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三郎

どうしてですか!?

三郎

どうして許して下さらないのですか!?

父上様

何度言ったらわかる!!

父上様

貴子を貴様に渡す義理はない!!

父上様

とっとと諦めろ!!

三郎

嫌です!!

三郎

姫様をあんな男に渡すなど、言語道断!!

父上様

あんな男!?

父上様

口を慎め!三郎!!

父上様

あの方は分家の息子様だぞ!!

三郎

だから何なんです!?

三郎

身分が違うだけでこれほどの差別を受けなければならないのですか!?

父上様

黙れ!!!

父上様

お前を家来にしたわたしが馬鹿だった!!

父上様

ここから出て行け!!

三郎

なら姫様も一緒に連れ出します

父上様

やれるものならやってみろ!!

父上様

貴子は渡さないからな!!

三郎

さようなら

三郎

お父上様

貴子

お父様

父上様

ん?

父上様

あぁ…貴子か

父上様

どうした?

貴子

三郎さんはどこにいらっしゃいますの?

父上様

…三郎なら隣町へ買い物に行ったよ

貴子

そうですか…

父上様

貴子?

父上様

元気が無いな

父上様

何かあったか?

貴子

いえ…!何も無いですわよ…!

父上様

そうか

父上様

じゃあ、そろそろわたしは寝かせてもらうぞ

貴子

おやすみなさい、お父様

貴子

(やっぱり何かおかしい…)

貴子

(いつもならこの時間帯になれば、三郎さんがお父様とお話していらっしゃるはずですのに…)

貴子

(それに、今日一日ずっと探していたけれど…)

貴子

(どこにもいませんでしたわ…)

貴子

(お父様と三郎さんの間で何かあったのかしら?)

貴子

はぁ……

貴子

(考えれば考えるほど、心配になってきますわね…)

貴子

(三郎さん)

貴子

(戻って来て)

三郎

おやおや

三郎

どうも浮かない顔をしていらっしゃいますね

貴子

三郎さん…!

三郎

遅くなってすみません

貴子

いいですのよ!

三郎

なら良かった

三郎

さあ、一緒に行きましょう

三郎

姫様

貴子

はい!

三郎は父上のもとで縛られていた姫をおぶって連れ出し

月明かりが照らす道を駆け抜けました

そして、暗い洞窟の中に姫を寝かせ

番人をしていた三郎でした

三郎

ん…?

三郎

今日は十五夜…?

三郎

やたらと月が綺麗だな

あまりの綺麗さに見とれていた三郎は

姫に近付く鬼に気が付きませんでした

そして、姫は鬼に呑まれ

姿を消しました

三郎

お?

三郎

そろそろ朝か

三郎

姫を起こそう

三郎

姫様──

三郎

!!!!

その殺風景な光景に

三郎は言葉を失いました

三郎

姫…?

ここに寝ていたはずなのに

一体どこに行ったのか

三郎の目には光がありませんでした

三郎

そんな…!!

三郎

姫ー!!

必死に姫を探し続けましたが

どこに行っても姫は見当たらず

三郎は姫がいなくなった事実を知り

嘆き悲しみました

三郎

うああああああ!!!

三郎

わたしがもっとちゃんと見ていれば!!

三郎

姫は…!

三郎

姫は…!!

三郎

助かっていたはずなのに…!!!!

三郎

うわあああああああ!!!

三郎はその後

ショックのあまり

自ら命を絶ちました

それを知った父上は

二人のあとを追い

自殺しました

ここまでが伊勢物語の内容です

三郎と貴子は両想いでしたが

その恋は結局叶わなかったという

切ないお話です

これをもとに作られた曲が

ちはやふる

樽屋雅徳 作曲の曲です

三郎の嘆き悲しむ思いと

貴子の三郎を愛していた思いが

曲に詰め込まれています

もし二人が生きていれば

どんな結末を迎えていたのか──

それはまだ

誰も知らない

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