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これは自分が小学生の頃の話。実際の当事者は友人の拓海だ。 当時住んでいた家は古く、築50年、木造2階建て、風呂無しの社宅、一階部分は出入りが出来ない造りで、うちの家族は15ほどの部屋に別れている中の一角に住んでいた。
晴翔
拓海
拓海とは家が近かったので学校が終わるとよく遊んでいた。
プルルルルル。ガチャガチャ
拓海
古くて独特の呼出音がするインターホンが備え付けられ、門扉を開けると木のドアがあり、それを開けると玄関だ。左手に下駄箱、目の前にはすぐ階段がある。今考えれば不用心だが、カギはよく開けっ放しにしていた。玄関は常にカビ臭く、すえた匂いがしていたのを憶えている。
?
拓海
階段の上には同年代ぐらいの少年が画用紙にクレヨンで戦隊ものの顔が描かれた簡素な面をつけて立っていたという。
拓海
?
拓海はなんだか怖くなり一旦外に出たという。ちなみにこの時、自分はインターホンが鳴っていることに何故か気がつかなかった。家には自分一人だった。
拓海
拓海は意を決してもう一度玄関に行ったという。自分ならこの時点で逃げ帰ってしまうが、拓海はすごい奴だと思った。玄関まで行くと階段の上に面をつけた少年はおらず、拓海はもう一度インターホンを鳴らした。
プルルルルル、ガチャガチャ
晴翔
拓海
晴翔
拓海
晴翔
拓海
晴翔
自分はこうして玄関に向かい、拓海から事のあらましを聞いた。拓海の態度や雰囲気からどうにも嘘だとは思えず。本気で緊張状態から安堵する様を見たのはこの時が初めてだった。
だが、この件はこれで終わりではなかった。この後何度もその面をつけた少年らしき何者かは現れることになる。