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br視点
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おかしいな、
あまりにも静か過ぎる。
この家が静かなことなんて
ほとんどなかったのに。
br
ガラッとした物のない空間。
ここがいつも嫌いだった。
物がないのに落ち着かないし
何より、無駄に広いのが嫌だ。
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br
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自分を元気づけていこ!
じゃないとやってらんないしね!
僕の部屋は
僕が知っている部屋だった。
何一つ動かされていない家具。
荒らされた様子もなく、
ただ、主人を失ったからか
どこか冷たく、寂しさが残っている。
br
ということは
僕の部屋は誰かが掃除している…?
と、考え込んでいると、
大きな足音が聞こえてきた。
ガチャッ
br
br父
br
br父
br父
br父
br
もう、いいよ、
こんな姿になってまで
恨まれたくなんかない。
もう、僕のことなんて
忘れてくれたら、楽になれるのにね。
br父
br
ま、まって、
じゃあ、
僕って…?何…?
br
頭が、割れるように痛い…ッ!!
br
考えない方が、いい…ッ?
これ以上、このことについて考えるのは
やめておいた方が良さそうだ。
br
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kn視点
kn父
kn
kn父
kn父
kn
あぁ、痛い。
kn父
kn父
kn父
kn
痛い、痛い、痛い
kn
kn父
kn父
大概、父さんがここにくるときは
母さんとの離婚話の後や
日頃の鬱憤が溜まったときだ。
多分、今回は後者。
もう、うんざりなのに、
いつになったら、俺は解放されるんだ…
kn父
kn父
kn
痛い、痛いよ
もう嫌なんだ。
ぶるーくと過ごした日々があまりにも心地良くて
こんな、今日みたいな日々には戻りたくない。
殴られることもなくて、
俺のためにご飯を作ってくれて、
ずっと側にいると言ってくれた。
そんな日々が当たり前になって、
今日みたいな日が耐え難くなった。
あぁ、惨めだなぁ…
br
br
そんな彼の言葉がふと思い浮かんで
kn
kn
淡い期待をのせて
彼を呼んでみる。
kn
その小さく弱い声は
この寂しい部屋に溶けていった。
やっぱ、無理じゃん…
呼んだらすぐ行くなんて、
嘘じゃん…ッ
br
kn
最後に見た彼の顔は
酷く歪んで
心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
コメント
1件
家のことでびっくりしてても呼ばれたらすぐに駆けつけたbrさんかっこよ〜!! 父親が何か言って自分が何者なのかが分からなくなった状態でも駆けつけてる…かっこよ…ちょ本当にknさんの父コロそう。最高です。