貴方の涙の奇跡。

消えちゃいそうな声だった

悲しそうだった

私は、初めて

"心の底から"

嬉しいと感じた。

私のためを思って

こんなに、こんなに

感情や愛情を注ぎ込んでくれる人がこの世にいるとは思いもしなかった

私は、ただ、ただ嬉しかった。

自分の腕の中で彼女の呼吸が深く、規則的になったのを感じる

彼女が安心しきって眠りについたことを確認し、ホッと息をつく

本当のことをいえば

"怖かった"

このまま、このまま、瑛茉が壊れて

無くなってしまうんじゃないかって

彼奴のせいで壊れてしまうんじゃないかって

ただ、ただ怖かった。

俺は安堵の溜息を着くことしか出来なかった。

瑛茉を起こさないように、極限までゆっくりと、彼女の身体を横たわらせ、枕を整える。

アザがある腕や、怪我をしたかもしれない頭部には、特に優しく触れる

今の俺にはこんなことしか出来なくて悔しくて、ムカついた。

俺は立ち上がらず、瑛茉のすぐそばに座り込んだ

学校に着いたとこまで飛ばします。

少し息が荒くなってた

そりゃあそうだよな

怖いよな

大丈夫。

お前には俺がいる。

何が起きたかわからなかった

安心しきっていた

こんなこと、されると思わなかった

驚いた、

痛かった

それだけじゃない。

ビンタだけじゃなかった。

倒れている俺の大好きな人と、

大嫌いな人

がいた

すぐに察した。

わかった。

どんどん、瑛茉の呼吸が荒くなっていくのがわかった

まずい

過呼吸にっ…！！

クラスのみんなが協力してくれた。

瑛茉から、るいかを離してくれた。

感謝しかない。

瑛茉 死ぬなよ。

意識はある

良かった…

瑛茉が小さく頷いたのを確認し、深く安堵する

瑛茉を抱えながら自分の家へと足を急がせる

怖かった。

また、昨日みたいに

安全な場所について安心したら

瑛茉がコロッと死んでしまうんじゃないかとか

るいかが追いかけてきてたりしたらとか

色々な不安が俺に伸し掛って来て押しつぶされそうになる。

怖い。

周りに誰もいないことを確認して鍵を開ける

ドアを引いて、閉める。

いつも通り。いつも通り。

いつも通り鍵を開けるだけなのに

出来なかった

開けれない

手が震えて鍵が落ちてしまう。

やっとの思い出鍵を開けると

急いで中に入った

瑛茉をソファに優しく座らせ、すぐに冷たいタオルと水を渡す。

俺の額から冷や汗が出たのがわかった

自分でもわかるような量だった

渡そうとしていた水が床に転がる。

全身から血の気が引いて、顔が青ざめる、

やっと出せたのはこの言葉だけだった

心配かけたくなかった。

嘘……着いちゃった笑

ごめん…賢治…

床1面真っ赤になった

また、何が起きたか分からなかった

これ、私から出た血？

私が吐いた血？

あ、れなんか眠くなってきた…

瑛茉を抱きかかえようとした瞬間、彼女が激しく咳き込み、口から血を吐いたのを見て、全身が硬直する

声が出ないほどの恐怖に襲われる

視界が真っ暗になった

眠くなって、寝ちゃった

瑛茉が自分の手を握ったまま、突然意識を失い、身体の力が抜けたのを感じる

俺の心臓が激しく脈打ち、恐怖が現実となる

俺はなんで泣いてるのか分からなかった

病院に行きたくない？

るいかが怖い？

どーしたんだよ

泣くんじゃねぇよ喋らなくても悟ってしまう…。

救急車内

救急車の狭い車内で、ストレッチャーに横たわる彼女の手を強く握っている

彼女の横には心電図モニターがあり、そのアラーム音が、突然、車内に鳴り響く

ﾋﾟｰｰｰｰｯ!!!

文字数制限来るので、ここでもう一旦切ります。