stxxx読み切り集

最近思うことがある

｢ああ、このまま過ごしていたい｣

と、

ただ特別なことはせず当たり前を繰り返す

月が顔を出したら布団に潜り、

太陽が主張し始めたら起き上がって

そんな当たり前のことでも君となら何か違う気がするんだ

そう、言葉には表せないけどなんでも出来そうな気がする

ある日君は言ったよね

深夜人もまばらになり、終電まであと僅かとなった街

あるのはチカチカと点滅する電灯か月明かり

そしてそんな暗い中眩しいコンビニや駅

いつもと変わらぬ風景がなんだか特別に思える

それも全て

...なんてね

彼に引っ張られるがままに来ているためどこへと向かっているのか分からないが

だんだんと東の方向へと行っているのがわかった

雲がかかっていた月はだんだんと姿を現し始めた

こんな中どこへ行くのだろうか

そうやって君に連れられて着いた場所は

どこでも見れる海

それが何故か今はとてつもなく大切に思える

あぁなんだかこの海を見ていると

｢｢なんでもできそうな気がしてくる｣｣

そうやって2人でどのくらい笑い続けただろう

疲れて2人とも砂浜に倒れ込んだ

こうして俺らの逃避行劇は幕を閉じた

まぁ俺は戽湖无とならあの月までも行けそうだ、なんて思ったし

未来の分からないこの道も戽湖无がいるなら大丈夫だと思ってしまったけど

今はまだ知らなくていい