃんと回り続けるから
ないこ
悠佑
シャワーを浴び終わったないこは 俺に近づいて、耳元で囁いた
ないこ
やっぱり今日はヤる日やったみたいや
悠佑
これで最後やから
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
そう決してそんなものではない 積極的なんて言葉では足りないほど 俺は君を、
悠佑
ないこ
そうして俺はベッドへとないこと 二人、沈んでいった
ヒュゥゥゥ…
悠佑
ビルの屋上、一人立っていた。
悠佑
20階建てのビル、俺たちが住んでる マンションの屋上だ。 もちろん3メートルほどのフェンスも 立てかけてある。
悠佑
悠佑
虚を映す瞳にはきっともう 何も届かないだろう。
ないこにどんな方法でも良い
悠佑
「歪んでいる」
きっと他人はそういう愛のカタチ
悠佑
狂気も歪みも恐怖も愛情も 何一つ、俺の心にはないのやから!
フェンスを登って、向こう側にいく 気持ちの良い風が頬を撫でた
悠佑
一つのメールを送り、足を踏み出した
君の心に俺は残ったのやろうか
悠佑
残るわけナイさ!!