このは
ぼたんさん、聞いてください
ぼたん
あら。どうしたの?
このは
この前うちの近くで交通事故が起こったんですよ。
ぼたん
交通事故ね…
ぼたん
このはちゃんも事故に気をつけなさい
このは
うん…
このは
でも、うちの近くに起きたって聞いた時、すっごく怖かったです。
ぼたん
事故は怖いわよね…
ぼたん
じゃあ、今日は事故に関しての意味怖のお話しをしていきましょうか。
このは
お願いします…
ぼたん
じゃあ、話すわね…
白井さん
3ヶ月前、息子を轢き逃げで亡くした
白井さん
妻に先立たれ、男一つで育ててきた息子だけが生き甲斐だった。
白井さん
俺は、犯人を殺したいほど憎んでいた
白井さん
犯人は捕まったが、これは容易に復讐も出来なくなってしまった。
白井さん
或る日…本屋で【悪魔召喚】と書かれた一冊の本を手に入れた
白井さん
俺は、こんなモノを信じていなかったが何も出来ない自分が許せなかった俺は『悪魔』を呼び出してみることにした
白井さん
見事、悪魔は現れた
悪魔
『…お前の望みはなんだ?』
白井さん
『息子を殺した奴に復讐がしたい!』
白井さん
『殺してやりたい!』
悪魔
『…前払いで"お前の死"を報酬として貰うが良いか?』
白井さん
息子を失った俺は、自分の命など惜しくはなかった。
白井さん
『ああ…それで構わない…』
悪魔
『…ならば契約成立だ』
白井さん
数日後、轢き逃げ犯が謎の死を遂げたと聞いた俺は悪魔との契約の事を思い出した。
白井さん
『前払いで"私の死"ではなかったのか?』
白井さん
『あの悪魔は嘘を吐いたのか?』
白井さん
そんな疑問を抱え数日が過ぎた頃、再び俺の前に悪魔は現れた。
悪魔
『…契約は果たした…さらばだ…』
白井さん
『待ってくれ!あんたは"私の死"を報酬にしたはずだ!…なのに何故私は生きている?!』
悪魔
『…たしかに報酬は"お前の死"だ、勿論きちんと頂いた。』
白井さん
悪魔は笑いながら、最後の言葉を残して消えた。