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今なら聞こえるッ!

ええ…?

なるほど

かわいい声じゃねえか

翠は桃を指差し

変なポーズをバシッと決めた

流石は翠

馬鹿とはいえ

やるときはやる

俺は自身に満ちた表情で

桃をちらりと見やる

ほらな

みたいな顔しないでよ

これで協力者は二人だ

頼りにしてくれ

馬鹿と放屁魔なんて

揃って雁首じゃん

切れ味の鋭いカウンターに

俺と翠は一瞬でリングに沈められた

顎下一発

脳震盪が目眩を連れてくる

だが

ここで負けるわけにはいかない

俺はふらつく足に鞭を打ち

よろよろと立ち上がる

こんなところで終わってたまるかよ

俺達には一年間のアドバンテージが存在する

わからせてやるよ

雁首という評価の是正を求める

翠には特技がある!

どんな特技…

まあ見てろ

俺の合図とともに

翠がリュックサックからけん玉を取り出す

だが

紐が絡まっていたらしく

もたもたと一生懸命ほどいている

あの

もう大丈夫だよ

桃は首を横に振り

絞り出すように制止を促した

いやまて

ここからだから!

どう転んでも想像は超えないよ

美少年くん

俺のは凄いで

紐を解き終えた翠が

けん玉を勢いよく反転させる

ふわりと浮いた真っ赤な玉は

手首のスナップで強制的に軌道が変わり

ガコンと鈍い音が響く

弾け飛ぶけん玉

哀れにも

放物線を描いて窓の外へ落下していった

何が起きた?

翠はめちゃくちゃ焦っている

嘘みたいな大失敗に

俺は腹を抱えて笑った

これ

何がしたかったの

大皿に玉を入れるやつじゃない?

初歩の初歩じゃん

俺達はさ

頑張りを評価してほしいんだ
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