テラーノベル
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藤澤涼架side.
「涼ちゃん!」
「涼ちゃん、今日レコーディング調子いいじゃん、」
「えー、今日涼ちゃん来ないの?寂しい。」
元貴が、飛び降りた
急な元貴からの電話
夜遅く、深夜三時すぎ。
電話に出ると、声の主は元貴ではなかった
その人は、医者だと名乗り、元貴が飛び降りて救急搬送されたから病院に来てくれ、と告げた
視界が、真っ暗になる
腕が、足が、震える
元貴が、飛び降りたりなんて、
嘘だ
きっと、全部悪い嘘
元貴が冗談で、脅かそうとして
お医者さんも、きっと元貴の友達だよね?
演技、だよね?
全部、悪い嘘
それか、きっと悪い夢
そう思いながら恐る恐る頬をつねる
痛い
頬にじんじんとした痛みが張り付く
その痛みが、僕に夢ではないことを教えてくれた
真っ暗な部屋、とりあえず病院に行く
寝巻きから着替えて、携帯と財布を持って。
タクシーを捕まえて、病院の住所を告げながら乗り込む
「発進します」
運転手さんの声がタクシー内に響く
静かにアクセルが掛かり、タクシーが発進していく
三時、夜の闇はピークを迎えていて、窓の外を見ても何も見えない
悪い夢だ、悪い嘘だ、と自分に言い聞かせる
また、頬をつねる
頬は、またじんじんと痛み出した
ーーー
病院に着く
Ryk
お医者さんに告げられた病室に駆け足で入る
そこには、点滴を繋がれた元貴が横たわっていた
びっくりするほど表情のない顔で目を閉じている
その手を握る
まだ、暖かい
元貴はまだ生きているんだ
お医者さんがいうには、元貴は自分の家のマンションから飛び降りたらしい
植木がクッションになり、一命は取り留めたそうだけど
頭を強く打っていて、意識が戻らない
きっと、すぐに目覚めてくれるよね。
そう、言い聞かせる
そうでもしないと気が持たなかった
なんで、相談してくれなかったんだろう
一言も話さずに、
メンバーだよね、
苦しい時も辛い時も
楽しい時も悲しい時も
嬉しさも、喜びも、
全部共有して、分かち合ってきた
なのに、どうして?
どうしてなの?
アンチに悩んでたのかな
ミセスが嫌になったのかな
飛び降りるくらい、元貴が抱え込んでいたこと、気づけばよかった
元貴、早く目、開けてよ
また、笑いかけてよ
すぐ泣いちゃう僕を撫でてよ
抱きしめてよ
元貴の声が聞きたい
早く、目、開けて…
こんにちは
♡3000ありがとうございます 感想もたっくさん…嬉しいです
この作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
4件
涼ちゃんの優しさが伝わってまじで大泣きです、、、 書き方うますぎです!
う、悲しい… 涼ちゃん視点は特に悲しいです… 涙が溢れる… 何でそんなに書くのが上手いんですかっ? 憧れ様になりました! フォロー失礼します!
もーーーーー やあーーーーーーー、、、、、 こんな、、、、、感動だよ、、、 💛ちゃん視点は優しくて きれいで特に透き通ってるよ😭 このシリーズお気に入り♪