放課後、再び私たちは並んで歩いていた。
今日の帰り道は、昨日よりも少しだけ距離が近い気がした。
それに気づいたのは、他でもない私自身だった。
緑 。
不意打ちの質問に、足が止まりそうになる。
橙 。
緑 。
緑 。
橙 。
そう答えた私の声は、少しだけとがっていた。
緑 。
緑 。
緑は、そう言って笑う。
無邪気に、なんの悪気もなく。
その笑顔が、やけに胸に刺さる。
こんなふうに軽く聞かれると、こっちの気持ちばかり重く見えて、やるせなくなる。
私の気持ち、きっとこの人は気づいていない。
それとも、気づいていて知らないふりをしているだけ?
どちらにしても_
橙 。
聞き返した自分の声が、思ったより冷静だったことに驚いた。
でも、心の中はごちゃごちゃしていた。
緑 。
緑 。
橙 。
緑 。
緑 。
橙 。
緑 。
緑 。
それって、優しいってこと?
それとも、"都合のいい聞き役"ってこと?
私は答えないまま、前だけを見て歩いた。
気づけば、いつもの交差点。
「じゃあ、また明日な!」と手を振って、彼は自転車置き場の方へ走っていく。
取り残された私は、ただひとりその背中を見送る。
この気持ちは、どこまで行っても私ひとりのものなんだ_
否定したい気持ちと、肯定せざるを得ない現実。
私はいま、その狭間に立っていた。
コメント
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表現技法が凄すぎる… 比喩とかの使い方上手ですねッッ!!