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アイカ

ちょっと、正気ですか?

一番最初に声を上げたのは アイカだった。

アイカ

今……何歳って言いました?

コガネ

……13。

ミツル

13のガキと俺たちを
一緒にするってのかよ!?

  

……決まったことだ。

  

コガネには帰る家がない。
よって儂が責任を持つ。

アイカ

言ってる事に理解ができない。

アイカ

帰る家がないなら孤児院にでも
突っ込んどきゃいいものを!!

アイカ

仕事が増えるだけじゃないの!!

  

だから先ほどから申しておる。

  

こいつは戸籍上、
儂の子となった。

  

儂が育てる。

ミツル

……。

アイカ

……。

「はぁ!?」

ミツル

納得いかねえ……。

ミツルはアイカと二人になると、 壁にもたれ掛かって苛立ちを 抑えようとしていた。

ミツル

俺たちは土下座してあの人の
下についたってのに……

ミツル

あいつは帰る家が無いからって
家族にしただぁ?

アイカ

……不満そうね。

ミツル

あったりまえだろ!!

ミツル

俺たちがどれだけ頑張っても
取れなかった
“隣にいる権利”を……

ミツル

あいつは一瞬で奪いやがった!!

アイカ

まぁ、ミツルからしたら
そうでしょうね。

アイカ

でも私も、あの人の
差し伸べてくれた手に
導かれてきた女なのよ。

アイカ

悪くは言えない。

ミツル

うるせえ!!

ミツル

殺してやる……
絶対殺してやる……。

アイカ

やめなさい。

アイカ

あの人はそんな事をしたとて
喜ばない。

アイカ

息子の嫁さんが妊娠したでしょう。
あの人ももうすぐ孫ができる。

アイカ

そうすれば、コガネはきっと
捨てられる。

ミツル

はっ。

ミツル

血には勝てねえってわけか。

少女は一人、 この広い、誰も使わなかった図書室で、 誰にも読まれなかった本を嗜んでいた。

アイカ

……やあコガネ。

彼女も同じ拾われ方であった。

しかし、

長き自分の人生よりも 大事にされるコガネが、

誰よりも気に入らなかった。

コガネ

……何の誤用ですか?

アイカ

何を読んでいるんだい?

コガネ

……近代文学と、
海外文学を多少。

アイカ

ふぅん……。

アイカ

ねえあんた、
何が目的なの?

コガネ

もくてき……?

アイカ

そうよ。

アイカ

私たちの愛する家族の様な人を書類なんかで奪って……

アイカ

何が目的なの!?

コガネ

私の目的はあの年老いた野郎の
人生の全てを奪うだけ。

その日アイカは、

人間とは思えぬスピードで刺され、

痛みすら、感じる余裕もなかった。

コガネ

……まずは一つ。

この広い、誰も使わなかった図書室で、

初めて、血が流れた。

ミツル

アイカが……死んだ!?

  

犯人は分かっておらぬ。
図書室に窓ガラスが割れていた。

  

恐らく敵襲にやられたんじゃろう。

ミツル

ふざけんな!!

ミツル

アイカはそんなことで
油断するやつじゃねえ……。

ずっと一緒に戦ってきた ミツルだからこそ、 分かることだ。

  

……深入りするな。
唯の仲間だ。

  

行くぞコガネ。

コガネ

……はい。

その少女には、 いつも光がなかった。

家族ができたのに、 ずっとどこか、遠くを見ている目。

ミツルはそれが大っ嫌いだった。

ミツル

おいクソガキ。

一人きりになったコガネに、 ミツルは接近した。

手首を掴んで、 真実を言うまで話さない目をしている。

ミツル

……お前が殺したんだろ?

コガネ

……私じゃ無い。

コガネ

あの爺も犯人は分からないと
言っている。

ミツル

とぼけるなよ!!

ミツル

あいつは……アイカは
図書室に行く様な本好きじゃ
ねえんだ!!

ミツル

アイカが図書室へ行った理由……

ミツル

それは、“図書室にいる人物”に
話すことがあったからだ。

ミツル

──お前だよ、コガネ。

コガネ

……どうしてそう思うの?

動揺も、笑顔も、怒りも、 涙も見せないコガネ。

ミツルはそんな人間が、 誰よりも許せなかった。

ミツル

毎日毎日図書室から漁ってきた
埃臭い本を持ってるお前以外に
図書室へ出向く真面目はいねえんだ。

ミツル

なあ……お前は──さんの
何なんだよ!!

ミツル

俺ですら……頼んでも
家族にしてもらえなかったんだぞ!

コガネ

私の目的は、ただ一つ。

コガネ

爺の人生の全てを奪うこと。

コガネ

私は爺に、そう告げた。

ミツルですら気付かぬスピードで ナイフが刺される。

コガネ

貴方は爺を愛していた。

コガネ

そして、アイカさんに
恋焦がれていた。

ミツル

なっ……!

コガネ

……どうして家族になれないか、
答えはたった一つ。

コガネ

爺が貴方を愛しているから。

ミツル

は……?

朦朧な意識の中で、 ミツルはそれを聞いた。

コガネ

私の目的、爺の人生の一部は、
貴方達の“能力”と“愛”で
構成されていた。

コガネ

だからこそ、
爺は貴方達を家族にはしなかった。

コガネ

それは、“自分と同じ人間じゃ無いから”。

コガネ

そうなって欲しくないから。

コガネ

貴方達はきっと、
爺に言われたことがない。

コガネ

「ようこそ、クロの世界へ。」
ってね。

イオリ

それで、二人とも殺したの?

コガネ

うん。

コガネ

爺さんは、優しい人だった。

コガネ

人に情がある奴は
絶対に踏み込ませなかった。

コガネ

その点、私はそうじゃなかった。

コガネ

全てを捨てて爺さんを
壊すと誓った。

イオリ

それで、爺さんは面白がって
コガネを家族にした……。

イオリ

てか何で爺さんの人生を壊すって
誓ったの?

コガネ

うーん?

コガネ

あの人が全てを握ってたから?

イオリ

なんじゃそりゃ。

シロクロのセカイ

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コメント

2

ユーザー

アイカとミツル結構なジジコンでかわいいなあ→エッ、タヒぬマ?

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