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1 - ああ

♥

12

2023年03月27日

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ミズキ

いきなり突き飛ばして帰るなんて、ひどいじゃないか!

ハナ

ミズキこそ、昨日のLINEで今日のラッキーカラーを送ったのに、

ハナ

何故白い服で来たの?

ミズキ

今日のラッキーカラーは黄色だと送ってきたけど、

ミズキ

黄色の服なんか持ってないし、着たいとも思わないよ!

ミズキ

それに、服のことで僕を突き飛ばすほど、

ミズキ

それは大事なことなの?

ハナ

何言ってるのよ、大事なことじゃない!

ハナ

それで一日が決まるのよ!

ミズキ

何言ってんだか・・・

ハナ

だって、今日はデートの日じゃない・・・

ハナ

ミズキの着てきた服で、今日のデートの良し悪しが決まるのよ!

ミズキ

そんな大げさな。

ミズキ

それに、この白い服はハナとのデートで着ようと思って、

ミズキ

買ったばかりなんだよ!

ミズキ

君が突き飛ばすから、汚れちゃったよ・・・

ハナ

うっ、ごめん。悪かったわ。

ハナ

でも、いつも言ってるでしょ。

ハナ

晶子さんの言うことは、絶対なんだって!

ミズキ

君の言ってるのは、占いのことだろ?

ミズキ

占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦と言うじゃないか、

ミズキ

君は占いが100パーセント当るだなんて、

ミズキ

まさか、思っていないよね?

ハナ

えーと、私だって100パーセント当るだなんて、

ハナ

思ってないわよ。

ハナ

でも、晶子さんの言ってることって、

ハナ

100パーセントに近いってぐらい、当たってるって思うことがあるわ。

ハナ

私にとって、神様に近い存在だわ。

ミズキ

へー、そうなんだ。

ハナ

何、その返事?

ハナ

もう、今度はちゃんとラッキーカラーの服を着てきてよ!

ミズキ

ハイハイ。

~数日後~

ハナ

今日は何してたの?お昼ご飯を一緒に食べたいから、

ハナ

ずっと待ってたのに、連絡つかないし・・・

ミズキ

あっ、ごめん、ごめん。

ミズキ

今日、教授に質問があって、研究室で待ってたら、

ミズキ

教授は用事があるって、出て行っちゃって・・・

ミズキ

でも、早めに疑問を解決したいから、そのまま待ってたんだ。

ミズキ

それで、コーヒー飲んでたらこぼしちゃて、結局会えずじまいさ。

ハナ

ラッキーアイテムは持ってたの?

ミズキ

いいや、持ってなかったよ。

ハナ

ほらね。原因はそれよ!

ハナ

ゲンが悪いわよねぇ。

ハナ

そんなジジイより、私を頼りなさいよ。

ハナ

水玉晶子さんの占いを知ってから、私の運気が上昇したの。

ミズキ

へぇー、どんな風に?

ハナ

ラッキーアイテムを持って試験を受けたら、

ハナ

試験の単位を落とすことがなくなって、

ハナ

成績の評価が、Aランクが増えたの。

ハナ

晶子様々だと思ったわ。

ミズキ

ほんとかなー?

ハナ

本当よ!

ハナ

それに、抽選で当たることが多くなってきたの。

ハナ

それまで、ハズレばっかりだったのに、

ハナ

この間だって、ディズニーランドのチケットが当たったの。

ミズキ

そうなんだ。

ミズキ

まぁ、確かに昔からゲンを担ぐとか、あるよね。

ミズキ

ハナにとっては、お守りがラッキーアイテムなんだね。

ハナ

そうなの!分かってくれた?

ハナ

だから、晶子さんの占いと出会ったのは、

ハナ

私にとっては、運命なの。

ハナ

今私は、運勢上昇の真っ只中にいるの。

ハナ

だから、ミズキはどんどん私に頼ってね!

ミズキ

あんまり占いは信じるほうじゃないけど、

ミズキ

君が信じるんだったら、期待してみるよ。

ハナ

ところで、これから会わない?

ミズキ

いいよ。授業が終わったら、連絡ちょうだい。

~数時間後~

ハナ

これからラーメン食べに行かない?

ハナ

今日のラッキーフードは麺なんだって。

ミズキ

麺って、うどんとか、パスタとか?

ハナ

そうそう。それで、今日は塩ラーメンが食べたいから、

ハナ

食べに行かない?

ミズキ

別にいいけど・・・占いで食べるものまで決めるとは、

ミズキ

思ってなかったよ。

ハナ

いいのよ。一日の締めも、占いでは重要よね。

ハナ

ラッキーフードを食べて、今日を終えると、

ハナ

明日はいいスタートをきれるんだわ。

ハナ

私は、晶子さんを信じる!

ミズキ

はぁ、君の世界は占い一色だよね。

ミズキ

まぁ、いいや。ラーメン屋に付き合うよ。

ミズキ

この辺で、美味しそうなラーメン屋、

ミズキ

知ってる?

ハナ

任せといて。今日の運勢は、北の方角が吉なんだって。

ハナ

ちょうど、その方角に美味しいラーメン屋があるの。

ミズキ

まぁ、僕は美味しければ、どこだっていいよ。

ハナ

分かったわ。それじゃ、後でね。

~数日後~

イチロー

同窓会なんだけど、参加できそう?

ミズキ

あぁ。特にその日は用事もないし、出席できそうかな。

イチロー

ところで、教授から大学院進学を勧められているんだって?

イチロー

おまえは、相変わらず優秀なんだな・・・

ミズキ

そんなことないよ。

イチロー

お前は忙しいのに、妹が色々とすまないな。

イチロー

ハナに頼まれて引き合わせたけど、しんどかったら別れろよ。

ミズキ

どうしたんだい、急に・・・

イチロー

あいつ、一日中占いのことばかりだろ?

イチロー

妹の話を聞いてたら、呆れてしまったよ。

ミズキ

へぇ、どんなこと?

イチロー

お前に会うと言って出て行ったのに、すぐ帰ってきて、

イチロー

お前が今日のラッキーカラーと違う服を着てたから、

イチロー

腹が立って、帰ったとか。

ミズキ

あぁ。何回かあったな。

イチロー

すまない。ハナはもともとそんな子じゃ、なかったのに・・・

イチロー

あいつは以前失恋したことが忘れられなくて、

イチロー

メンヘラになったんだ。

イチロー

それから、占い依存症になったんだ。

ミズキ

そうなんだ、知らなかったよ・・・

イチロー

でも、お前に迷惑をかけてるんだったら、申し訳ない。

ミズキ

お前が謝るようなことじゃない。

イチロー

ハナにも、しまいにはミズキに愛想をつかされるぞと、言ってるのにな。

イチロー

ところで、両親もハナのことで、

イチロー

どう扱ったらいいか分からないみたいなんだよ。

イチロー

何かにつけて、占いが一番だろ。

イチロー

食事も家族でとらないことが、増えたんだ。

ミズキ

占いが関係するのか?

イチロー

そうなんだよ。

イチロー

ラッキーフードが麺だったら、一日中麺しか食べないんだよ。

ミズキ

この間ラーメン屋に誘われたんだけど、

ミズキ

一日中、麺だとは思わなかったよ。

イチロー

それで、母が作った料理を捨てたりするんだぜ。

イチロー

ひどいと思わないか?

イチロー

でも、そんなのは可愛いほうなんだ。

イチロー

とにかく、ハナが占いに凝りだして、

イチロー

家でも酷いもんだと言いたかったんだ。

ミズキ

そうなんだ。

ミズキ

ハナが占いから抜け出せたらいいのになぁ。

~数日後~

ハナ

どうしてるの?ここ、二三日会えてないけど、

ハナ

元気にしてる?

ミズキ

元気にしてるよ。でも、ここ数日、アンラッキーな日が続いてるよ。

ミズキ

ほんのちょっとしたことなんだけど、

ハナ

へー。どんな事?

ミズキ

学校に遅刻しかけたとか、ハトの糞が頭にかかったとか・・・

ハナ

私が毎日LINEしてるように、

ハナ

晶子さんの占いどうりにしてる?

ミズキ

ちょっと最近忙しくて、LINEどうりにはいかないよ・・・

ハナ

ほらね、やっぱり。晶子さんの言うとおりにしなきゃ。

ハナ

そうでないと、アンラッキーなことになっちゃうよ。

ミズキ

そうかなぁ・・・

ハナ

そうよ、もっと晶子さんの占いを信じて。

ハナ

私がミズキがアンラッキーにならないように、

ハナ

ちゃんと、スケジュールを管理してあげる。

ミズキ

大げさだなぁ・・・

~数日後~

ハナ

ねぇ。明日デートしない?

ミズキ

随分、急だね?

ハナ

そんな事ないわよ。

ハナ

晶子さんの占いで、明日のデートは吉日なんだって。

ミズキ

また、占い?

ハナ

そうよ。でも、東はダメだということだから、

ハナ

明日は西に進みましょうよ。

ミズキ

どこに行くか決めたの?

ハナ

ランチバイキングの食べ放題に行かない?

ミズキ

それは、いいね。

ハナ

ちょうど、レストランの検索してたら、

ハナ

素敵なお店を見つけたの。

ハナ

それに割引のクーポンつきなの。

ハナ

やっぱり、晶子さんの言う通りにしてたら、

ハナ

ラッキーなことが増えてきたわ。

ミズキ

まぁ、なんでもいいけど、

ミズキ

割引はあったほうが、有難いよね。

ハナ

明日はラッキーカラーの服を着て、

ハナ

ラッキーアイテムも準備しておいてよ。

ミズキ

分かったよ。

ハナ

それじゃ、明日楽しみにしてるから。

~翌日~

ハナ

ごめんなさーい。行けなくなったの。

ミズキ

どうしたの?もう、待ち合わせの場所にいるよ。

ミズキ

それに、楽しみにしてくれてるんじゃなかったの?

ハナ

それが、晶子さんの占いで、西は不吉で、

ハナ

外出は控えめにとあったの。でも、デートは行きたかったから、

ハナ

出かけたの。そしたら、車が通った時に、

ハナ

水たまりの水が私の服にかかってしまったの。

ミズキ

まさか、そんな理由で会えないとか、言わないよね?

ハナ

ごめんなさい。会いたい時に会えないなんて、

ハナ

運命の悪戯なのかしら。

ミズキ

そんなこと、ある訳ないじゃないか!

ミズキ

大体、君は自分からデートに誘っといて、

ミズキ

来れないとか、会えてもすぐ帰ってしまうとか、

ミズキ

自分勝手が過ぎないかい?

ハナ

えっ、そうね・・・

ミズキ

僕だってそんなに暇じゃないのに、

ミズキ

君に会うために、時間を融通してるんだから。

ミズキ

僕が大学院進学を目指してるって、言ったよね?

ミズキ

進学のための勉強時間の確保が、結構これでも大変なんだよ!

ハナ

そっ、そんなに怒らなくてもいいじゃない・・・

ミズキ

自分に都合が悪い時は、みんな占いのせいにするんだから。

ミズキ

何かというと、ラッキーカラーがどうのとか、

ミズキ

僕はそんなに占いを信じてる訳じゃないんだよ。

ハナ

うっ、そうなの・・・

ミズキ

占いは迷ってるときの参考程度にするもので、

ミズキ

どっぷりその通りに動いて、人生の楽しみを棒に振ってまで、

ミズキ

従うものじゃないよ。

ハナ

そうかなぁ・・・

ミズキ

大学院に進学するにしたって、

ミズキ

占いで吉が出たから行くというんじゃないから。

ミズキ

例え凶が出ったって、僕は意思を曲げたりしないよ。

ミズキ

ところで、この間イチローから聞いたんだけど、

ハナ

えっ、お兄ちゃんが・・・

ミズキ

君、失恋が原因で占い依存症になったんだって?

ミズキ

それで、恋人を占いでコントロールしようとしてるって・・・

ミズキ

まったく、今君が僕にしてることだよね。

ハナ

コントロールだなんて、そんな事してないじゃない。

ミズキ

僕は疲れちゃったんだよ。

ミズキ

君とは別れるよ。

ハナ

へ?

ミズキ

イチローは、ハナのことで、

ミズキ

しんどかったら別れたほうがいいんじゃないかと、

ミズキ

アドバイスしてくれたよ。

ハナ

そんな!お兄ちゃんが?

ミズキ

それに、君の崇拝している晶子さんが、

ミズキ

雑誌で、気が合わない人とは別れたほうがいいって言ってたよ。

ミズキ

だから、占いの助言に従って、

ミズキ

君とは別れるって、決めたんだ。

ハナ

そんな!ひどいわ、別れるだなんて。

ミズキ

すまない。でも、なんでも占いで決める君に

ミズキ

ついていけないんだよ。

ハナ

どういうところが嫌になったの?

ミズキ

僕がハナの言うことを聞かなかったら、

ミズキ

すぐに突っかかってくることかな。

ミズキ

一番の原因が、君の信じている晶子さんだよ!

ハナ

えっ、晶子さんが・・・

ミズキ

デートだって、君が全部主導権を握って、

ミズキ

僕の意思なんかおかまいなしじゃないか!

ミズキ

着る服から食べ物まで、全部占い任せ。

ミズキ

デートの待ち合わせにだって、まともに来ないんだから!

ハナ

うっ、そんなこと・・・

ミズキ

おまけに、君は自宅でカエルの像を祭ってるんだって?

ミズキ

僕がカエルがこの世で一番嫌いだって、知ってるよね?

ミズキ

何度も言ったはずだよ!

ミズキ

ラッキーアイテムがカエルだとか、カエルの絵柄のTシャツとか、

ミズキ

やめてくれって、何度も頼んだじゃないか!

ハナ

そうかもしれないけど・・・私、カエル好きなの。

ミズキ

一番ひどかったのは、

ミズキ

君にカエルの串焼きを騙されて、食べさせられた時だ・・・

ミズキ

僕は一生忘れられないよ。

ミズキ

君は本当に僕のことが好きなのか?

ハナ

もちろん好きだから、お兄ちゃんに紹介してもらったのよ。

ミズキ

そんなの、信じられないよ!

ハナ

どうしてなの?

ミズキ

僕の嫌がることばかりして!

ミズキ

親友のイチローが紹介してくれた妹だから、

ミズキ

この出会いを大切にしようと思ったんだ・・・

ミズキ

でも、もう無理だよ限界なんだ。

ミズキ

この頃、君を見るだけで、鳥肌が立つんだ。

ハナ

ひどい、私はミズキのことをいつだって思っていたのに・・・

ミズキ

自分勝手な君のことだ。

ミズキ

僕のことは、二番目か、三番目か?

ミズキ

とにかく、晶子さんの次だ。

ミズキ

ごめん。もう、無理だ。

ミズキ

どうしようもないよ。

ハナ

そんな、待ってよ、ミズキ!

ハナ

もう一度、考え直してよ!

~後日~

ミズキ

別れた後、何も手に付かなかったハナは、

ミズキ

雑誌の占いで、自分と違う誕生月の記事を読み、

ミズキ

勘違いして、スキンヘッドにしてしまった。

ミズキ

両親はそんなハナを見て、尼寺へと出家させた。

ミズキ

両親はハナにずっと手を焼いていていたので、苦肉の策だ。

ミズキ

出家先は禅寺だったため、規律の厳しさに音を上げて脱走し

ミズキ

行方不明になってしまった。

ミズキ

両親は必死になって、ハナの捜索をしているが、

ミズキ

なかなか見つからないらしい。

ミズキ

ハナには随分手を焼いていたらしいけど、

ミズキ

いなくなってしまったら、それはそれで寂しいらしい。

ミズキ

僕は大学院に進学するために、猛勉強中だ。

ミズキ

レポートのでき次第で、教授の推薦がもらえることになった。

ミズキ

同窓会で再会した同級生と意気投合。

ミズキ

交際がスタートした。

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