俺はyan
名前を覚えてる訳じゃない
ただ、この目の前の女の子
etさんに名付けてもらった
et
yan
et
et
yan
et
et
yan
短時間会っただけなのに 考えて名前をつけてくれた
それがとても嬉しかった
目を覚ました時には 何もかもわからなくなっていたから
覚えているのは、冷たい海の感触だけ
et
yan
etさんの肩を借りて俺は 浜辺から村へと向かった
潮の匂いと海風が妙に懐かしく感じたけど、どうしてなのか思い出せない
et
yan
et
et
etさんの言葉には 棘があるけど暖かかった
だからこそ、俺は素直に 家に入ったんだと思う
et
yan
etさんの家は一軒家
家具も壁も新品のようにきれい
だからか、居心地がいい
俺がぼんやりと部屋を見回していると
etさんがタオルと何か 暖かい飲み物を持ってきた
et
yan
湯呑みから立ち上がる湯気を見ながら 俺はふとetさんに聞いてみた
yan
et
yan
et
et
迷惑だって言ったのに etさんはそれ以上何も言わない
なんとなくわかった
etさんは口が悪いけど 本当は優しい人なんだ
その日の夜、俺はetさんの家に 止めてもらうことになった
敷き布団に横になにながら ぼんやりと天井を見つめる
何も覚えていないのに不思議と
ここにきたことがある
そんな感覚がある
この島も、この海も
だけど、その理由がわからない
___その時だった
遠くから不思議な音が聞こえてきた
風の音に混じってまるで誰かが 歌っているような.......
でも、人の声じゃない
yan
気になって窓の外を見ると海の方からぼんやりと光が漂っていた
et
リビングに戻ってきたら、 窓から外を見つめるyanくんがいた
どうやら海の方を 気にしてるみたいだけど__
yan
et
yan
海辺で時々見える光
それを見た者には 不思議な出来事が起きる
って、島では昔から 言い伝えられてる。
だけど、私は一度も本物を 見たことがない
et
yan
et
et
yanくんは少し考え込んだような 顔をして、また窓の外に目を向けた
yan
その言葉が妙に重く響いて、 私は何も言えなくなった
yanくんが何を失ってきた のかは分からない
でも、簡単に思い出してほしいなんて軽く言えることじゃない
et
yan
その夜、私は夢を見た
波打つ海の中で、 誰かが手を伸ばしていた。
けど、その手は何も掴めず、 深い暗闇に沈んでいった___。
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