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sunoa
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start
あれから何年か経って
大学まで行けるようになった
玲さんは読み書きなど出来なかった俺を根気よく教えてくれて
なんとか年齢相応の頭にしてくれた
今は勉強がそれなりに好きになって
割と頭の良い大学に行けている
ここは猫カフェを経営していて
開店日時、閉店日時共に完全に 気まぐれだ
猫
猫
猫
猫が餌欲しさに俺の足元を旋回し始める
sm
餌を用意したあと
時計を見てみるともう20時を回っていた
sm
玲
玲
平日なんてただでさえ客足少ないのに
夜なんだからもっと少ない
変な人も入ってくるかもしれないし
さっさと閉めた方がいいに決まってる
なんてことを考えていると
カランカラン…
と聞きなれた音がした
珍しいな と考えながら
入口へ駆け寄ってみると
少し背の高い男の人がいた
sm
と声をかけると
その人はチラッと俺を見て
と零した
sm
玲
こちらの反応に気づいたのか
その男の人は口を抑えながら
と呟く
玲
その人は図星をつかれたのかカラッと笑いながら
と頭を搔く なんだかすごく暖かい気がした
玲
玲
いつもの玲さんだ
入ってきた客の緊張を解す?らしいが
少し怖くないか…?
と毎回思ってる
その人はチラッと猫を見ているけど近づこうとはしない
猫嫌いなのか?
この世に猫嫌いなんて存在するのか?
しないだろう
きっと触ったことがないんだ
俺は猫を1匹連れてきて
その男の人に見せてみた
やっぱり嫌いなわけじゃない
sm
そう催促してみると
男の人は「うーん」と唸りながら
猫に手を伸ばしてみた
猫
sm
猫は低く唸ったかと思えば
猫
と急にその人へ攻撃した
sm
咄嗟に離したお陰で爪が当たったりすることは無かった
比較的懐きやすい子を連れてきたつもりだったんだけど…
なるほど
猫が嫌いなんじゃなくて猫に嫌われやすいのか
不思議な人だな
玲
玲
名簿を遠目で見てみると
そいつは舞流(ぶりゅう)、?
というらしい
珍しい名前だ 俺が言えたことじゃないが
玲
Br
また変なあだ名つけてる…
玲さんはどんな人にもあだ名をつけている
覚えやすくしているのか
はたまた親近感的なのを作り出しているのか
俺にはよく分からない
Br
sm
Br
Br
sm
何故
今日あったばっかりだけど
でも答えないと印象が
頭の中ですごい数の思考が回っている
名前を聞かれたのは初めてだったので少し混乱した
アイコンタクトで玲さんに助けを求めると
玲
玲
と勝手に紹介を進めてくれた
わざわざあだ名で教えなくても とは思ったものの訂正するのはめんどくさかった
Br
少し沈黙の時間が出来る
多分「拾った」って言葉が引っかかったんだろう
なぜか少し怖くなって
その人から距離をとった
嫌がられた…?
なんていつもはそんな考えることないのに
なんだか嫌われたかもと思うと怖くなった
玲
Br
玲
玲さんはキッチンへ向かった
お客さんと俺2人きりで更に気まずい
そうだ
この人猫に触れなかったんだっけ
じゃあ、何とかして触れ合えるようにしてあげよう
普段はこんなお節介なんてしないけど
少し焦っていたのかもしれない
sm
Br
sm
舞流?さんはそれを受け取って
さっき威嚇された猫に手を伸ばした
猫
流石に餌には勝てなかったのか
警戒しながらも食べ始めた
sm
Br
ナデ…
Br
なんだか俺の事じゃないのに嬉しい
でも結局猫は餌を全部食べたらどっかに走り去ってしまった
Br
舞流さんの笑顔につられて
俺も少し口角が上がった
玲
あまり自覚がなかったため 焦って顔を覆った
玲
Br
そういえばこんな夜中にカフェインとか
変な人だな
と、猫を撫でながら思った
玲
玲
Br
Br
俺と2個しか変わらないのか
なんか意外
猫
sm
猫は気楽そうだな
ご飯を食べて
眠って
人間関係のようなドロドロしたことなんて経験しなくていいんだ
猫
sm
なんてボソッと呟いた
Br
Br
お客さんは玲さんとコソコソ話をし始めた
まぁ、俺には関係ないことだろう
猫
sm
話が終わったのか玲さんが突然こっちに近づいてきて
玲
玲
なんて突拍子もないことを言い出した
sm
sm
玲さんはビックリするほどの笑顔で
俺の肩を掴む
sm
玲
な、何言ってるんだ
猫になるって捨て猫のこと?
sm
捨てられる?
sm
玲
舞流さんがこっちを見ながら凄く心配している
Br
Br
玲
sm
俺の頭には疑問符が無数に浮かんでいる
ただ、捨てるわけではないみたいだ
玲
sm
Br
何でだ
今日初対面なのに
確かに玲さんは警察をしているから
人を見る目はずば抜けていい
でも…
玲
玲
1週間、だけ
sm
玲
玲
聞けば舞流さんは会社で結構上の立場の人らしく
大学や駅などが近いタワマンに住んでいるらしい
玲
玲さんがここまで目を輝かせてアピールするなんて始めてだ
そんなに信用できるような人なのか
sm
勢いに負けて引き受けてしまった
初めてあんな熱く話されたせいで
心臓がバクバクしている
Br
目を輝かせてる大人がふたりいる
俺でもわかる
多分この人いい人だ
Br
sm
Br
sm
距離感が掴めない人だ 俺とは全然違う人種
玲
sm
玲
明日は別に講義ないし
構わないけど、心の準備が
情報過多で焦っている中
舞流さんは俺の手を握って
Br
Br
スマ…さん
この人もあだ名つけるタイプ…?
sm
Br
舞流さんは俺の顔や頭を凄い勢いで 撫でてくる
sm
玲
何が…
この人といると何か…
Br
何か…っ
sm
ダメだ
おかしくなりそう
sm
そういいながら舞流さんをぐいーっと 押しのけた
Br
Br
もう時計の針は22時を回っている
Br
Br
sm
ほんとに変な人だ
カランカラン…
なんか、暑い
顔が火照ってる感じがする
sm
sm
玲
玲さんが言ったのに
まるで他人事だ
次の日
ちゃんと準備は終わらせている
長めの旅行?みたいな感覚だ
旅行といってもあって間もない人の家
緊張しないわけがない
何となく落ち着かなくてその場を行ったり来たりしていると
客
と、声をかけられた
sm
なんかの注文か?と思って駆け寄ってみると
客
と、無駄にでかい声で怒ってくる
うるさ…っ
客
sm
客
こういう客ほんとに苦手だ
客
sm
そういう態度だから猫に懐かれないんじゃないの?
なんて言ってやりたい
玲
sm
玲
してるつもりなんて無いんだけど
俺は思ってるよりも顔に出やすいらしい
玲
昔から表情筋なんて無いんだ 笑うことなんて自分からできない
sm
玲
玲
玲
sm
最近は頭を使うことが多くて疲れる
変に考え込んじゃう癖がいつまでも抜けない
そもそも何で俺を選んだんだろうあの人
愛想もないし
人見知りだし
大した魅力もない
sm
違う
もう居ないのに
手が震えてる
俺は何に怯えてるんだ
パリンッ!!
sm
ダメだこんなこと考える必要なんてない
落として割れたカップを手で掬い出す
sm
カップの破片で手が切れた
当たり前だ
何をそんなに焦っている?
sm
キッチンから戻ると
受付で舞流さんと玲さんが談笑していた
まだ早いはずだけど…
Br
俺を見つけるやいなや抱きついてきた
sm
暖かい
いい匂い
sm
舞流さんを一旦押し返す
頭がぐるぐるしておかしくなりそうだ
玲
玲
Br
特に用事はないし
sm
俺がそう言うと
舞流さんは俺の手を握って
Br
なんてニコニコで話してきた
この人と話すと気が抜ける
sm
ただ、さっき出来た切り傷が少し傷む
sm
幸い気付かれずに隠すことができた 我慢するのは慣れているから
玲
玲
舞流さんの手は暖かい
……痛い
sm
※br視点
玲さんからsmの昔のことは聞いた
それをわかった上で引き取った
smは子供の頃の記憶が結構トラウマ みたいで
人に若干の不信感があるらしい
Br
Br
sm
責任を持たないと
少しでもここが安心できるような所に 出来るように
それで
smはさっきから手を庇っている 気がする
怪我でもしているのか確認しようとしても
いい感じに避けられてしまう
というか
頼り方が分からないような感じがする
こういうのは直接言わないと自分から 答えてくれないからな
いい飼い主になるためにも猫には積極的に接しないと
Br
sm
あー…キョトンってしてる
かわい〜
Br
案の定バレたって顔をした
少し耐えていたが結局僕の押しに負けて
渋々その手を開いてくれた
その手にはたくさんの切り傷が 掘られていた
Br
sm
sm
開いた手が震え 顔には冷や汗のようなものが浮いていた
これ以上の追求はこの子にとって ストレスが強すぎる
直感でそう分かるほどに
smはなにかに怯えていた
僕が手を伸ばすと
その手にも異様に恐怖心があったのかsmはその目をぎゅっと瞑った
お店で撫でた時はこんなこと無かったのに
環境の変化で不安定になっているのか?
僕は伸ばした手で顔に触れ
浮いた汗を拭った
smの肌は氷のようにつめたかった
Br
少しずつ
焦らずに
sm
少し安心したのか手の震えが 治まってきた
Br
洗面所に来たけど
smさんは手を洗うのを躊躇っている
流石に染みるのは分かってるけど
傷口が汚れてたら危ないし
Br
sm
渋々手を洗い出したが
痛いのか指がピクピク動いている
Br
可愛い…!
なんて言える訳もなく咄嗟に口を閉じる
sm
ハッとして正気に戻ると
smの目には薄ら涙が浮かんでいた
可愛い〜…
Br
Br
衝動的にsmの頭を撫でていた
自分でも驚くくらいsmを小動物 扱いしている
でもさっきのように怯えてはいない
ただ…
sm
どう考えてもさっきとは違いすぎる
smは完全に無意識なんだろう
Br
僕の反応に気づいたのか
smは一気に顔を赤くして僕のことを押し返した
sm
こんなに気持ちが昂ったのは初めてだ
Br
僕が抱きつこうとすると
sm
なんて言って smは一目散にその場から逃げてしまった
Br
Br
sm
smは物陰に隠れて出てこようとしない
そういう所も猫っぽくて可愛い
Br
sm
sm
どんどん声が小さくなっていく
素直にじゃないのも猫っぽい
Br
そういうと渋々物陰から出てきた
でも 一定の距離を保たれている
嫌われた訳じゃなさそうだけど
警戒されてる?のかな
sm視点
広…
Br
Br
Br
sm
俺の部屋にしては広くないか
そもそもbrと同部屋は避けたいし
拒否するつもりもなかった
ずっと撫でられそうだし
Br
Br
確かに色々ありすぎた
何せ、この人といると知らないことが 多くて変に頭を使う
Br
sm
ほんとに何なんだこの人
ふわふわする
#2 終