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あれから一週間程過ぎた頃 僕が学校から帰ると神様のコノハは 冷蔵庫の前で腕を組み 時計を見ながら立っていた
太郎
太郎
コノハ
コノハ
コノハ
太郎
コノハ
コノハ
太郎
太郎
そう言って時計を見つめているコノハだったが、今は二時三十分… あと三十分ある
一体コノハはいつから冷蔵庫の前で待っているのだろうか…
その時、キッチンの換気用の小さな窓をコンコンっと叩く音がした 音の方を見るとカラスがクチバシで換気窓を叩いている
コノハ
太郎
コノハは食卓の椅子を持ち上げ窓の所に運び、それにヒョイっと飛び乗ると 短い手を伸ばし換気窓を開けた
コノハ
コノハ
一見見た目はカラスだが よく見ると本当に足が三本あった。
太郎
コノハ
八咫烏から手紙を受け取り コノハがよしよし、と頭を撫でると 八咫烏はバサバサとどこかへ飛んで行ってしまった
コノハ
太郎
コノハ
太郎
コノハ
コノハ
太郎
コノハ
太郎
太郎
コノハ
太郎
コノハ
太郎
コノハが自慢げに人差し指を立てながら話をしていると 時計の針は三時を指しキッチン中に アラームが鳴り響いた
コノハ
太郎
お母さん
太郎
夕方、お母さんがスーパーの 仕事を終えて帰って来た お母さんは両手に買い物袋を持ち、 玄関からそのままバタバタと リビングに向かった。 それをコノハは目で追いながら、 僕にボソリと呟いた
コノハ
太郎
コノハ
太郎
コノハは目を凝らし お母さんをジッと見つめた後 左手で僕の肩を掴みこう言った
コノハ
コノハ
最初、お母さんの後ろにはぼんやりと黒い影が漂っていたが、じっくり見ていると、それが徐々に実体化していった
お母さんの背中には手が6本ある蜘蛛のような人?が後ろから 抱き抱える様にしていた。 それは口から長い舌を出し、お母さんの首に舌を突き刺している
太郎
コノハ
コノハ
コノハ
太郎
コノハは着物の袖を捲ると 手を合わせ、何やら唱えだした
コノハ
コノハ
コノハはそう唱えると体が光に包まれ、その形を変化させた 短かったピンクの髪は長い髪に変わり体は大人の女性になった その姿はとても美しく 満開の桜の花の様だった
悪神
木花之佐久夜毘売
木花之佐久夜毘売
太郎
コノハは両手を強くパンと叩き、開いた手の中から赤い短剣を出した。 短剣を構え、クルリと回転したと思うと、ピンクの長い髪をなびかせながら 悪神に斬りかかった
木花之佐久夜毘売
その動くスピードは人間の目で追えるものではないくらい速かったが、その短剣の軌道を追って桜の花が舞っていた 短剣は悪神の肩に命中し、 そのまま体を半分になるまで 勢い良く斬り進めた
悪神
そう叫ぶとお母さんの 背中にいた悪神は消えた
木花之佐久夜毘売
そう言ってコノハは短剣を消し 僕の方を見て優しく笑った
お母さん
お母さん
木花之佐久夜毘売
騒ぐお母さんを尻目に 僕はコノハの美しさに目が奪われていた
木花之佐久夜毘売
太郎
僕は恥ずかしくなり、目を逸らした
太郎
コノハ
僕がふと目を彼女に戻すと、コノハはいつも通り小さなチンチクリンな体になってチューチューとヤクルトを飲んでいた
太郎
コノハ
コノハ